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シンプルは難しい

ポートレイトを撮りだして約3年、展示の世界に足を踏み入れ、色んな人に会って、色んな写真を見て、自分の技術の無さに凹み、それでも撮り続けて来て最近気が付いたことがある。 それは、「シンプルは難しい」ということ。 それは自分の中の「撮りたいもの」に対する答えだと思っている。 曖昧なんだけど、「心のゆらぎ」みたいなものを撮りたい、要らないものを排除していった先にそういうものが見えるんじゃないだろうか? それは撮り手の身勝手じゃないの?て思うこともある。 だから、シンプルは難

    • ひとフォト●16 「Nostalgie」

       2024年1月31日~2月4日、大阪のギャラリーアビィで開催された「ひとフォト●16」展に参加しました。2023年に続いて二度目の参加です。  ひとがテーマの写真展(ポートレイトではありません)、昨年は2L版の三枚組写真を展示しました。参加動機は前回の記事をご覧ください。  ひとが写っている写真ということなので、今回は少しフェチ寄りの写真を出すことにしました。  展示写真はこちらです。  レンタルスペースになっている廃校でスクールフェチの撮影をしたものからセレクトしまし

      • 写真展 silent 「田園(pastorale)」

         2024年4月25日~4月29日に大阪イロリムラで写真展silentを開催しました。  昨年ある展示を見た時に、「自分の好きなものとモデルさんの写真を組み合わせればもっと写真に広がりが出るのではないか?」と思い、すぐに閃いたのがベートヴェンの交響曲第6番「田園」もモチーフにして作品を作ることでした。  クラシック音楽はタイトル無しの番号だけの曲が多く、音楽そのものが表現(絶対音楽と言われます)とされ、ストーリーに寄りかからない解りにくいものになっています(聞く人の感情と想

        • ツユ展・ツユウツツ 「未完成」

           2024年5月15日~5月19日に大阪今里のBEATSギャラリーで開催されたツユさんのモデル展、「ツユウツツ」に参加しました。  ツユさんから参加オファーを受けた時は参加表明だけをして具体的に何を写すか決めていなかったのですが、ある雑誌の写真を見た時に「ツユさんを写すんだけど、裸の女性の綺麗さをツユさんという人に捉われず写せないか」と思い、マクロレンズで撮ることにしました。  世の中引きの写真が撮れないとダメと言われることが多いのですが、逆に思い切り寄ってしまおうと考え

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        シンプルは難しい

          写真展・silentのこと。

           2024年4月25日~4月29日に大阪イロリムラで「写真展・silent」を開催しました。  なぜ、silentというタイトルなのか?  こちらの展示全体のステートメントをご覧ください(会場入り口に貼っていたものです)。  毎日毎時、SNSで色んな写真が出てきて消費され、「いいね」合戦がくり広げられ、モデルさんを綺麗に撮って、「オレが」「ワタシが」と主張し、それを作品として展示するボートレイトの世界(それを否定してるわけではありません)。  少し醒めた目で外から見てると

          写真展・silentのこと。

          ZEROPORTRAIT大阪2024・夏の終わり

           2024年4月18日~21日にイロリムラで開催されたZEROPORTRAIT大阪2024に参加しました。  今回は2022年9月に彩倉まりなさんと琵琶湖で撮影した写真を展示しました。2023年1月のゼロポと同時開催された、しろくま展に出した写真と同じ日に撮影したものからセレクトしたものです。  この日はモデルさんと撮り手のテンション、ロケーションなんかの要素が上手く作用し、とても印象深い撮影になりました。  昨年のしろくま展ではこの日の写真で作ったブックも展示したのです

          ZEROPORTRAIT大阪2024・夏の終わり

          羽香展~essence~ 絆・香心一路

           2024年5月21日~26日、東京渋谷のギャラリールデコで開催された羽香展「essence」に参加しました。  アロマセラピストの羽香さんが主催する香りと写真のコラボという新しく、そして彼女にしか出来ない展示だったと思います。  昨年夏、東京のある大きな展示にエントリーしていたのですが、東京まで行って制約の多い大規模展示に参加しても意味がないと思って参加中止を決めたタイミングで羽香展の話が出ました。  しっかりした展示コンセプトを見て、「これならいい」と思い、参加すること

          羽香展~essence~ 絆・香心一路

          羽香展 「絆」~香心一路~

           本日は羽香展にお越し頂き、ありがとうございます。    展示への参加を決めたとき、羽香さんが大事にしているものと一緒に撮りたいと思い、羽香さんの京都と東京の実家で撮影しました。  羽香さんが産まれ育った場所、大切な人達の想い、未来への希望。  そういったものを写しました。  人は皆、誰かに何かを託され、次の誰かに何かを託す歴史の中継ランナーではないでしょうか?  写真をご覧になられた方に何かを感じて頂けたらとても嬉しいです。               2024年5月

          羽香展 「絆」~香心一路~

          いぬけんやさん展示、いろいろてん

           2023年12月15日~25日の間、大阪阿倍野のギャラリー「いぬけんやさん」で写真の展示をさせてもらいました。  イラストレーターの犬田いぬらさんがオーナーをされているギャラリーです。普段はオーナーや他の作家さんの作品を展示販売されていて、漠然と展示出来たらいーなと思っていたら、たまたま写真展のお話しを頂いたので参加しました。  展示全体のテーマは「色」、僕は「緑」を担当させてもらいました。  写真は夏の琵琶湖周辺で撮った水田の風景で、タイトルは「瑞穂」。 我々日本人

          いぬけんやさん展示、いろいろてん

          肌を撮る

           先日、ある雑誌を見た時に女性の「肌」を柔らかくキレイに写せないものかと思い、撮影して来た。  光が入るスタジオで、マクロレンズを使ってクリップオン一灯の天井バウンスで撮ったのだけど、一切の不純物を排除して女性の綺麗な部分だけを撮るのは凄く難しい。  裸の女性を、表情も不純物として排除して撮ってると「その人らしさが残るのだろうか?」という疑問に突き当たるけど、それも写真の一つだなと思う。だからこれはポートレイトでは無いのだろう。  人のマネなんだけどマネするのは凄い難しく

          肌を撮る

          やわらかさ

           先日の撮影で自分は「やわらかい」写真が好きなんだなと改めて気が付いた。「温かさ」と言い換えてもいいかもしれない。  レンズの描写とか背景のボケ具合が云々と言った事じゃなくて、写真全体から出てくるやわらかさ、モデルさんの中から出てくるやわらかさを求めていて、普通のポートレイトを撮る時も、フェチ写真を撮る時、ちょっとエッチな写真を撮る時もだいたい同じ。  モデルさんの衣装も出来るだけシンプルなもが好きなのは、やわらかさを求めているからだ。  全てがこの通り行けてるわけじゃ

          やわらかさ

          FETISH PHOTO EXHIBITION Vo.2

           2023.8/19~8/20に開催された「FETISH PHOTO EXHIBITION Vo.2」が終了しました。  僕はフェチ写真を「見たいものを自分の心に忠実に変態的な視点(写真の中だけのことです)で現実をデフォルメして撮るファンタジー」だと思ってます。  何度か書いているように制服写真は誰でもいいから着せて撮ればいいというものではありません。今回モデルをお願いしたRURUさんとは、お互いに青山裕企先生のSchoolGirlComplexが大好きという点が一致して

          FETISH PHOTO EXHIBITION Vo.2

          黒白寫眞展覧会●18

           ギャラリーアヴィの「黒白寫眞展覧会●18」が終了しました。  僕は制服(学校の)の女性を撮るのが好きです。よくSNSでモデルさんが「制服着ます」て発信されてますが、制服撮影は子供と大人の中間みたいな空気感が大事だと思ってます。  今回モデルになってもらった古川ミサさんはそんなイメージにピッタリ来るモデルさんです。  展示写真は撮影時のファーストショットで、「そこに膝を抱えて座ってみて」とだけ言って撮ったものです。  なんとなく戸惑いを含んだ感じ(僕の主観です)と彼女のおぼ

          黒白寫眞展覧会●18

          写真展・「トライアル」

           2023年5月6日・7日の両日、写真展トライアルに参加し、今回は鉄道写真を展示してみました。  元々カメラを持ったきっかけが鉄道を撮るためで、最初は地元京阪大津線のラッピング電車でしたが、次第にJRに残っている旧国鉄型車両を撮るようになりました。  特に国鉄時代に大量生産された通勤型電車103系が関西には最後まで残っていて、さらに奈良線ではオリジナルの姿に近いウグイス色の103系が最後まで運行されていました。退役が噂された頃から奈良線に通って撮り続け、写真が結構な量になって

          写真展・「トライアル」

          ひとフォト●15展

           ギャラリーアビイの「ひとフォト●15展」が終了しました。    昨年からポートレイト以外の写真展を多く見に行くようになり、ポートレイト界隈の外で展示してみたいと思ったのが出展の動機です。     タイトルは「視線」  ほんの数秒間の心の動きを組写真にしました。  見やすく、鑑賞者の心にスッと自然に入ってくれればと考えて小さい2L版の額装にし、湿度を出したかったのでフィルム時代の鶏卵紙プリントを意識した現像にしてマットの色を合わせました。美術館で古いプリントの展示を見る機

          ひとフォト●15展

          写真の中に誰がいる?

           写真を見たときに「写真の中にもう一人の誰かが居るんだろうか?」と考えることがある。それが想像出来る写真を見るのは楽しい。  展示なんかでこの疑問を言うと「カメラマンが居る」ていう答えが返ってくることが多いけど、写ってる人と違う誰かの存在を匂わせてるというか、感じさせるというか、そんなことを思ってる。  組写真を作る前提で撮るとき、組写真を作るときに「写真の中の人は一人なのか、違うのか」を意識するようにしている。  そこになにかストーリーが生み出せるような気がするからだ。

          写真の中に誰がいる?