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富士通の「サステナビリティ貢献賞」を徹底解説!パーパス実現を後押しする社内表彰制度とは?

こんにちは! 富士通)広報のオガです。​​​​​​​
今日は富士通の社内表彰制度である「サステナビリティ貢献賞」をご紹介します!
「社内表彰制度?よく聞く話だけど・・・」と思われるかもしれないですね。もちろん、富士通の社内にも表彰制度はいくつもあります。でも、今日ご紹介する「サステナビリティ貢献賞」は、富士通のパーパス「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を実現するために設けられた制度なんです。パーパスの実現を目指して、富士通が取り組む注力分野であるマテリアリティ*に関連した取り組みを称える本賞は、数ある表彰制度の中でも私たちが特に大切にしている表彰の一つになっています。
今回、この表彰制度の概要とともに、今年度の受賞事例を通じて、私たちの取り組みをお伝えしたいと思います。

*マテリアリティ:
パーパスの実現に向けて、2030年のビジョン「デジタルサービスによってネットポジティブを実現するテクノロジーカンパニーになる」を達成するために富士通が取り組む注力分野。必要不可欠な貢献分野である「地球環境問題の解決(Planet)」「デジタル社会の発展(Prosperity)」「人々のウェルビーイングの向上(People)」と、持続的な発展を可能にする土台である「テクノロジー(Technology)」「経営基盤(Management foundation)」「人材(Human Capital)」からなる。


1. 「サステナビリティ貢献賞」について

「サステナビリティ貢献賞」は、もともと環境に関する取り組みの活性化を目的として、社内の優れた環境活動や、お客様や社会に対する環境面での貢献を表彰する「環境貢献賞」として1995年にスタートしました。実は30年近くも前に始まった表彰制度なんです。
その後も、環境に対する世の中の考え方や取り組みの変化に合わせて、富士通の活動や製品・サービスを通じた環境貢献も変化していく中で、少しずつ形を変えていきました。そして、大きなターニングポイントとなったのが2020年です。この年、富士通はパーパスを定め、すべての企業活動をパーパス実現のための活動として取り組んでいくことにしました。このパーパスの制定にあわせて、社員の行動の原理原則である「Fujitsu Way」も改定しました。これに沿う形で、2021年度より表彰の対象範囲を拡大し、賞の名前を現在の「サステナビリティ貢献賞」に刷新しました。
2024年度からは、富士通が今後注力していく分野と一致した活動をより多く募集するため、マテリアリティへの貢献をエントリー内容に盛り込むようにするなど、その取り組みを進化させてきました。
本賞の受賞プロジェクトは、その後のパーパス実現に向けた活動のお手本やビジネス展開のヒントとして、次のアクションに繋げてもらうために、全社員に共有されます。過去のプロジェクトの中には、社会に大きなインパクトを与えてきたものもたくさんありました。そんなプロジェクトが具体的に解決を目指した課題や、その実現に向けた苦労などが共有されることで、社員の共感を呼び、社会課題を自分ごととして捉え、意識を高める効果を生み出しています。
また、審査にあたっては、APAC、Europe、Americas、Japanの各リージョンの社員が審査員として参加し、多様な視点から社会への貢献を評価することで、未来を担う人材の育成にも繋げています。

2. 2024年度の受賞案件

今年は国内外から182件ものプロジェクトの応募があり、大賞2件、優秀賞6件、特別賞40件が表彰されました。
受賞したプロジェクトは、社会課題解決への強い思いと、富士通の革新的な技術力が融合した、未来への希望を感じさせるものに溢れていました。
持続可能な社会の実現に大きく貢献する優秀賞受賞プロジェクトの中から、特に社会が求めるサステナビリティアクションの傾向とも合致し、富士通の最新の技術力が生かされている2件をご紹介したいと思います。受賞者から、プロジェクトに込められた思いと受賞の喜びを込めたコメントが寄せられていますので、そちらも併せてお伝えします!

①   世界的なAI電力問題を解決する技術 by富士通研究所

Chat-GPTによってAIが民主化され、様々な業種・企業で高度なAIサービスの開発・運用が拡がる昨今、膨大な計算能力と電力が必要となるAI技術には、環境への影響が問題視されています。
AI開発においてGPUは必要不可欠ですが、GPUの消費電力はCPUより大きく、最新のGPUの消費電力は1枚あたり700Wにも上ります。大規模なAIともなれば、消費電力の高いGPUを数千台規模で数か月かけて開発するため、大量の電力を消費してしまいます。
そこで富士通研究所では、AI開発で必要なGPU枚数を削減可能な技術を開発し、典型的なDeep Learning学習ワークロードで処理性能の劣化なくGPU枚数を3分の1にすることに成功しました。仮に大規模AI開発で利用される1万台規模のGPUシステムのGPU数を半減できれば、3.5MW*もの電力削減が可能となります。本件に関する、CPUとGPUの計算処理をリアルタイムに切り替える「アダプティブGPUアロケーター技術」について、2023年11月9日にプレスリリースしています。
さらに、2024年10月22日にはGPUの稼働率向上やAIの処理数増加に貢献するミドルウェア技術「AI computing broker」の提供を開始しております(2024年10月22日プレスリリース)。
今後さまざまな分野において本技術を活かし、富士通のマテリアリティ分野では主に「最先端技術の開発およびイノベーションの創出」「気候変動」に貢献することが期待されています。
*1年間では30660MWhの削減、4人家族5500世帯分の年間電力削減に相当(4人家族年間5,500kwh)

左:GPU数が3分の1でも性能劣化なくAI処理を実現する技術イメージ
右:2023年11月に開催されたスパコンに関するトップ国際会議SC23において、
富士通ブースで技術展示を実施

②  フィンランドの12の工場で利用、ファクトリーIT モニタリング・オペレーション・センター顧客事例 by Fujitsu Finland Oy

Fujitsu Finland Oyが提供する「ファクトリーITモニタリング・オペレーション・センター(MOC)」は、工場で利用するさまざまな外部サービス・アプリケーションを、AIを利用した一つの監視プラットフォームに統合するもので、生産ラインの安定稼働と効率的な運用を実現するとともに、環境への影響も最小限に抑えることができます。
工場ではさまざまなベンダーが入り組む複雑なシステムを運用しています。そのため、もし予期せぬ作業停止などのトラブルが起きると、問題がどこにあるのかを発見しにくいという課題がありました。これにより、システムの停止時間が長引くだけでなく、機械の再起動にかかる不必要なエネルギーの消費が設備の損傷や無駄な清掃コストの増大、材料や作業時間の浪費を招き、最悪の場合は意図しない化学廃棄物の放出につながる可能性があります。
MOCは、AIによる一元監視で工場全体を可視化し、迅速な原因分析と復旧を可能にすることで、生産停止による損失と環境負荷を最小限に抑えます。また、システム全体の稼働状況の把握が可能になることで、無駄なエネルギー消費を削減し、コスト削減と省エネを両立します。マルチベンダー環境にも対応しており、スムーズなトラブルシューティングを支援し、環境に配慮した効率的な工場運営を可能にします。
フィンランドのあるお客様からは導入当初から高い評価を得て、国内の12の工場で利用されています。今後、海外にある約25の工場への展開を皮切りに、グローバルでのビジネス拡大が期待されており、マテリアリティ分野のうち、主に「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に貢献しています。

3. おわりに

いかがでしたでしょうか?
「サステナビリティ貢献賞」を続けてきた結果、持続可能な社会の実現に向けた社員一人ひとりの意識が高まり、富士通の企業文化に深く根付きつつあります。いくつかの部門では受賞件数を目標に設定するなど、組織全体でサステナビリティを推進する動きも生まれています。
富士通はこれからも「サステナビリティ貢献賞」を通じて、社会課題解決に向けた社員やチームの挑戦を応援し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

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