【詩】 雑踏
ある人がある人の足を踏んだ
踏んだ側は謝ったけれど
踏まれた側は痛いと言った
何もできず困った
踏んだ側はどこか次の場所へ立ち去った
踏んだことはすぐに忘れられて
踏まれた痛みを忘れるには
多分それより時間がかかる
謝っても痛みは消えない
許すには時間がすこし余計にかかる
だから気をつけて
人を傷つけないように
自分の身をコントロールして
傷つけられた側の痛みは
あなたが忘れた後も残りやすいんだ
あなたの受けた痛みは
あなたが忘れることで消える
それは相手を許すというよりは
自分の未来を損なわないため
次こそは踏まれないよう
身をかわす
繰り返し踏みつける不躾な人からは
離れなければならない
かもしれない
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