小説:ツヅクオンガク
【2000字ジャスト】
カラカラカラと自転車のホイールが鳴く。
また今日も嫌なことがあった。
あの人にラインしそうになる指を折る。
めんどくさい女になりたくない。
めんどくさい女だとバレたくない。
そうして私はドライを装う。
あたし、スーパードゥラァァイ。
チェストの引き出しから古い音楽プレイヤーが出てきた。
香水の瓶みたいなかたちの音楽プレイヤーだった。
両親のどちらかのものなのだろうけれど、もはや知る術はない。
私はおそるおそるケーブルを繋いで充電してみた。
まだ生きている。
だがしかし、どう