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「愛」と人、文化と歴史。バーで繰り広げられる「愛」に関する講義:愛の論理学

「愛」について考えたことはありますか?
まず異性愛が先に浮かぶでしょう。他にも、「友愛」「アガペ」といった宗教的な愛。同性愛、人間愛…。人間の本質に近い「愛」という概念は、考えるほどに複雑で、一言では言い表せません。
そんな「愛」について、7つの視点からわかりやすく読み解いたのが、「愛の論理学」です。

この本を手にとったきっかけは、ある人の「親友が欲しい」という願いでした。「親友」とは突き詰めるとなんだろう?お互い依存し合うのではなく、自律した状態で、助け合い、支え合い、認め合う関係。それもまた「愛」の形…と思い「愛」に関する本を探したのですが、多くは性愛的な本か、宗教的な本。それほどに「愛」にふれるきっかけが偏っているようにも思えます。

一方、この本では、宗教学、心理学、社会学など7つの視点から、歴史的事実を題材に「愛」について紐解かれています。それぞれの学問の入口として取り掛かりやすいよう物語調で話は進み、物語の登場人物は、バーに訪れた常連の大学教授と、元研究者のマスター、現役女子大生、各題材ごとに訪れるゲストの4人です。

様々な愛の捉え方があり、知らなかった歴史がここに解説されています。イスラム教の視点。アメリカの黒人差別を無くし、平等であるための視点。愛猫への去勢に対する視点……。この本を読むことで、文化の数だけ考え方があり、愛の形はいくらでも変化することを知ります。「親友」の作り方について、この本に具体的に書いてあるわけではないのですが、ひとつ、確かなことが文末にありました。

「愛」も「時間」と同じように、誰もがよく「知って」いて、当然のように用いているにもかかわらず、あまりにも広くて奥が深く、単純に「説明」することができない概念である。むしろ人間は、人生を歩んでいく「時間」の中で、何がその人にとっての「愛」なのかを「知って」行く存在なのかもしれない。 読者の「愛」の探求に、本書が少しでもお役に立てば幸いである(本書 おわりに より抜粋)

人間誰しも、「愛」に関する悩みがあるのではないでしょうか。夫婦間の愛、友人間の愛、親子間の愛、師弟愛。「愛」のイメージを、この本から広げてみてはいかがでしょうか。

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