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#11 オール深川!手作業で1本1本つくる「ふかがわシードル」-発酵編-

こんにちは、北海道深川市 地域おこし協力隊 いしたです。

今回は、ふかがわシードルの「発酵編」です。

【ふかがわシードルの製造工程】
① 原料受入
② 下処理
③ 搾汁・発酵 ←ココ
④ ろ過
⑤ 瓶詰め・火入れ
⑥ 出荷準備

「発酵」と聞くと、
菌が増殖して美味しくしてくれる
くらいの超アバウトなイメージしかありませんでした。

実際に「発酵」の様子を見学させていただいて、
このアバウトなイメージが少しだけ
具体になった気がしています(気のせいかもしれないけれど)。


酵母とは


酵母とは、
糖をアルコールと炭酸ガスに分解する微生物のことです。
酵母を英訳すると「yeast(イースト)」です。

パンを作るときに「イースト菌」を使いますが、
まさにこのことです。

私はパン作りの経験がほとんどないし、
英語もめっちゃ得意というわけではなかったので、
お恥ずかしながら、
イースト菌=酵母ということをこの機会に理解しました。
(ちなみに、「ドライイースト」は乾燥させたイースト菌のことです)

「酵母」をりんご果汁に加え発酵
させることにより、
美味しいシードルができあがるというわけです。

ふかがわシードルの土台「酒母」


ふかがわシードルは、
日本酒醸造のノウハウを取り入れています。

そのため、シードル造りの「発酵」においても
日本酒醸造のノウハウが取り入れられているのです。
ふかがわシードルに発酵では、
酒母を作ります。

酒の母と書いて「酒母(しゅぼ)」と読みます。
私は初めて耳にする言葉でした。

酒母とは、
日本酒をつくる土台となる液体のこと指します。
つまり、
ふかがわシードルの土台となる液体です。

酒母を作る目的は、
アルコールを生成するための酵母を大量に培養することです。

何百リットルもの果汁に
そのまま酵母を入れて発酵させるのではなく、
酒母をつくり、
その酒母を何百リットルもの果汁に入れて発酵させているのです。

パウダー状態の酵母にお湯を入れて、酵母を起こす


あまーーーい!りんご果汁


酵母は「糖をアルコールと炭酸ガスに分解する微生物のこと」と説明しましたが、
そうです、糖が必要なんです。
ということで、りんご果汁の出番になります。

ふかがわシードルでは、
絞ったりんご果汁をそのまま使うのではなく、
一度凍らせて、
より糖度が高くなったりんご果汁
を使っています。

夏になると「凍らせたスポーツドリンク」
をよく飲みましたが(特に子供の頃)、

『とけはじめはスポドリが濃くて、ようやく溶けきった時にはうっすいスポドリになっている現象』

ってあったじゃないですか。
まさに、この状態です。

とけはじめの濃い部分のみを使う、
というイメージです。

りんご果汁を凍らせて→とかす
という工程のおかげで、
りんご果汁をより甘くし、
贅沢に使っているのです。

ハンバーグ師匠こと井戸田潤のあのセリフが出ちゃうくらい甘いりんご果汁


酵母とりんご果汁を合わせて、
酒母が出来上がります。
見た目は、ミルクティーのような色合いです。

飲んでみると、
函館で飲んだ要冷蔵のクラフトビールの風味と似ていました。
あれは酵母が生きているから要冷蔵だったみたいです。
(今このタイミングで要冷蔵の訳を理解しました。笑)

要冷蔵のクラフトビールと酒母、どちらも「酵母が生きている」ので、
クラフトビールの風味と似ているという表現は意外と良いところをついていたようです(自分の感覚に感動しました。笑)。

できたてほやほやの酒母

この酒母を1晩寝かせて
酵母をより活発にさせた状態で、
りんご果汁たちと合流させます。

何か、いる、、、!
酵母の存在を感じる


酒母を作成した翌日、
酒母がどのようになっているか見に行きました。

「何か、いる、、、、!」

と感じるくらい、ずっとぶくぶくしている酒母。

酵母が元気なので、
酒母はずーっと動いているんです。
ノンストップで動き続けているんです。

酵母を肉眼で見ることは難しいですが、
酵母がここにいるんだということを実感しました。

ずっとぶくぶくしている酒母

ちなみに、酒母は一晩寝かせただけでも、
アルコール度数3%以上になっていました。

一晩寝かせただけなのに、
酵母めっちゃ仕事するじゃん!(誰目線)
と、酵母の働きっぷりに感動しました。

酵母がりんご果汁を
シードルに変身させているんです。


何百リットルものりんご果汁を目の前に、

おなかいっぱいにこの果汁を飲みたいな~
りんご果汁風呂できるじゃん~

と小学生みたいなことを考えていました。笑

これからタンクで酒母と合流するりんご果汁


りんご果汁を凍らせて糖度をより高くしていますが、
この凍結という作業があるからこそ
この時期でも醸造作業ができて、
年中ふかがわシードルを提供できるというわけです!

ふかがわシードルはりんご果汁と酵母だけ。
こだわりの塊。


ふかがわシードルの工場を何度か
見学させていただきましたが、
毎回、驚きと感動があります。

こんなに美味しいシードルが
りんごと酵母だけでできているって、
すごいです。

もちろん年度によってもりんごによっても、
りんご果汁の糖度は異なります。

りんご果汁の糖度が異なると酵母の働き具合が変わってくるので、
甘すぎたりドライすぎたり、炭酸が強すぎたりしてしまいます。

どんなときも提供するシードルの品質が保てるよう、
毎回美味しいベストな状態で提供できるよう、
計算して、調整しているのです。

本当すごいです。(すごすぎて、すごいしか言えなくなっている)

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