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Smarna Goraへ

スロヴェニア滞在の1週間を忘れないうちに更新しようと思いながら毎日慌ただしく、なかなか更新出来ずにいる。

結果、順不同になってしまうのだけどタイムリーに感じたことを残しておくのも大切ということで、昨日(滞在6日目)のことを書いておこうと思う。


待ち合わせたけど…

この日はマウンテンランニング国際連盟(WMRA)の会長Tomo Surfさんと会うことに。スロヴェニアには主にマウンテンランニングを通じたがあるが、リュブリャナ近くに住むTomoさんとちょうど予定があったので一緒にSmarna Goraへと行くことにした。

午前中打ち合わせのあったTomoさんとはトレイルヘッド近くのバス停脇にあるという橋で待ち合わせ。僕は教えてもらったバス停で降り30分経っても現れないし、そもそも橋がない。打ち合わせが伸びているのかな?と思ったら、実はお互い違う場所で待っていて、メールを見返してその番号にWhatsappをすると繋がった。

「ずっと待っていたのになんで来ないんだ?」って言うから、事情を話し、場所を変えて今度は無事に会うことができた。

聞けば、Tomoさんはこのすぐ近くに住んでいるという。待ち合わせても僕が一向に現れないから一旦帰宅したようだった。近くだから幸い会えたけど、これが全く離れた場所だったら全く落ちあえずに帰るなんてこともあり得なくはない。土地勘と移動手段と連絡手段などの要素が海外(不慣れな場所)では加味されるので、メールのちょっとしたやりとりも確認しておくことが肝心。

車と同じくらいの数の自転車が通る。


気を取り直して

山に行くのかと思ったら、おもむろに電話を始めるTomoさん。
「このすぐ近くに大会のメダルを作ってる会社があるから案内してやる!」とのこと。郷に入っては郷に従え、僕は言われるがままについて行く。先日の養蜂場訪問(おっとまだnoteでは書けていない)に続いて、今度はメダルが出来るまでの製造工程をなぜか見学させていただき、歴代世界大会のメダルも見せていただいた。その中には来週末行われる「マウンテンランニングマスターズ世界選手権」のメダルもあり!改めてこれを手にしたくなった。帰り際にはお土産にメダル(もちろんマスターズ世界選手権ではないですよ!)までいただき、山に登るのにいらないものは置いていっていいよと至れり尽くせり。



山の整備や管理のこと

Tek na Smarna Gora(Smarna Gora Mountain race)は今年で43回目を迎える。立ち上げから数年前にバトンタッチするまでこのレースの顔として活動していたため、この辺りでは有名で、しかもこの山の全てを知り尽くしている。

山の中腹は雨季に入ると特にぬかるみがひどく通行に難儀する。
*10月第1週目に行われるTek na Smarna Goraには僕も5回出場しているがこの頃は雨季に入りなおかつ日本から来るとかなり寒い上に、足元が悪いセクションがあるので苦労した覚えがある。

それもあって現在、このエリアのトレイル改修工事を行なっている真っ最中であった。Smarna Goraは地権者が複数いるようだが主体的管理はリュブリャナ市が行いつつ、各地権者も管理をそれぞれに行なっているそうだ。今回の工事もその一環でぬかるみ対策をしたルート作りにはかなりTomoさんの意見も反映されているようで作業員が作業を止めてしばし話をしていた。


「クライミングはどうだ?」

事前に「ハイキングに行こう!」と言っていたTomoさん。山の中腹で突然「クライミングはどうだ?」と言い出した。僕の頭の中には?マークしか浮かばない。僕の回答を聞くこともなく、トレイルをズンズン進んでいく。しかも、登るのではなく、なぜかトレイルを降っていく。「山頂目指すんですよね?」って聞きたいところだけど、主導権は僕にはないので、こう言う時は黙って従うしかない。で、たどり着いたのが岩場。「ここから登るよ」もちろん「ok」以外の選択肢はない。

葉っぱは滑るからダメだよ、3点支持を守ってね。
「はい、行くよ。」そんな感じ


僕は高所恐怖症なのだけどこういう時は普段しないことをするチャンス!集中して一歩一歩登る。その先を僕の概ね2回り年上とは思えないほどのスピードで鼻歌混じりで登るTomoさん。

正直、垂直のハシゴや補助のない岩登りは怖いところもあったけど、楽しかった。

へっぴり腰

学生時代からこうしたルートを日常的に散歩して、お気に入りの見晴らしにベンチを作って勉強していたそうなのだけど、わかりにくいところにはあるが知る人ぞ知る憩いの場になっている様子。Smarna Goraのレースとは全く違った表情を見ることができたのは貴重な体験だ。

見晴らしの1つから


山頂にて

数年前から、Tek na Smarna Goraの前日にRecord Smarna Goraという登山口から山頂までのタイムアタックイベントを作り、毎月のように実施されている(のですでに開催回数が26回!本家を抜かすのも時間の問題だろう)。

山頂には写真のようにフィニッシュゲートが常設されており、観光客が記念写真を撮れるようになっている。余談だが昨年のTek Na Smarna Goraの優勝者Fillmon Abrahamはエリトリアからドイツ国籍を取り、先日ドイツ代表として10000mを走っていた。選手紹介の際に、Smarna Goraの優勝者!としてコメントされたそうでTomoさんはいたく喜んでいた。

で、この写真。大会が行なっているSNSキャンペーンで所定のハッシュタグをつけて投稿し、その中から抽選で賞品やレースの参加権などがもらえるそうだ。「お前を走らせるからお前はきっと参加権が当たる」と予言したTomoさん。本当にやりそう。。。

山頂でいただいたパイ。これは旨い。unionのRadelerはファンタのような
感じで飲みやすい。このようなビールはイタリアやオーストリアにはないそうだ。


下山しながらも話は続く。

先日出場した僕のレースでコースアウトとマーキングの話をした。Tek na Smarna Goraでは過去40年一度もコースアウトがないという。確かにマーキングはしっかりしてるし、誘導員の数も豊富だ。

あくまで定義の話として、マウンテンランニングではコースレイアウトでミスコースするような設定はあってはならない。というスタンスで取り組んでいるという。
日頃、ジュニアトレイルではコースマーキングもしっかりした上で誘導員も豊富に配置するが100点か?と聞かれたらそれは難しい。レースから離れて山に入ることも想定し教育の側面も持たせて僕が行うジュニアトレイルランとTek na Smarna Goraのスタンスは100%イコールではないが、大いに参考になる

また、件のレースでフィニッシュ地点がスタートと10km離れており、フィニッシュして1時間後にバスが来るとフィニッシュしてから教えられ、結局僕含め有志はjogで戻ったのだけど、事前情報はスタート・フィニッシュが同じと最終案内でも書いてあったので(gpsのログのリンクも)、そうした変更を案内しないというのは主催者としてアンフェアだという話も出た(特に地元でない選手に対して)。これはあくまで個々の意見と感想であるが、正直、僕もフィニッシュしてその後の予定があったので、土地勘のない場所で放り出されるのは困る。

なお、これは僕が海外から渡航して土地勘がないからこそきちんとした情報を伝えるべきだという意味合いが強いTek na Smarna Goraのレースの話に戻るが、国際枠の選手には事前にエントリーの案内が来る。そこにはレースだけでなく事前時後のイベント含め詳細が書かれているので、僕らはそれに目を通し、「参加できるかどうか?」を回答するだけで済む。

ここまできちんとしたオーガナイズをしているTomoさんだからの視点で、これらの記述を人によっては厳しすぎると感じる人もいるかもしれない。けど、それは立場によって求めるものと求められるものが違うと理解してもらえたら嬉しい。

帰路、往路で通った時よりも作業が進んでいた。


大会運営のこと、マウンテンランニングの未来のこと

ワールドカップレースでは僕もその恩恵を受けているが、国際枠の選手の滞在やエントリー関連の対応その他諸々でとても経費がかかる。

選手のグレードによって待遇は違うし、1名あたりのコストを明確に算出するのは難しいが、例えば、Tek na Smarna Goraなら50名近くの選手が2〜3泊し、レースに出場する。先日のMalonnoは今年はワールドカップレースではないものの、伝統があり人気レースで50名近くの国際枠選手が参加し、僕に関して言えば、木曜にミラノ空港に到着し、火曜のミラノ空港から帰路に着くまでの家族含め滞在の面倒を全てみてもらっている。そこまでして呼んでもらえるのは本当にありがたい限りだ。

僕は10年ワールドカップを転戦し続けていること、最初の数年に10番代に入ったり、国際ランキングにひっかっかたことがある程度で、マウンテンランニング普及のために寄稿やSNSを続けるなど、競技力というよりはキャラクターの部分を評価してもらっていると自覚している。招待選手は年々若くエネルギッシュ、僕は年長者(もちろんそんなことは誰も気にしないから助かる。物差しはただ1つ。真剣であるかどうか)だし、招待枠の選手を数名捕まえればジャイキリ状態だ。

そんな僕ができることは限られているがそこには誠意を持って取り組みたい。マウンテンランニングの魅力を発信し続けたいし、次世代にレールを敷いておきたいし、このマウンテンランニングファミリーとしてのつながりは財産であるとともにどうにかして広めていきたい。

幸いにして来週末アイルランドにて開催の「マウンテンランニングマスターズ世界選手権」は3名チームで出場する。僕以外に自発的に参加してくれる人が見つかったのは変化の兆しであり、チャンスだ。

あげればまだまだキリがないほどのことを話したが、機会があればまた触れることとしたい。Tomoさん素晴らしい時間をありがとうございました!また、来週!!


【お知らせ色々】
9/25(日) 第7回NAGANO Jr TRAILRUN in 富士見高原(受付中) *8/31締切
10/9(日) 第14回TOKYO Jr TRAILRUN 
 兼U15ジュニアトレイルランチャンピオンシップ(*受付中)
 *9/14締切
10/30(日)トレイルシンポジウム2022
11/6(日) 逗子トレイル駅伝2022
 兼U12ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
(受付中) *10/19締切

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逗子市内池子の森自然公園内400mトラックを拠点にしたランニングチームです。Facebookページ
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