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マウンティングがマイノリティの中でさらにマイノリティを生む。

みなさん、こんにちは。
メルカリアスリートの野寺です。

今日は「マウンティング×マイノリティ」をテーマに、最近感じていることを僕の想いと共に書きたいと思います。


社会問題の中でもマウントを取り合う構図

最近、社会問題を通じてマウントを取り合っている状況が見られるようになったと感じています。

例えば、女性の痴漢問題について、SNSでとある女性が言及したときに、「男だって痴漢はある」というようなことを言う人がいます。

他にも、自分が経験した差別について誰かが言及した時に、「俺の受けた差別の方がひどい。そんなのはまだマシだ。」と被害者のマウントを取るような人がいます。

でも、被害者マウントを取り合って何の意味になるんでしょうか。

私は、被害者マウントを取ることは、マイノリティの中でさらにマイノリティを生み出すことにつながると考えています。

それを強く感じるようになったのは、最近の黒人の人種差別問題。
フェミニズムであったり、障害者差別であったりと、自分が受けてきた嫌なことや変えていきたいことには発信するのに、他の差別や偏見問題については言及しないという人が多数いることに違和感を覚えました。

当事者にしかわからない痛み

本来、差別や偏見というのものはそれを経験した当事者にしかわからない痛みがあります。わからないやるせなさがあります。

その当事者という立場は、その痛みを知っている数少ない同士のはずなのに、なぜそこで救いの手を述べないのだろうかと感じてしまったのです。
そこで、なぜ俺の方がひどいとかマウントを取るんでしょうか。
やるべき事はそれでしょうか?

まずはそれで傷ついている人や困っている人に対して救いの手を述べて寄り添うことが大事なんじゃないでしょうか。

社会問題というのは、やはり当事者意識を持ってないとなかなか目が向きにくい問題です。なかなか取り上げられなくて、とても葛藤や悔しさを感じている当事者もいるでしょう。
まだまだマイノリティとマジョリティの立場で分かれていて、マイノリティの立場の人は排除されていく構図がこの社会にはあります。

それなのに、マイノリティ内でマウントを取り合うようなことが起きることで、"マイノリティの中でさらに細分化され、マイノリティが助長されているのではないか"と考えるようになりました。

わたしは障害当事者であり、差別や偏見などを受けてきたこともあります。それで、色々な辛いことややるせなさを感じてきたこともあります。
そして、それをなんとかしたいと思い、今までいろいろ考えて行動に移してきました。

このような差別や偏見を抱えている人にいちばん救いの手をのばせるのは、「そのような同じ境遇を経験したことでしかわからない痛みを知っている人じゃないのか?」と感じています。

そして、差別や偏見のほかにも、多くの社会問題を解決しようと試みている人にとっていちばんの辛いことは、"この世の多くの人が無関心であり、当事者意識を全く持っていないために、声も挙げても届かない"ということがあると思っています。

その辛さや葛藤は、その立場を経験した人にしかわかりません。
だからこそ、できるだけ多くの社会問題に対して関心を持ち、自分事として捉え、そして同じ境遇で闘っている人の助けに少しでもなれたらいいなと思っています。

そういう点で、「"誰とやるか"を重視して同じ境遇の人で集まり、チャレンジしやすい環境にする」WEINは非常に重要な役割を担う組織だなと感じました。

いま関わっているスポーツも同じ

社会問題だけでなく、いま自分が関わっているスポーツにも同じような苦しみや葛藤を抱えている人たちがたくさんいます。

デフサッカー、デフフットサル、障害者スポーツ、大学サッカー、大学女子サッカー、女子サッカー(WEリーグ)
これらのマイナースポーツで、これからもっと夢のあるものにしたいと頑張ろうとしている人がたくさんいます。

自分は、デフフットサル日本代表の活動に関わり始めた時に活動資金が足りなくてクラウドファンディングでお金を集めました。ほとんど全く会ったこともない方々が合わせて110万円もの大金を、この見ず知らずの"野寺風吹"という選手に預けてくれました。
実績も実力もないのに、これからの自分に投資してくれました。本当に感謝しかありません。そして、それをもとにメルカリと契約を結ぶこともでき、いまは満足過ぎるほどアスリートとして充実した生活を送ることが出来ています。

クラウドファンディングで停滞期に入って精神的に参っていた時、当時のデフフットサル日本代表の川元監督が力を貸してくれました。
大学の授業を終えた後、日帰りで大阪に行ってセミナーの冒頭で5分間だけお話しさせてもらいました。大阪に何のゆかりもない人間なのに、合わせて10万円以上も募金してくれたあの時、みなさんの温かさに胸が熱くなり、涙が止まらなくなりました。
"頑張っていれば必ず誰かが見ていてくれるんだ"と、心が救われたことは今もずっと覚えています。

圧倒的Giveが出来る人間

だからこそ、自分も同じような境遇の人に少しでも救いの手を簡単に差し伸べられる人間になりたいと思っています。
自分は今の環境を変えたいと、いろいろな方のアドバイスを受けました。
他にも、たくさん本を読んだり、セミナーに行ったり、他で活躍されている人を分析したり、逆に自己分析したり、試行錯誤してきました。

自分は確かにまだ有名でもないし、知識もありません。
プレーヤーとしてのレベルも低いし、それでお金を頂いていることに関して葛藤も感じています。
でも、それは絶対に受け入れなければならないことだし、これから絶対に向上させていかなければならない部分です。
でも、だからといって今なにもしないのは違うと思いました。

今まで感じてきた葛藤、悩み、苦しみを共有することはできます。自分なりに勉強してきたことや、感じてきた価値観を伝えることはできます。

だから、
熱意をもって今の環境を本気で変えてやろうという人の相談ならいくらでも乗ります。
本気で自分を変えてやろうとしている人の相談ならいくらでも乗ります。
同じような悩みや痛みを抱えている人の相談ならいくらでも乗ります。
本気で何かをやろうと思っている人に、自分なりの知識や対処法ぐらいなら何でも伝えます。

デフフットサルだけ変えていきたいとか、そんなつもりは毛頭ありません。
同じような思いをしている人の助けになりたい。
いくらでも相談に乗れる人でありたいと思っています。
ユニゼミやWEIN、パラスポーツ若手会に入ったのもそれが理由です。


自分は、多くの人に支えられながら生きてきました。
だからこそ、今度は自分が出来ることのなかで圧倒的Giveをしていきたいと思っています。

圧倒的Giveが出来る人間。
それが"ありたい自分"であり、それを体現していきたい。

これが僕の想いです。

これからもよろしくお願いします!!

https://twitter.com/fubuki_nodera

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