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NIPPONまちの履歴書⑥【芝居町】

このnoteでは、『月刊不動産流通』の過去の記事を紹介しています。

★「NIPPONまちの履歴書」

今回は、「NIPPONまちの履歴書」
編集者のお仕事をされる傍ら、各地の風景をスケッチされている村上 健さんの連載です。(制作協力:(株)エディターシップ)

『月刊不動産流通2019年6月号』より、
食い倒れのルーツは芝居のまち 大阪府/大阪市中央区道頓堀
を掲載します。

★食い倒れのルーツは芝居のまち
大阪府/大阪市中央区道頓堀


 食の都大阪でひときわ飲食店が密集する道頓堀かいわい。堀の名が気になって調べると、およそ400年前の慶長年間、私財を投じて開削した土木技術者の名が成安道頓。感性は徳川家康の天下が定まった大坂夏の陣の半年後のことでした。

 戦乱が収まって平和になれば、芸能文化の出番。堀の南側に歌舞伎や人形浄瑠璃などの芝居小屋が数多く並び、江戸時代を通じて殷賑を極めます。一日がかりで演じられる興行も多く、いきおい幕間に周辺の茶屋で食事や酒を楽しみながらの観劇に。かくして食い倒れのまちが誕生しました。ついでに「粉モン」代表、お好み焼き屋やたこ焼きも誕生は江戸時代です。

 時代が下がり、明治から昭和にかけては伝統芸能が松竹新喜劇や映画に置き替わり、さらに吉本のお笑いへ。スケッチした立派な建物は大正末期から続く大阪松竹座です。

 食い倒れのまちの代表格、道頓堀。ちょっとよどんだ堀に流れるのは、連綿とした芝居町のDNAなんですね。

※誌面はPDFファイルをダウンロードしていただくと、見やすいです
※(株)不動産流通研究所の著作物です。二次利用、無断転載はご遠慮ください


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