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【5分で読める】『バイアスとは何か』(藤田政博著、2021年)を著者自身が要約


この記事は、『バイアスとは何か』でお伝えしたかったエッセンスを損なうことなく、ポイントを絞って5分程度で読めるように作成した要約です。


著者なので、この本で重点的に言いたかったことは何なのかを一番理解しています。その観点から作成した要約です。

お忙しい方が、本当のポイントを把握できるようにしています。


第1章 バイアスとは何か

認知バイアスとは、認知の偏りのことで、私たちの認知能力に内在しているものです。
私たちの認知は、五感から得られる情報を、脳内で処理・推論されてできます。バイアスはこの過程で必然的に生じます。

バイアスの特徴の1つは、無意識に生ずることです。
そして、生き延びる上で有利になるものは、長年の進化の過程で受け継がれてきました。

例えば他者をみるときに、社会的に望ましくない行動に着目するバイアスがあります。これは、つきあうべきでない人を見分けることで、生き残りに有利だったためと思われます。

人間にとって、生物として生き残るには一度間違えると死んでしまうような誤りを避けることが最も重要でした。
そのため、生き死ににかかわらない、ある程度のバイアスを持っている個体も、淘汰されずに生きのびてきたと考えられます。

以上から、認知バイアスは単なる認知の間違いや不都合なゆがみということではなく、私たちの生き残りと、認知のしくみそのものと深く関わる現象だといえます。

バイアス自体は意識的な努力で直接修正できません。
しかし、バイアスについて理解することで、意思決定の前に影響を検討したり、対策を講じることが可能になります。

第2章 バイアス研究の巨人:カーネマンとトヴァースキー(プロスペクト理論・代表性ヒューリスティックス・基準率の無視)

カーネマンとトヴァースキーの研究は認知バイアスの分野における草分け的な研究と言えます。

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