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紙の「四六判」と書籍の「四六判」、なにが違う?

フジプラスコンタクトセンターのとっかりです。

皆さん、読書は好きですか?
本好きの方なら聞いたことがあるかもしれない「四六判」や「菊判」という言葉。本のサイズを表しているのですが、これらがなぜ四六や菊などと呼ばれているかご存知でしょうか。

すこし前に書いた記事では紹介しきれなかった、これらの規格について今日はまとめていきます。


「四六判」は「大八つ判」だった?

「四六判」とは紙の寸法のひとつで、原紙寸法は788mm×1091mm
A判やB判と同じく一見キリの良い数字には思えず、ちょっと覚えづらい微妙な数字です。

四六判の歴史は、国際規格のA判や日本産業規格(JIS)のB判が制定される昭和よりもう少し前の、明治時代にまで遡ります。

以前も紹介した通り、日本では「美濃判」という古くから親しまれた和紙がありましたが、明治になって洋紙も海外から輸入されるように。
中でもイギリスから輸入された「クラウン判」という規格の用紙が、ちょうど美濃判を8面取れるサイズだったことから、「大八つ判」と呼ばれて日本で重宝されるようになりました。それにしてもかなり大きいですよね。海外の方が抄造技術が高かったのでしょうか。

印刷技術が広まり、「大八つ判」は出版物にも使われ始めます。大八つ判を32(8×4)折りにして製本、四方を化粧断ちしたものが横4寸×縦6寸になるため、4と6という数字からこの寸法の本を「四六判」と呼ぶように。その四六判を作るための原紙も、いつしか「大八つ判」ではなく「四六判」と呼称されるようになったそうです。紙の「四六判」と書籍の「四六判」の違いはこういうことだったのですね。


「菊判」の菊って?

いずれも業界用語であることに変わりありませんが、「菊判」は「四六判」よりもう少しマイナーでしょうか。
「菊判」もまた紙の寸法のひとつで、原紙寸法は636mm×939mmです。

四六判と同じく明治時代に、新聞用紙として使用するためにアメリカから輸入された用紙が始まりとされています。これをなぜ「菊」と呼ぶのかは諸説ありますが、主に下記ではないかと言われています。

説① 輸入紙の包装紙に、商標としてダリアの花が描かれており、それが菊の花のように見えたから(ダリアも菊も同じキク科で非常に似ている)

説② 新聞の「聞」は「きく」とも読めるから

その後は出版等の用途でも使用されるようになったことで日本に定着。今はアメリカでは使われておらず、日本独自の規格になったそうです。これを16折りにしたサイズが、「菊判」という書籍の判型として今も使われています。


本のサイズはどれがいいの?

書籍の「四六判」と「菊判」は現在はJISの規格外であり、細かいサイズのルールが決まっておらず、同じ呼び方でも出版社によって若干サイズが異なりますのでご注意ください。

現代の書籍の四六判は、出版社により若干異なるものの128×188mmが主流。B6(128×182mm)とほぼ同じサイズです。
一方、書籍の菊判は152×218mmが主流で、A5(148×210mm)よりもう少し大きいくらいのサイズです。

どちらも単行本が多く、特に四六判は小説やビジネス書、菊判は学術書などによく用いられています。四六判はスタンダードなサイズ感、菊判は少し大きめなので、書店の店頭で目立つというメリットがあります。本のジャンル等によって選ぶのがおすすめです。

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