fucotsunagaru

知的障がいのある23歳自閉症。佐賀市在住。 丸を描く、色を塗る、など、好きな作業を通じ…

fucotsunagaru

知的障がいのある23歳自閉症。佐賀市在住。 丸を描く、色を塗る、など、好きな作業を通じて、日々アートを満喫中。描いた小さなマルで社会や人と繋がる「マルツナガル」というアートプロジェクトに取り組んでいます。 公式サイト https://maru-tsunagaru.net/

最近の記事

自閉症fuco:母、yasuco:のケアギバーとしての心得

私には23歳のfuco:をはじめとして3人の子供たちがいます。自慢の子供たちはもれなく全員、強烈に強者で曲者(笑)。 最近障害がある家族だけでなく、子育て中お母さんたちの「大変」話を聞く機会が多かったので、今回は自分なりの心得を書いてみようと思います。参考にならなかったらごめんなさい! 難易度高め!自閉症ケアを例えるならば… ケアギバーの意味を調べると「誰かを支えている人、家族や友人を含む広範な概念」とあります。そう考えるとお母さんだけでなく、親の介護をしている人、医療

    • 自閉症fuco:推しと出逢い旅・2024June

      私たちは佐賀在住、大きなイベントは遠方が多くなかなか伺えませんが、今回ヘラルボニーの大阪阪急梅田店での催事「アートコレクション」にエイッと行ってきました。 最近大事な方が突然亡くなり、「またいつか」はなく、したいことは「今」行動すべきと改めて思ったから。今回はこの濃厚な旅について、リポートします! メンバー招集から旅は始まった 2年前、同じくヘラルボニーの催事で大阪に伺った時は初の母娘2人旅でした。さて今回はどうしようと考えた時、「いつかふうちゃんと二人で旅行してみたい

      • 自閉症fuco:の感情的認知と精神性

        知的障害があって言葉で自分のことを伝えるのが難しいと、「わからない人」と捉えられがちですが、彼女の家族となって全くそうではないことを知りました。 この2週間彼女は新しい場所に行ったり、大事な人との突然の別れがありましたが、そこから改めて感じた彼女の内面について今回は書いてみたいと思います。ある時彼女は私の大事なメンターの1人です! fuco:の感情表現について 自閉症の人は感情を表現することが苦手な人もいて、彼女もそうでした。幼少期は嫌だと思ったらとんでもなく泣き喚いた

        • 自閉症fuco:の療育そして我が家流教育的諸々

          fuco:は4歳で自閉症と診断を受け、日常生活に支障が出るような特性がかなり濃かったため、すぐ市の発達支援センターで療育を受け始め、その後家事や余暇を一つずつ教えてきました。今回は私たちがしてきたこの長〜い道のりのことを書いてみたいと思います。 fuco:は知的障害を伴う自閉症で、知能指数的には3歳くらい、普段言葉で本人から意思を表すことは難しく、障害区分判定では6段階中5の重度です。 まずはひたすら療育に通う幼児期から学童期 そもそも診断が出た時、彼女はもう少し喋って

        自閉症fuco:母、yasuco:のケアギバーとしての心得

          自閉症fuco:の聴覚過敏とイヤーマフオフのチャレンジ!

          fuco:は小学生の頃から顔の一部になる程(笑)当たり前に、イヤーマフをつけています。街を歩いていておばさまに「あら素敵なヘッドホンね、私も欲しいわ」と言われることも、レジャー施設などで外すことを求められることもありますが、ある自閉症の人たちにとって、とても大切なものです。 今彼女はこの長年使い続けてきたイヤーマフを、外すチャレンジをしていて、家族としても感じたことがあったので、今回は聴覚過敏とこのチャレンジについて書いてみたいと思います。 聴覚障害は発達障害の人に多い感

          自閉症fuco:の聴覚過敏とイヤーマフオフのチャレンジ!

          「自閉症fuco:と仲良くなる」マニュアルにも似たモノ

          「街でfuco:さんと会った時にして欲しいこと、して欲しくないことは何ですか?」今回はフォロワーさんからの質問を深掘りしてみたいと思います(ステキなクエスチョン、ありがとうございました!)。 ちなみに彼女はそのただならない雰囲気からすぐ障害がありそうだと気づかれる、知的障害がある重度自閉症です(笑)。どう接したらいいのだろうかと、思われるのすごくわかります!そして、さらに関わりたいと思ってくださって、とても嬉しいです。 では最初に逆質問です。「あなただったら、どんな風に接

          「自閉症fuco:と仲良くなる」マニュアルにも似たモノ

          専門的支援以外で自閉症fuco:を成長させてくれたコト

          23歳知的障害ある重度自閉症fuco:が成長する中、様々な転機がありました。大きな一つは、発達障害に特化した専門的な療育を受けられた時。本人の困り感へのアプローチ解像度が格段にぐっと上がりました。そしてもう一つがアートを始めて専門的支援が少ない社会と関わった時。なんと、全く反対なんです! このジレンマにも似た疑問について、今回書いてみようと思います。ちなみに私自身はたまたま自閉症の子供を授かっただけの、ただの素人おばさん(笑)。 「自分たちと違う」価値観と感覚を想像するの

          専門的支援以外で自閉症fuco:を成長させてくれたコト

          「普通をずらして生きる〜ニューロダイバーシティ入門」出版に寄せて

          2024年4月1日、(株)プレジデント社より、伊藤穰一(千葉工業大学学長)さん、松本理寿輝(まちの保育園・こども園代表、JIREA代表)さん共著、「普通をずらして生きる~ニューロダイバーシティ入門」が発売されました。 私たちは、この本の中で障害者の家族としてインタビューを受け、fuco:誕生から現在に至るまでの育ちや想いを取り上げていただいています。 「障害福祉トレンドワード」とググったら「ニューロダイバーシティ」はすぐにでてきました(勿論私は今回初めて知りましたが)。「

          「普通をずらして生きる〜ニューロダイバーシティ入門」出版に寄せて

          やたらとこだわる自閉症fuco:の事件簿と我が家流考察

          初めましての方へ。現在23歳の知的障害がある自閉症fuco:。母の何気ない一言で16歳からマルを描き始め、アートから世界が広がればと個人で活動、その様子を母yasuco:が発信しています、 fuco:は自閉症という障害があり、3歳程度の知的レベル、障害区分判定では6段階で上から2番目の5、手帳なども最重度のものを取得しています。自分から言葉で何かを伝えることはとても難しいです。 平均値から遠いことは沢山沢山ありますが、今回は彼女の強烈な「こだわり」について、皆様にご披露し

          やたらとこだわる自閉症fuco:の事件簿と我が家流考察

          yasuco:が自閉症fuco:の母になったのは必然だった⁉︎

          初めましての方へ。現在23歳の知的障害がある自閉症fuco:。母の何気ない一言で16歳からマルを描き始め、アートから世界が広がればと個人で活動、その様子を母yasuco:が発信しています、 障害があると、親が選んだ環境の中で生きざるを得ず、親の影響はとても大きいと思います。対のように生きてきた私たちだからこそ、fuco:について綴りながら、母についても語った方がいいような気がしてきました。というわけで、今回はfuco:ファンの方には大変申し訳ありませんが(笑)、母yasuc

          yasuco:が自閉症fuco:の母になったのは必然だった⁉︎

          自閉症fuco:ファミリーのコミュニティ変遷

          「障害がある娘と生きていく」その中家族だけではどうにもならないことも、一般的でない特性について、周りに知ってほしいと思うことも沢山あります。 私たち家族は転勤族で九州内を転々としながら、意識的にその場でコミュニティをつくってきました。fuco:が23歳になった今、私たち家族皆心身ともに健やかで笑っていられるのは、100%その時々出会ってくださった方々のおかげです! 幼児期、地域そして療育機関に並行した足場を持つ fuco:生後10ヶ月の時、父親の転職に伴い宮崎市に引っ越

          自閉症fuco:ファミリーのコミュニティ変遷

          暮らしの「パーツ」として始まったアート

          fuco:が高校に行けなくなった8年前、母親の私が「マル描いて」と言ってアートを始めたのは、かなり言い古されてきたエピソードになってきました(笑)。 でもそんな風に、あの時の一言で彼女は偶然描くことにハマります。元々絵を描くのが好きでもなく、学校の美術の時間も全く興味なかった彼女が。 「マルを描くこと」にハマったわけ 暇な時間、何をしたらいいかわからなくて苦痛な時、苦し紛れに紙とペンを渡してみました。 まず気づいたのは、今まで彼女が絵を描かなかったのは、どう描いていい

          暮らしの「パーツ」として始まったアート

          fuco:の暮らし「パーツ」の見つけ方

          今でも忘れられないのですが、言語療法の先生に「fuco:ちゃんは修学旅行のしおりを見て、ここ行った、あそこも行ったと楽しむタイプのお子さんですね」と言われました。 当時はピンとこなかったのですが、すること自体を楽しむというより、TO DO リストを終える毎にチェックしていくのが嬉しいタイプってこと。ということは、1日を埋めるパーツが沢山必要で、それらを見つけていくことは本当に難しかったです!!(fuco:は知的レベルが3歳くらいの重度自閉症) 幼児期、彼女の遊び方 遊具

          fuco:の暮らし「パーツ」の見つけ方

          2024年抱負、fuco:ともっと軽やかにあそんでく!

          明けましておめでとうございます。皆様、どのような新年をお迎えになっていらっしゃるでしょうか?我が家は受験生がいるため、いつも通り、邪魔にならないよう毎日を送っております(笑)。今年もどうぞよろしくお願いいたします。早速どんな一年にしたいか、考えてみました! 受動的から主体的な人生へ 普通の重度障害児だった彼女との毎日が、アートをきっかけに変化が始まり、私たち家族にとって考えさせられることが多いこの数年です。 中でもヘラルボニーからつくっていただいたアートドレスと、そこか

          2024年抱負、fuco:ともっと軽やかにあそんでく!

          2023年、fuco:と皆さんで満喫したこと!

          更新日ではありませんが、番外編として、2023年の記録をまとめておこうと思います。あー、濃いかった、あっという間だった、いろんな出来事起こった(笑)。さぁ、皆さんの印象に残っているのはどれでしょうか? まずはなんといってもアート靴下関連諸々! ・2月 イチから自分たちでつくった初めてのプロダクト、アート靴下が完成! ・2/12 NHK佐賀にて半年にわたる取材を放送 ・2/21 初チャレンジのクラファン達成 ・2月 北海道から沖縄まで返礼品を発送、 佐賀県内特別支援学校高等

          2023年、fuco:と皆さんで満喫したこと!

          fuco:(知的障害がある自閉症)のとある日常〜one day

          「障害があるって家族にとってはそんな特別なことでもないんだけどなぁ」とも、「いやいやすぐ突拍子もないことやらかすし、マジ大変よ」とも感じる事が諸々あります。というわけで、今回のテーマは彼女の日常!。彼女の日常は皆さんにとって、予想どうりかそれ以上か、一緒に住んでいるような気持ちになって、どうぞお楽しみください(笑)。 しばしばフライング気味に始まるfuco:の朝 夜間てんかん発作がなくなったので、最近は一人自室で寝ています(20年以上たってやっと)。元々睡眠障害があるので

          fuco:(知的障害がある自閉症)のとある日常〜one day