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知的障がいのある23歳自閉症。佐賀市在住。 丸を描く、色を塗る、など、好きな作業を通じ…

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知的障がいのある23歳自閉症。佐賀市在住。 丸を描く、色を塗る、など、好きな作業を通じて、日々アートを満喫中。描いた小さなマルで社会や人と繋がる「マルツナガル」というアートプロジェクトに取り組んでいます。 公式サイト https://maru-tsunagaru.net/

最近の記事

専門的支援以外で自閉症fuco:を成長させてくれたコト

23歳知的障害ある重度自閉症fuco:が成長する中、様々な転機がありました。大きな一つは、発達障害に特化した専門的な療育を受けられた時。本人の困り感へのアプローチ解像度が格段にぐっと上がりました。そしてもう一つがアートを始めて専門的支援が少ない社会と関わった時。なんと、全く反対なんです! このジレンマにも似た疑問について、今回書いてみようと思います。ちなみに私自身はたまたま自閉症の子供を授かっただけの、ただの素人おばさん(笑)。 「自分たちと違う」価値観と感覚を想像するの

    • 「普通をずらして生きる〜ニューロダイバーシティ入門」出版に寄せて

      2024年4月1日、(株)プレジデント社より、伊藤穰一(千葉工業大学学長)さん、松本理寿輝(まちの保育園・こども園代表、JIREA代表)さん共著、「普通をずらして生きる~ニューロダイバーシティ入門」が発売されました。 私たちは、この本の中で障害者の家族としてインタビューを受け、fuco:誕生から現在に至るまでの育ちや想いを取り上げていただいています。 「障害福祉トレンドワード」とググったら「ニューロダイバーシティ」はすぐにでてきました(勿論私は今回初めて知りましたが)。「

      • やたらとこだわる自閉症fuco:の事件簿と我が家流考察

        初めましての方へ。現在23歳の知的障害がある自閉症fuco:。母の何気ない一言で16歳からマルを描き始め、アートから世界が広がればと個人で活動、その様子を母yasuco:が発信しています、 fuco:は自閉症という障害があり、3歳程度の知的レベル、障害区分判定では6段階で上から2番目の5、手帳なども最重度のものを取得しています。自分から言葉で何かを伝えることはとても難しいです。 平均値から遠いことは沢山沢山ありますが、今回は彼女の強烈な「こだわり」について、皆様にご披露し

        • yasuco:が自閉症fuco:の母になったのは必然だった⁉︎

          初めましての方へ。現在23歳の知的障害がある自閉症fuco:。母の何気ない一言で16歳からマルを描き始め、アートから世界が広がればと個人で活動、その様子を母yasuco:が発信しています、 障害があると、親が選んだ環境の中で生きざるを得ず、親の影響はとても大きいと思います。対のように生きてきた私たちだからこそ、fuco:について綴りながら、母についても語った方がいいような気がしてきました。というわけで、今回はfuco:ファンの方には大変申し訳ありませんが(笑)、母yasuc

        専門的支援以外で自閉症fuco:を成長させてくれたコト

          自閉症fuco:ファミリーのコミュニティ変遷

          「障害がある娘と生きていく」その中家族だけではどうにもならないことも、一般的でない特性について、周りに知ってほしいと思うことも沢山あります。 私たち家族は転勤族で九州内を転々としながら、意識的にその場でコミュニティをつくってきました。fuco:が23歳になった今、私たち家族皆心身ともに健やかで笑っていられるのは、100%その時々出会ってくださった方々のおかげです! 幼児期、地域そして療育機関に並行した足場を持つ fuco:生後10ヶ月の時、父親の転職に伴い宮崎市に引っ越

          自閉症fuco:ファミリーのコミュニティ変遷

          暮らしの「パーツ」として始まったアート

          fuco:が高校に行けなくなった8年前、母親の私が「マル描いて」と言ってアートを始めたのは、かなり言い古されてきたエピソードになってきました(笑)。 でもそんな風に、あの時の一言で彼女は偶然描くことにハマります。元々絵を描くのが好きでもなく、学校の美術の時間も全く興味なかった彼女が。 「マルを描くこと」にハマったわけ 暇な時間、何をしたらいいかわからなくて苦痛な時、苦し紛れに紙とペンを渡してみました。 まず気づいたのは、今まで彼女が絵を描かなかったのは、どう描いていい

          暮らしの「パーツ」として始まったアート

          fuco:の暮らし「パーツ」の見つけ方

          今でも忘れられないのですが、言語療法の先生に「fuco:ちゃんは修学旅行のしおりを見て、ここ行った、あそこも行ったと楽しむタイプのお子さんですね」と言われました。 当時はピンとこなかったのですが、すること自体を楽しむというより、TO DO リストを終える毎にチェックしていくのが嬉しいタイプってこと。ということは、1日を埋めるパーツが沢山必要で、それらを見つけていくことは本当に難しかったです!!(fuco:は知的レベルが3歳くらいの重度自閉症) 幼児期、彼女の遊び方 遊具

          fuco:の暮らし「パーツ」の見つけ方

          2024年抱負、fuco:ともっと軽やかにあそんでく!

          明けましておめでとうございます。皆様、どのような新年をお迎えになっていらっしゃるでしょうか?我が家は受験生がいるため、いつも通り、邪魔にならないよう毎日を送っております(笑)。今年もどうぞよろしくお願いいたします。早速どんな一年にしたいか、考えてみました! 受動的から主体的な人生へ 普通の重度障害児だった彼女との毎日が、アートをきっかけに変化が始まり、私たち家族にとって考えさせられることが多いこの数年です。 中でもヘラルボニーからつくっていただいたアートドレスと、そこか

          2024年抱負、fuco:ともっと軽やかにあそんでく!

          2023年、fuco:と皆さんで満喫したこと!

          更新日ではありませんが、番外編として、2023年の記録をまとめておこうと思います。あー、濃いかった、あっという間だった、いろんな出来事起こった(笑)。さぁ、皆さんの印象に残っているのはどれでしょうか? まずはなんといってもアート靴下関連諸々! ・2月 イチから自分たちでつくった初めてのプロダクト、アート靴下が完成! ・2/12 NHK佐賀にて半年にわたる取材を放送 ・2/21 初チャレンジのクラファン達成 ・2月 北海道から沖縄まで返礼品を発送、 佐賀県内特別支援学校高等

          2023年、fuco:と皆さんで満喫したこと!

          fuco:(知的障害がある自閉症)のとある日常〜one day

          「障害があるって家族にとってはそんな特別なことでもないんだけどなぁ」とも、「いやいやすぐ突拍子もないことやらかすし、マジ大変よ」とも感じる事が諸々あります。というわけで、今回のテーマは彼女の日常!。彼女の日常は皆さんにとって、予想どうりかそれ以上か、一緒に住んでいるような気持ちになって、どうぞお楽しみください(笑)。 しばしばフライング気味に始まるfuco:の朝 夜間てんかん発作がなくなったので、最近は一人自室で寝ています(20年以上たってやっと)。元々睡眠障害があるので

          fuco:(知的障害がある自閉症)のとある日常〜one day

          作品のみアップしたアカウントより〜fuco:と表現されたもの

          私たちにとって転機になるような2023年 まず3月に、fuco:とも自閉症とも福祉ともちょっと距離をおいたfuco:laboをつくり、アート靴下を製作販売始めました。支援されるという形をとらず、「いいなと思った靴下が、実はそういう人が描いたアートから生まれた」そんな新しい入り口を目指して。こちらは現在新しい売り場で、新しい出会いがじわじわと広がっているところです。 そして8月に、アート作品というもう一方の入口もつくりたくて始めたのが、Instagramアカウント「fuco

          作品のみアップしたアカウントより〜fuco:と表現されたもの

          23th fuco:の誕生日によせて〜家族からみた彼女

          2000年11月15日fuco:は我が家の第一子として、福岡県北九州市折尾という街で誕生しました。両親である私たちは、大学吹奏楽部(毎年全国大会に行く強豪校)同級生。結婚してからもずっと「瀬戸口くん」と呼んでおり、付き合い始めて10年経っての娘の誕生は呼び方も変えるきっかけになりました(笑)。そんないつまでも友達気分の私たちを彼女は親にしてくれたのです。 当時夫は長期海外出張も多く、私は派遣社員をたまにしながら、遠方の実家に帰ったり、資格取得のスクールに通ったり、まぁ気

          23th fuco:の誕生日によせて〜家族からみた彼女

          Q&A こんな時どう答える?〜「家族で作家をサポートしたい」と言われた時

          ガッツリ書こうと思うと、楽はできるに越したことない主義の私はすぐ手が止まってしまうので、これからは気張らずに定期的に、ぼちぼちと再び書いていこうと思います!また、どうぞお付き合いくださいませ。(一応この日という自分で決めたのはありますが、何日か達成できてからお知らせします。そんなに意志強くないんで…) 今回内容に選んだのは、 同じように障がいのあるお子さんが絵を描いていて、家族でサポートしたい時にどうしたらいいか?ということ。これ時々聞かれることがあるのです。私たちなりに

          Q&A こんな時どう答える?〜「家族で作家をサポートしたい」と言われた時

          アート靴下〜完成から誰かに届けられるまで

          初めてのクラファンに挑戦 パッケージが、靴下最終サンプルが、カードが次々完成して我が家に到着して、待ちに待った製品としての靴下が最初に納品されたのは2023年3月頭でした。 予定より数週間遅れたスケジュールの中で、最初に届けていったのは、クラファンを通じてご支援いただいた方々です。 私たちはこの靴下をつくるという過程をできるだけ誰かと共有したく、あえてクラウドファンディングに初挑戦しました(毎度ながらのチャレンジャー)。 そして靴下の製作費をご支援いただくだけでなく、

          アート靴下〜完成から誰かに届けられるまで

          アート靴下をつくってます②~デザインが生まれるまで

          「アートのプリントでなく、全く新しいものをつくってみたい。」 デザインユニットtuiiさんからは、最初にこのように言われました。 選んだアートを、ただネットでモノにプリントしていくのではなく、全く新しいものを。 だから靴下作りは「本人に会う、一緒の時間を過ごす、描いてみる、話しかけてみる」まずはそこから始まりました。 彼女の作品はその色使いが特徴的ですが、今回のデザインはあえて、色ではなく「カタチ」に着目しています。 お二人が彼女と作品から感じたことは、fuco:は重度自閉

          アート靴下をつくってます②~デザインが生まれるまで

          アート靴下をつくってます①~始まりはまずfuco:laboから

          走り出したきっかけモチーフを連ねるアートの特性によるものか、以前からよく「〇〇つくって(傘やファブリックなど)」と、親しい方からお声かけいただいていました。 だけど何となく、すぐつくりたいと思えなかったのは、自分たちが何のために、何故プロダクトをつくるのかが見えなかったことが大きかったかもしれません。 ところが、SANC(佐賀県芸術活動支援センター)の企画から生まれた最初のマグカップ以来、kinariiroiroのドリップコーヒーパッケージ、ヘラルボニーのアートドレスと、f

          アート靴下をつくってます①~始まりはまずfuco:laboから