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東北・北海道

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2023年6月の記事一覧

喜多方の蔵とラーメンと素掘り水路+大内宿

喜多方の蔵とラーメンと素掘り水路+大内宿

蔵の町をまもった写真店主

 2021年5月、二本松市の有機農家の取材のついでに36年ぶりに喜多方を訪ねた。
 「あづま旅館」(素泊まり5500円)に荷をおろし、まちを歩くと、土蔵の多さにおどろく。

 酒蔵はもちろん、新聞販売店も飲食店もふつうの店も土蔵造りだ。蔵造りの寺もある。
 白漆喰・黒漆喰・洋館風のれんが造りなど様式もさまざまだ。
 そばどころだけあって、「そば打ち道具」を売る店もある。

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三陸へ④日本一のサメとカジキ 奇跡の一本松

三陸へ④日本一のサメとカジキ 奇跡の一本松

日本一サメやメカジキがあがる魚市場

 JR気仙沼駅から徒歩15分ほどの中心街「魚町」は、ちらほらと居酒屋がある程度だが、海沿いの堤防上にはおしゃれなカフェやFMラジオの放送局がならんでいる。
 漁港は、近海の小型漁船から遠洋に行く大型漁船までずらりとならぶ。カツオ・サンマ・メカジキ・サメが有名で、脂がのった白い身が特徴のメカジキは全国の水揚げの8割、サメは9割を占めるという。
 サメ、というのは

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三陸へ③児童ら84人が犠牲になった震災遺構大川小学校

三陸へ③児童ら84人が犠牲になった震災遺構大川小学校

 女川から車で50分ほどで、東北最大の河川北上川の右岸にある大川小学校跡に着いた。
 雄大な北上川となだらな山のあいだにあり、山遊びも川遊びもできる。1985年に完成した二階建てと平屋の校舎は、こじんまりしていて1年生から6年生までがまじわるのにぴったりだ。
 だが大河川に近く、低層の屋上のない校舎という環境が悲劇の一因になった。
 五月晴れの青空が広がっているのに冷え冷えとした空気が重く肩にのし

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三陸へ②津波の犠牲者最多の石巻市、門脇小は火災で破壊

三陸へ②津波の犠牲者最多の石巻市、門脇小は火災で破壊

津波と火災におそわれた校舎小 役だった避難訓練

 松島から北上して石巻市にはいると、だだっぴろい平地に新しい住宅が無秩序に蚕食するようにひろがっている。太平洋から700メートルほどの山際に震災遺構の門脇小がある。震災前は、海までびっしりと町が広がっていたのだ。

 3階建ての校舎は3階までボロボロにくずれている。低地とはいえ3階まで津波に破壊されるものなのか?

 よくみると「津波浸水高」のライ

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三陸へ①岩窟に石仏 松島の雄島は中世の霊場 津波被害が最小だったのはなぜ?

三陸へ①岩窟に石仏 松島の雄島は中世の霊場 津波被害が最小だったのはなぜ?

 福島は津波と原発事故におそわれた。原発事故がなくて津波の襲来をうけた地域となにがちがうのだろう? 宮城と三陸の海岸をたどってみることにした。まずは名勝の松島をめざした。

 福島市から1時間も走ると宮城県にはいる。仙台を高速道路で迂回して松島に到着した。福島の浜通りから会津にむかうよりよほど近い。南相馬から宮城県に避難した人が多かった理由がよくわかる。
 松島の中心部は観光客が多くて息がつまるか

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