見出し画像

「A4」とか「B4」って一体何なのか

こんにちは!
フジプラスコンタクトセンターのとっかりです。

フジプラスに入社し、紙に関わり始めてこの春で早4年となりますが、まだまだ知らないことだらけ。「なぜ?」と思ったら都度調べて身に着ける、ということを忘れないようにしたいところです。

そこで今回は、印刷に関わっている方もそうでない方も、もしかすると「なんとな~く」で使っているかもしれない「A4」や「B4」などの紙のサイズのお話についてまとめていきます。

「A判」と「B判」

紙に関わる者として、買わずにはいられなかったこのキーホルダー。入荷を待ってようやくゲットしました。「GARLAND」様の商品です。可愛い!

裏面にはB判のサイズが書かれています
いやいや、カンペ用に買ったわけじゃないですよ

これを見て分かる通り、まずA0という規格があり、その長辺を半分にしたものがA1、そのまた半分がA2、そのまたまた半分がA3……と続きます。B判もまた然り。一般的に最も馴染み深いのは「A4」ですよね。
このAホニャララのグループを「A判」、Bホニャララのグループを「B判」と呼びます。

ぱっと見、特にキリの良い数字には見えません。一体どのようにして決められたのでしょうか。そしてなぜAとB、2種類の規格があるのでしょうか。


「A判」とは

現在の「A判」は、ドイツの工業規格「DIN476」(1922年制定)を元に定められた国際規格「ISO216」(1975年制定)による紙の仕上がり寸法の規格です。仕上がり寸法とは、冊子やチラシやポスターなどの製品に仕上がった際の大きさのことです。

面積が1㎡、縦横比が「1:√2」となる「白銀比」の長方形をA0としています。長辺を垂直に半分にしていったとき、比率が変わらず同じままで保たれる仕組みです。

黄金比は聞いたことがあっても、白銀比は知らないという方も多いのではないでしょうか。黄金比は「1:1.618」。黄金比も白銀比も、人間が美しいと感じる、古来より好まれ使用されてきた比率です。


「B判」は2つある?

一方で「B判」はなんと2パターン存在します。
私たち日本人が一般的に使用する「B判」は、日本の工業規格「JIS P 0138」(1951年制定)によって定められたバージョンであり、国際規格とは互換性がありません。この規格を使用するのは、主に日本・中国・台湾のみであるそうです。

つまり先述の「ISO216」にもB判が存在するのですが、2つを比較するとJISの方がやや大きいことが分かります。

なぜ日本独自の規格を作ったのか?経緯がちょっとややこしいのですが、簡潔にまとめると下記のような流れです。

この日本のB判は、古くから和紙の名産地として栄えていた美濃国(現在の岐阜県南部)で作られていた美濃紙の大きさ「美濃判」が元となって作られています。

美濃紙はその質の良さから、江戸幕府の公用紙としても使用されていました。紙の大きさは身分によって決められており、中でも美濃判(9寸×1尺3寸=273×393mm)は徳川御三家専用とされ、庶民は使うことができない憧れのサイズだったそうです。しかし明治維新後はそのような縛りもなくなり、美濃判が一般に広まるように。

273×393mmは、現在のB4(257×364mm)と近い大きさですね。
日本の印刷方式に当てはまりつつも、馴染みのあるサイズということで、この美濃判を元にしつつ面積をキリ良く1.5㎡、縦横比が「1:√2」になるサイズをB0と定め、日本の標準規格とする流れができたそうです。


どんなところで使われているか

A判とB判は、それぞれどのような場面で使われているのでしょうか。生活の中でよく見かけるサイズをピックアップしてご紹介します。

A2(420×594mm)

新聞片面に近いサイズ。どちらかというと個人宅用のポスターやカレンダーによく使用されます。目立ちつつも邪魔になりすぎないサイズです。

※実際は「ブランケット判」(406×546mm)という大きさです。

A4(210×297mm)

私たちが日常生活で最もお世話になっているであろうサイズです。ノート、レジュメ、フライヤーなど、何にでも使われる丁度いい大きさです。

A6(105×148mm)

文庫本のサイズは実はA6です。但し厳密には、出版社によって長辺が微妙に異なります。持ち運びがしやすいサイズですね。

B2(515×728mm)

展示会などのパネルやポスターによく使用されます。しっかり存在感のあるサイズです。弊社の「大判プリントステーション」でも取り扱っています。

B4(257×364mm)

スケッチブックでよく見られるサイズです。「八つ切り画用紙」とほぼ同じで、図工の時間に使った方が多いかもしれません。

B7(91×128mm)

ポケットサイズのシステム手帳で採用されています。あとはパスポートがまさにB7なのですが、正確にはJISでなくISO基準の「88×125mm」です。

今日こんにちの日本では、国際標準に合ったA判と、日本に馴染み深いB判を用途によってうまく使い分けているんですね。


まとめ

理由や由来が分かると、紙のことがちょっと身近に感じられませんか?
ぜひ日常生活で「これは何のサイズかな?」と意識してみてください!

サイズごとの主な用途も書きましたが、あくまで一般的なお話です。場所やシーンに合わせて、効果的なサイズ選びをしたいですね。もっと知りたい方にはこちらの記事もおすすめです。

もちろん、お問い合わせも常時受け付けています。印刷に関してのお困り事はぜひお気軽にご相談ください👐


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?