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気晴らしで気を晴らすことはできるか

気晴らし、ストレス発散のために何かをしても、どこかでもやもやを引きずっているような感覚になったことはありますか。または気晴らし、発散の後に、もやもやが復活したことはありませんか。

気晴らしでは、気が晴れない時があります。それはなぜなのか、結局どのような時に、どのような気晴らしが適しているのか気になってしょうがないので考えを巡らせてみました。


気晴らしの意味は

そもそも気晴らしとはなんでしょう。

気晴らし
[名](スル)他の物事に心を向けて気分を晴らすこと。気散じ。「—に映画を見る」

https://www.weblio.jp/content/%E6%B0%97%E6%95%A3%E3%81%98

あまり具体的にイメージが沸かないので、「気散じ」の意味にもつっこんでみました。

気散じ
[名・形動]
1 心の憂さをまぎらすこと。また、そのさま。気ばらし。
「近郊の遊覧地へ—な一日を暮しに行った」〈芥川・秋〉
2 気苦労のないこと。また、そのさま。気楽。のんき。
「—な暢気(のんき)極まる世間では」〈魯庵・破垣〉

https://www.weblio.jp/content/%E6%B0%97%E6%95%A3%E3%81%98

つまり、気晴らしというのは行為をさす動詞であり、心の憂いを紛らわすために、他の物事に心を向けて気分を晴らしたり、気苦労をそもそも持たないという言葉です。

「心の憂い」が生まれた後にそれを紛らわすだけではなく、「心の憂い」を持たないということも含まれているということがわかりました。

気分が晴れるとは

「気分が晴れる」というのはどういう状態を指すのでしょうか。具体的には次のように言い換えることができそうです。

・悩みごとや考えごとがなくなって、気持ちが軽くなること
・不安に感じていた物事が解決すること
・心配や悩みなど心に引っ掛かるものが何もないこと
・不安や怒りが消えてここちよいさま

https://thesaurus.weblio.jp/content/%E6%B0%97%E5%88%86%E3%81%8C%E6%99%B4%E3%82%8C%E3%82%8B

気分が晴れるというのは、心が晴れた空のようになるという表現ですが、これはつまり気分が上がる、いい状態とも捉えられます。例えば、高揚感を覚えたり、スッキリ、楽しい気分になる。人によっては何かに対して意欲的になったり、行動力が上がることも多いでしょう。

このように、常に晴れ渡った空のような気分を維持できればいいのですが、中々そうはいかない。

本当の空も、太陽、風、空気中のゴミなど様々な要因が複雑に絡み合い、雲や風、雨が生まれます。ときに台風や、災害も引き起こします。

人間自身もかなり複雑な要素で成り立っているし、取り巻く環境も同じく複雑な人間であったり、その人間が絡み合う組織であったり、自然であったり・・・完璧なコントロールをすることはできません。
できるとしたら神様でしょうか。笑

まずは自分自身かなり複雑なものことがからみあっていて、自分を取り巻く環境も複雑であることから、その影響を完全にコントロールすることはできないということですね。

なぜ気晴らしで気分が晴れないか

前項で、気分にも様々な天気模様がある。上がるから下がることがある。下がるから、上がることがある。ということを書きました。

だからといって、気分の上がり下がりを天気や周りの環境に任せっきりでは、気分を上げるエネルギーを失うだけではなく、体や行動にも影響を及ぼしかねません。気分の上がり下がりによって、自分の行動や望みが限定されてしまうという問題もでてきます。

気晴らしをして、気が晴れないのは、それぞれの問題に対して、選んだ気晴らし、解決方法が合っていない可能性が高いです。
気分を悪くさせる問題が色々あるように、それぞれの問題に対して、さまざまな気晴らし、解決方法が考えられます。

気晴らしはどんな時に効くか

前項では、気分が晴れないのは、目的や問題に対して、適した気晴らしを選ぶことができていないからではないかという話をしました。

気晴らしは、あくまで「気分」に注目した目的、問題への対処方法であり、目的や問題の原因に対して直接的に対処する問題解決行動とは異なります。つまり、気晴らしは、自分の望みを叶えるための気分を整える、もしくは望みを叶えられる気分の範囲を広げることともいえます。

気晴らしはあくまで、エネルギーチャージ。問題解決にはなりません。エネルギーをチャージする必要があるときに効きます。

エネルギーチャージは問題解決に向かう一つの手段ということですね。

どんな時にエネルギーチャージが必要か

状況判断のためにまずは、問題に向き合ってみてください(「何があればこの問題は解決するか?」と問いかける)。その時に、だるい、嫌なことが頭から離れない、またはそうなりそうな場合はエネルギーチャージが必要です。

もし、そのような反応が出ない場合は、一旦問題分析を進めてみてはどうでしょうか。反応が無いが分析ができない場合は、問題解決や分析の枠組み・スキルが追い付いていない可能性が高いので、自分に合う問題解決方法をいくつか調べてみると良いかもしれません。

とにかく、その先には直接的な問題、その原因を特定して解決していくことがあることを忘れないことが大事だと思います。

向き合った際に涙が出てきたり、動悸がしたり、希死念慮がでてきたりする場合は、次の項のケース2に当てはまるかと思います。

気晴らしをして、気晴らしにならないケース

  1. 気晴らしと思って行った行動が、逆にエネルギーを消耗してしまったり、気分を憂鬱にしてしまう場合

  2. そもそも、気分を憂鬱にさせた問題が深すぎたり、大きすぎる場合

1. の場合は、別の気晴らしの行動を選択していく必要がありそうですね

単純に、健康を阻害していないか、自分の苦手や不得意、挑戦のハードルが高すぎないか要チェックです。

2.の場合は、気晴らしどころではないです。問題解決の行動を今すぐとる必要があるのではないでしょうか。

例えば、自分の尊厳に関わること、価値観に関わること、心身に傷を負ったこと、トラウマのように記憶に残ってしまったことなど。これらによって気分が憂鬱になっている場合は、専門家への相談など複数人で直接的に問題解決に向けた行動を取る必要があるのではないでしょうか。

性格・信念によっても変わる気晴らしの効果

「考え続けなければならない」という不安や問題などについて頭の中で繰り返し続けるような性格、信念を持っている場合は、気晴らしの効果が少ないという研究もあります。

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050578061483489536

よく物事をぐるぐると考える傾向がある自覚のある方は、気晴らしが無意味になる可能性が高いということですね。直接問題解決を試してみるほうが気が晴れるのではないでしょうか。
よくあることではありますが、書き出す・誰かに話すなどのアウトプットをしながら問題に向き合う方が楽かもしれません。(自分の信念を変える方法とかもありますが)

最後に

気分を晴れさせ、それを持続させるということは、自分の行動や望みが限定されない範囲の中に、気分を取り持っていく、もしくはその範囲を広げていくことを意味するのではないかと思います。

よくメンタルを安定させる、コントロールする方法がネットでも本でも売れていますね。私も関心がある内容の場合は読みます。気分は上がるか下がるか、である以上、その波が大きいと負担が大きい。

気分の波をおだやか~にするというのは、何も変化のないことではなく、波の幅を自分に制限がかからない程度に収めていくことだなと感じました。

自分の波をおだやかにする。そのためには、グロテスクじゃない意味で目には目をだな~。



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