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雲の中のマンゴー |#4 協力工場へ

この物語は、自動車部品メーカーを営む中小企業の若き経営者「沢村 登」が様々な問題に直面しながら、企業グループの新しい未来づくりを模索し新事業に挑戦する「実話を軸にしたフィクション」ストーリーである。

Novel model Mango Kawamura 
Author Toshikazu Goto

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第4話 「第1章~その3~」

週末の夜はビジネスタウンの厚街鎮(ホウジエ)まで足をのばし、久しぶりの本場中華料理を堪能した。この街は外国人が多いこともあって、様々な料理を楽しめる。しかしいつも行く店は決まっている。オーナーとも親しくさせてもらっていることもあるが、この店のスタッフは皆とても親切で安心させてくれる。親父も良く通っているようだ。

そして今日、休み明けの月曜日、午前中は自動車メーカーとの打ち合わせを行い、午後は協力工場事務棟で経営層とのミーティングを実施、夕方になり工場に顔を出した。

見慣れた顔を探す。

「お、いたぞ!」

約1年ぶりの程杏(テイシン)との面会だ。

「おーい、程さん。久しぶりだね、元気かい?」

「社ッ長!ありがとございます。わだしは元気だよ、今回はミユちゃんは来ないのか?」

「程さん、また日本語うまくなったね。ミユも来ているよ。」

「マジか。社ッ長、ミユに会いに行くか。先に飲みに行くか。」

登の口癖を真似する程杏。カワイクもおかしいが、彼女の人間性が滲み出ている。

協力工場のある東莞市は、唐代の757年に、番禺(広州)の東にある、「莞草」(イグサ)の産地として「東莞」と名付けられた。改革開放前は現在の市域の多くは赤土が広がる貧しい農村だったが、1980年代末から広州と深圳、香港の中間に位置することから、香港企業、台湾企業の委託加工先や工場建設の好適地として、衣料品、日用雑貨、玩具、電子製品、パーソナルコンピュータまで、重工業以外の各種工場が林立する工業地帯に変貌した。特に、パソコン部品は世界の供給拠点として重要な地位を占める。また、輸出に必要な包装用段ボールを製造するための製紙工業もさかんで、中国最大の工場群もある。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より一部引用
最終更新 2021年6月27日 (日) 03:50
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E8%8E%9E%E5%B8%82

協力工場周辺は、パソコン部品メーカーなどの精密機器製造業が集積している場所でもあり、エンジン内部のセンサー部品を製造する当社にとっても好適地で人材確保をしやすい場所であった。

#5に続く。


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