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ひとり広報立ち上げの知恵袋:今日から使えるかも!?

はじめに

広告・エンタメ関連のベンチャー企業で広報をしている、fukudaです。ファーストキャリアは広告会社の営業でしたが、事業や採用を推進するPRの可能性に魅了され、転職して広報にキャリアチェンジしました。

なぜ広報にキャリアチェンジしたのかは、こちらの記事をご覧ください。(やかましい表情で語っていますが、お手柔らかに…)


転職先では、ひとり広報として広報立ち上げを経験。自分なりに考えて業務を推進するやりがい、結果がでた時の達成感を感じる一方で、数多くの問題にも直面しました。その度に先輩広報のnoteから学びと(勝手に)エールをもらい、試行錯誤して乗り越えてきました。

広報歴は3年とまだまだ広報経験不足ではありますが、同じように悩み、広報立ち上げに奮闘している方々にとって有益な情報があればと思い、課題とその解決策についてシェアしたいと思います。どうかお役に立てますと幸いです。


問題1:リリースの内容を固めるまで、かなりの手間と時間を要した


成長拡大に伴い社内の組織体制が定まっていない時期では、一本のリリース作成に関与する人が代表取締役、事業部責任者、事業部担当者、マーケティング担当者とさまざまでした。

複数の人物がリリースをチェックする時に起こったのが、リリースで訴求したいポイントがバラバラであるがゆえ、内容を固めるのに手間も時間も要したということでした。

<課題>
広報の役割や、リリースに期待することの目線合わせをする

<解決策>
・広報の役割、リリースの定義とリリースで発信すべきファクトを共有
・「何のために誰に何を伝えたいのか」を可視化して共有


前者については、そもそも広報は宣伝と比べて何が違うのか、電通PRコンサルティングが提唱する「PR IMPAKT®️」の法則やPR TIMESの掲載基準を参考に、ニュースバリューが高いネタは何なのか、何を発信すべきなのかを適宜社内に共有しました。

また後者については、ブリーフィングシートとなるものを作成して、まずリリースを作成する前に与件のすり合わせを行いました。

ブリーフィングシートとは、目的・対象・期間といった依頼したい仕事内容を簡潔に記載した参考資料、手引書のようなもの。

ブリーフィングシートのイメージ

昨今リード獲得を狙ってPR TIMESなどのリリース配信ツールを利用するケースがあることから、リリースの活用方法は多様化しています。尚更何のためにリリースを打つのかと、まず目線合わせをすることの重要度が増しているというわけです。


<結果>
・リリース内容について社内からの戻しの回数が少なくなり、目的に沿ったリリース内容を作成できるようになった
・ニュースバリューのレベルによって、どれだけの時間とパワーをかけるかの判断がつくようになった


問題2:インタビュー記事やリリースなどのアウトプットの量が思うように増えなかった

ベンチャー企業の広報をしていると、「質より量」で勝負をするフェーズを経験する人は多いのではと思います。余談ですが、Sansanの広報・小池さんも以下のように述べていました。

PRパーソンの成長を考えたときに、質の良いトレーニングをたくさん行いながら、効率よく広報スキルを伸ばすことがベストですが、現実そんなトレーニングはありません。質より量をとることで広報業務を体に染み込ませるフェーズがあっても良いと思います。

https://webtan.impress.co.jp/e/2019/08/08/33264

とは言え、キャパが足りないと頭を抱えることがあるかと思います。私はありました。アウトプットというと、リリースに加えて、事例インタビューや採用インタビュー記事が主でしたが、他の業務もあるため、アウトプットだけに専念することはできなかったのです。

<課題>
・インタビュー記事作成の効率化を図り、特にインタビューから初稿までの工数を短縮する

<解決策>
・インタビュー記事では、事前にインタビュイーに構成案・想定質問を共有する(可能であればインタビュー前に回答してもらう)
・文字起こしは、AI自動文字起こしに頼る

リリースの業務効率については、前述の問題①で実践したことと重複するため、今回はインタビュー記事の事例を紹介します。

インタビューの時には、リリースと同様ブリーフィングシートに合わせて、事前に構成案と質問内容をインタビュイーに共有を行いました。また可能な限り、インタビュー前にインタビュイーに質問へ回答してもらうことを行いました。

事前の回答で得られるメリットとしては、要点がつかめ、記事の完成をイメージしながらインタビューが行えます。

それからインタビュー後の文字起こしです。クラウドワークスで文字起こしを依頼していた時期もありましたが、現在はAI自動文字起こし「CLOVA Note」を利用しています。(文字起こしツールの参考記事はこちら)


<結果>
・インタビューから初稿までのリードタイムが圧倒的に短縮された
これまで早くても一週間強を要していたのですが、2、3日という自己ベストを叩き出しました。(上には上がいることは承知のもと)

・企画内容に応じて誰にインタビューすべきかを的確に判断できるようになった
事前にインタビュイーに質問内容へ回答いただいた結果、インタビュイーご本人から「この内容だったら他の人がいいかも」と提案をいただくこともありました。


問題3:ミッションはメディアへの露出、しかし事例も報道関係者とのコネクションもなかった

新プロジェクトの認知ための広報に取り組んでいた時期がありました。走り出しのタイミングで代表取締役から言われたこととしては「このプロジェクトは社会貢献性が高いだろうだから、半年以内にメディア(特にテレビ)に露出したい」ということでした。

共感はできる反面、メディアプローチの経験はこれがほぼ初めて。さらにこれからプロジェクトのコンセプトや取り組み内容を詰めていく段階だったため、すぐに事例ができるという状況でもありませんでした。

<課題>
・イチから情報を開発して、報道関係者へ定期で情報を提供し続ける

<解決策>
・露出したいターゲットとするメディアを選定
・プロジェクト担当者起点での切り口、寄稿などによって情報を開発
・問い合わせフォーム、郵送、記者のSNSなどを駆使し、情報を提供

まずは、どのメディアへの露出を狙うかということです。そもそもプロジェクトを誰に知ってもらいたいのか、そしてどこのメディアなら興味を持っていただけそうなのかという目線で、メディアをピックアップしました。ピックアップしたメディアはテレビ制作会社も含み、50件以上でした。(参考記事はこちら)

次にPRするファクト。前述の通り、新しいサービスであったことから事例がまだない状況でした。対してプロジェクトの担当者がユニークな経歴を持っていたことから、まずは”人”の切り口で情報を開発するのがいいという判断に。担当者への取材依頼を狙い、記事の方向性を数件考案して、ニュースレターという形で報道関係者に情報提供しました。

ニュースレターについては、例えば「セカンドキャリア」をテーマにしたことがあります。
その場合、自社取材を想定した記事案や事例をニュースレターに掲載する場合もあれば、承諾を得た上で他社の事例を交えて掲載することもありました。
自社への取材に至らないこともありますが、今後報道関係者に「セカンドキャリアのテーマに困ったらfukudaさんに聞こう」と思ってもらえれば、ゆくゆくは自社の取材に至るケースがあります。

他には寄稿記事の考案、イベント実施、アンケート調査なども実施しました。当時は「事例が無い中で、報道関係者向けに何が発信できるのだろう」と悲観的になる時もありましたが、今振り返るといくらでも手はあるのだと感じます。

最後に情報提供です。問い合わせフォーム、FAX、郵送で送る場合もあれば、メディア交流会で報道関係者と名刺交換をして情報を提供しました。さらに記者のSNSをネットで検索して、XやFacebookからメッセージを送ることも行いました。

一度の情報提供だけで取材につながったこともありましたが、稀です。同じテーマでも、その時の記者の担当範囲や時流などによって取材に繋がるかどうか、タイミングが影響することもあります。ゆえに定期的に情報を提供して、報道関係者との関係を構築し続けることが大事に思います。

<結果>
・自社が発信するテーマに興味関心のある報道関係者のリードが増えた
・プロジェクト担当者への取材記事、寄稿記事でメディア露出された
・自社が発信するテーマ、プロジェクトに共感してくださる協力先が増えた

メディア露出が叶ったのはもちろん嬉しいことではありましたが、何より嬉しかったのは「自社が発信するテーマ、プロジェクトに共感してくださる協力先が増えた」ことです。広報を通じてステークホルダーの関係値を構築できたと感じる経験でした。


まとめ

さくっと収めようと思ったのですが、思い返しながら書くとなかなかの長文になってしまいました…(最後まで読んでくださった方、ありがとうございます)

私もまだまだひとり広報として奮闘する日々が続きます。「同じような課題を別の方法で乗り換えた」「他にこのような課題に直面した」などあれば、ぜひXなりでコメントいただけると嬉しいです。

このnoteは、#PRFunho Advent Calendar 2023の12月11日の記事です。広報Slackコミュニティ「#PRFunho」の年末企画で、12月の毎日、広報・PRパーソンによる記事が発信されます!


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