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雲の中のマンゴー |#2 ミユと海斗

この物語は、自動車部品メーカーを営む中小企業の若き経営者「沢村 登」が様々な問題に直面しながら、企業グループの新しい未来づくりを模索し新事業に挑戦する「実話を軸にしたフィクション」ストーリーである。

Novel model Mango Kawamura 
Author Toshikazu Goto

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第2話 「第1章~その1~」

「あなた、今回は家族みんなで中国に行きません?ミユもお義父さんに会いたいだろうし。ね、そうしましょうよ。」

「そうだな。程さんにもミユと海斗を会わせてあげたいな。お袋は今回も行かないだろうなぁ、飛行機は苦手だから。」

「ミユっ、一緒にジイジのとこに行くか?」

「ん.. 一緒に行ってあげてもいいけど、パパはミユがいないと寂しいのかな ww」

「こら!このナマイキ娘が w」

大学卒業後すぐに幼馴染の美恵と結婚した。なかなか子宝に恵まれず、長い間不妊治療を受け33歳の時に念願の長女ミユを授かった。一昨年の冬に海斗が誕生し家族4人となり、現在は管理栄養士だった母の絹枝が同居、5人で生活を共にしている。

「のぼさん、美恵さん、ワタシは出かけるよ。」

「オイオイお袋、どうしたんだその手は?」

「敷居で躓いてね、手をついて痛めたのよ。」

「全く.. 気を付けろよな。そういえば最近よく躓いているな。」

「このうちの敷居は、よそのうちよりも高いのかねえ。年は取りたくないよ。じゃ病院行ってくるよ。」

絹枝はさっさと自分の車を運転し、馴染みの接骨院に出かけて行った。お袋もいい年だし、やはり足腰が弱くなっているのだろうか。

「美恵、家の中をバリアフリーにしたほうが良いかもな。」

「そうね、あなたが良ければ、富さんに相談してみようかしら。」

「ああ、そうしてくれ。あとは任せた。」


#3に続く。


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