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【書評】キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!

21回目の投稿になります。今回は書評と題して、最近読んだ本についてまとめてみました。改めて、現場で足を稼ぐことの大切さを感じたので、是非ご覧下さい。

本の紹介

今回紹介する本はこちらです。『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』という本です。この本は、地方のダメ支店と言われた高知支店に赴任され、後にこの本を執筆された田村潤さんの営業の極意や経験談についてまとめられた本です。この本は友人から、「この本は結構良いよ。」と薦められ、譲り受けました。また、僕自身、新卒の配属で都心部ではなく地方に配属になり、田村さんが地方の支店に配属になってからどのように行動したのか参考にしたいと思い、今回読む事にしました。印象深かった部分を振り返りながら、まとめていきたいと思います。
(『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』の詳細はこちらからご覧下さい。)

バックミラーを見ながら運転してはいけない

これは、本文の最後にあった田村潤さんの大切にしている価値観のまとめにあったものです。データがこうなっているからこうだと決めつけ過ぎてしまうのは良くないと説いていました。何故なら、それは過去の行動の結果の蓄積にしか過ぎず、過去の行動が未来を決定するわけではないからです。実際にキリンビールの社内で起こった事例を述べていきます。かつて、ビール業界では量販店が海外からビールを輸入して、安く売り始めた事で価格競争が激化していった時代がありました。加えて、アサヒビールが「スーパードライ」を発売した事を契機にキリンビールの売上が激減しました。それまで、キリンビールの独壇場だったのですが、スーパードライのさっぱりとしたキレは、これまでにない味覚として打ち出され、爆発的なヒットを生み出しました。そんな中で、数字上の危機感から、百年の伝統がある「ラガービール」の味覚の変更をするという決断を下しました。これはスーパードライを支持している若者や女性層を取り込まなければならないと、飲みやすいタイプに変更をしたのです。結果的にこの決断により、ラガービールファンを失望させ、キリンビール離れに拍車をかける事になってしまいました。最終的には、アサヒビールにシェア一位を奪われてしまう結果になってしましました。高知支店でもそういった状況になり、当時の田村さんは現場や料飲店を周り、ヒアリングをする事にしました。ヒアリングをした結果、①スーパードライの味が高知の人達の味覚に合っていたから、②広告による宣伝を数多く目にし、目立つ場所にも沢山置いてあり、料飲店に行ってもアサヒが多いから、という二点の理由でした。特に②の意見から分かる事はビールは情報で飲まれているという事でした。田村さんは従来通りの料飲店や量販店周りの合間を縫って、メディアを通じての広告を打ちました。高知の人達に関心を持ってもらえるようにと考えた結果、高知の人達は‘‘いちばん”である事が大好きだという事が分かり、これをキャッチコピーにしました。そして、新聞の広告に大きく「高知が、いちばん。」というキャッチコピーを入れ、広告を出しました。それは一人あたりのラガーの大瓶の消費量が日本一である事への感謝の広告でした。本来であれば、この一言は購買意欲を促進するものではありません。しかし、蓋を開けてみれば、市場でも反応が出始め、話題になっていきました。その後、田村さんは社長に高知の人達の声や現場の要望を直談判し、ラガーの味を元に戻す事を成し遂げました。このように過去のデータや市場のトレンドに流される状態であると、熱狂的なファンを自ら手放してしまう事になりかねません。だからこそ、現場の声や消費者の意見が大事なのだと思いました。

個々の意識とチームワーク

田村さんは高知支店に配属になってから、社員と「結果のコミュニケーション」というものを行っていきました。これは、メンバーが自発的に目標を決め、それを上司と約束するというものです。これにより、社員が仕事に受け身ではなく、自発的に主体的に取り組むようにさせようという狙いでした。田村さんは本文の中で、「チームワークとは馴れ合いではなく、ひとりひとりが自立することによってお互いを認め合って生まれるもの『結果のコミュニケーション』を通じて、それぞれが自分の約束に責任をもつようになった。だからこそチームワークが生まれてきた」と述べていました。加えて、『理念』や『ビジョン』の浸透・共有にも力を入れました。ここでは前者は、「自分は何のために行動しているのかという、いわばアイデンティティ」、後者は、「理念に基づいたあるべき状態」という定義をしています。田村さんは本文で仕事とは、すなわち理念に裏打ちされたビジョンを達成するものであると述べています。何故なら、「上から命令された施策や企画を忠実にこなすこと」のみが仕事ではないからです。ただこなすだけの仕事は面白くないですし、自分のやり方で創意工夫をすれば、その経験が自分の中に蓄積されます。なので、理念やビジョンを腹落ちさせた上で、主体的に取り組む事で社員一人一人が高い意識を持って取り組めるようになり、チームワークの醸成に繋がります。

さあ、という事で今回は書評と題して、『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』という本を紹介させて頂きました。今回、この本を読んで主体的に考える事で物事に取り組む姿勢や違った意識が生まれる事が改めて分かりました。今後は自分が立てた目標を定期的に振り返る機会や現場に足を運ぶだけでなく、何故現場はそうなっているのかといった背景まで考えるといった事を意識して仕事をしていきたいと思います!

という事で、今回はこの辺で!

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