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夢見たことも無いのに

私にとっては怒涛のような通算9日間、三か所に及ぶ秋の出展が終わりました。
今年の出展は、これにて終了。

11月3日・4日の2日間、今期の最後の出展となったイベントにて、久しぶりに
ブドウ以外の木のものたちが旅立ってゆきました。桑・ネム・柿・桜・栗・・・。

私のブースの中には、大概、10種を超える木々から生まれた作品があります。
例えば、胡桃・桃・ケヤキ・エノキ・ナラ・ニレ・ミズキ・・・。

ブドウ・・・それはもうとても魅力的です。
でも、ここのところは、ちょっとほんのちょっと、ついついエコ贔屓が過ぎていたのかな、作者自らこんなことではイカンイカン😌 

それと言うのも、まだ言葉もおぼつかない、ちいさなお子さんが一度握ったきり
親御さんがどんなに言葉を掛けても、決して手放すことが無かった
小さな桜の木のコップを今とてもうれしく思い出したりしながら、ちょっと反省中であります。

今回のイベント、最後のイベントは長野県内、その町の言葉を借りるのなら
[日本の真ん中] そちらで、それはもう嬉しい出来事がありました。

私の手がけた[組み木のあそび]の作品がその時に持って行っていた分、それが
完売をしました、初めて!  うれしかったです。とてもうれしかったです。


組み木のあそび 16ピースセット

その最後のイベントのひとつ前のイベントの際に、終了後の後片付けの作業中に
[組み木のあそび]の展示用作品(高さ120cm程度)が、突然の強風に煽られ倒壊。
それを最後のイベントでの展示に間に合わようにと、必死で4日間で
なんとか形を整え、持参、無事に展示。


組み木のあそび 16ピースを使って組み立てたもの・一例

老若男女、さまざまな年齢層の方が、みなさんそろって
『これをぜひ、こどもたちの手に渡したい、体験をさせたい!』と
そうおっしゃってくださいました。苦節、○十年は、ごめんなさい大袈裟です。
でも、ああでもないこうでもないと何度も思考錯誤を繰り返し
そうこうしている最中の昨秋には木工小屋を失い、そこから、その失った小屋・
道具・材料等の後始末を終え、なんとかまた新しく作業場を構築、それら諸々の山有り谷ありを乗り越え、やっとこぎつけた、今回の出展の機会。

決して広く大きなものでは無い、我が車とブースの中へ、持参する作品を選び
それをどのような形で効果的に配置をするのか、それも都度都度の頭の痛い課題であり、それを超え、いざ展示をしてみても・・・・・・😔

[世の中にまだ知られていないもの]=[組み木のあそび]
それを発信し、理解・共感を得るまでのその道のりは決して平坦なものでは無いのだと、それを痛感することばかりが続き、それはもうこれまでに何度、心が
折れそうになったことでしょう😔😔😔

[組み木のあそび] よもやそれが完売をする日が来ようなどと、そんなことは到底夢見たことさえなかった、出来事だったのです・・・ううっ、感無量😭

[まだこの世にない、あたらしい作品を発信すること]
それはおそらく日常の中で、日々さまざまに見聞きをしたもの、目に留まった
もの、そういうものが心身で熟成をするかのように堆積し、ある日、ポン!と
新しい作品へ繋がるのだとそう思っています。

一説によれば、大人になっても尚、枯渇する気配の無い好奇心を持ちうることは
想像以上に心身へと良い形での作用をもたらすとか。

身も心も、そして頭も、まだまだやわらかな子供たちにこそ、自らの頭と手を
使い、その柔らかな手にそっと馴染む[組み木のあそび]を通じて、
[自らが答えを導きだす]その繰り返しを自然に楽しみ味わううちに、いずれは
好奇心と想像力に満ち溢れた大人へと成長をしてくれるのなら
それはもう、作者冥利に尽きる、のであります。

こどもの遊ぶ道具・出会うおもちゃは、周囲の大人が与えるものだけです。

この[組み木のおもちゃ]を、大切な成長期にこそ、身近な子供に与えようと
共感をしてくださった方々が幾人も居られたという事実に、今とても
希望を感じています☺️

末筆になりますが、先日、11月5日(日)まで開催をしておりました
[第41回くらしの工芸展]へ足をお運びくださいました皆様、どうもありがとう
ございました。この場にて、こころより御礼を申し上げます。