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台湾の教育事情1 教科書のデジタル化と多様化 そしてデジタル教育の環境の変化

「台湾はアジア、いえ世界で最もデジタル教育が進んでいる国の一つです」
「アジアで最も教科書のデジタル化を推進しているのは韓国。韓国は2028年頃までに教科書の印刷を廃止する方向で動いています。台湾でも五年後に学校がデジタル教科書を導入する方向で政府も動いています。但し、紙の教科書を学生は購入できるように配慮することも考えているようです」ととある民間のデジタル教育で台湾を席巻する企業の担当者は解説する。

私は日本の教育業界の情報には疎いので、日本のデジタル教科書やデジタル教育産業やビジネスがどう動いているのかには精通していない。ぜひ、専門家からの現状の報告を頂きたい。

このデジタル教育ビジネスを手がける台湾企業(会社の宣伝が目的でもはないので仮にC社とする)は、永年台湾の教科書や参考書、そしてテスト問題を製作提供していた教育業界に従事していた仲間で立ち上げた会社だ。
C社の総経理(CEO)のトマトさん(仮)は、「私たちは各職場で2006年位から、教科書のデジタル化にも取り組んでいました。それがほぼ完成した段階で、このデーターとITを融合させて新しい教育ビジネスを立ち上げました」と企業設立の経緯を語ってくれた。

台湾ではオンライン教育関連の市場規模が2200億円程度まで成長している!


「台湾のデジタル教育が世界で進んでいる変わった現象の一つが、すでに学校の先生はデジタルシステムで簡単にオリジナルのテスト問題を作れるようになっている事です」と説明を続ける。台湾の教師の90%以上はこの仕組みでテストをしていて、今多くの外国の教育現場が注目しているという。

デジタル化を進める過程で、教科書出版社は先生向けにデジタル上で関連のテスト問題を数限りなく提供している。その問題からクラスの学習進度や状況に応じた問題を選択するだけでテストが作れるシステムだ。教師は、テストを作る時間を大幅に短縮する事が出来、授業や指導に専念できる。


生徒に回答をさせる場合も、ゲーム感覚で公平感を演出する
上記抽選の結果 「当たり名簿」この出席番号順に回答を学生に求める(笑)

永年、デジタル化元年に向けて、教科書内容のデジタル化研究の成果が色々なかたちで実を結んでいるようだ。このデジタル化のお陰で、個別に対応できる教育システムが完成しつつあるようだ。競争のため、相対評価のためのテストではなく、学習進度や状況に応じて個別学習指導が出来る仕組みが台湾で完成しつつあるようだ。

次回は、C社の驚くべきビジネスモデルと成長についてご紹介したい!

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