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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスに圧倒

早くも賛否両論ですが、僕的には最高に楽しめた。序盤の設定のややこしさや独特のテンポについていければ、後半は何も考えずただ世界ってなんだろう?人生ってなんだろう?愛とは?家族とは?と身につまされる思いながらも余裕をもって鑑賞できる。普遍的なテーマを最も複雑怪奇な手法でまとめあげた怪作だ。ただしこの作品を理論で観たら損します。気を付けてください。

主演ミシェル・ヨーの演技力は言わずもがな、脇を固める助演の素晴らしさも光っています。それぞれ1人で何役やってるのかわからんぐらいですが、視覚効果以上に演技のテイストだけで場面を切り替えていきます。すごいことです。キー・ホイ・クァンも素晴らしかった。『グーニーズ』のあの男の子がこんなにおじさんになったと感慨深い。今の彼の姿こそがマルチバースじゃないですか。

全体的にマルチバースという概念が副産物的に描かれていく複雑な演出なんですが、ここが評価ポイントになり賛否わかれそうですけれども、僕はシームレスに展開できていたと思うし、センスを感じました。「なにがセンスじゃ」と怒る方がいらっしゃったら他のマルチバースで叱ってください。

強いて言うなら後半がちょっとダラダラ長すぎるかな・・・間延びしてる感は否めないし、眠ってしまう人の気持ちもわかる。賛否あるのはよくわかります。あと女性側の視点に立てるかどうかもあるかな。適当なこと言うと怒られそうだけど女性からの評価が高い気がするんですよね。その辺も傾向として見えてくるものがあるかもしれません。アカデミー賞候補だからってみんな期待しすぎよ。『スイスアーミーマン』の監督だぞ?まともな映画なわけないだろう。奇妙な映画体験をしました。忘れてしまう映画にはならないだろう。

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