「博物ふぇすてぃばる!」、略して「博物ふぇす」をご存知ですか?
#20230722-174
2023年7月22日(土)
「博物ふぇすてぃばる!」、略して「博物ふぇす」は竹橋駅近くの科学技術館で開催している。今年(2023年)は7月22日(土)、23(日)だ。
「博物ふぇす」は、博物館に並ぶようなさまざまな事象にからんだイベントだ。あまりにも多岐に及ぶので、行く度に「こんなものまで!」と笑ってしまう。
私が大好きな昆虫をはじめ、ほ乳類(オオカミ、リスやヤマネなどのげっ歯目が人気だ)や鳥類、爬虫類や両生類、魚類などの海洋生物。植物ーーキノコや苔などの菌類も見かけるーーから微生物。天文関連、医療関連、お城や古墳、廃墟などの遺跡関連。鉱物や地質、化学、物理。
それらの創作グッズや書籍冊子の販売、実物の展示、研究の発表が各ブースに並んでいる。
グッズの種類も豊富で、ぬいぐるみや革細工、衣類、レターセットやカード類といった紙製品、マグカップや小皿などの陶芸品、ガラス細工、木工細工、樹脂粘土などなど。飾っておけるオブジェから生活に使える実用品、身につけられる衣類やアクセサリーまでよりどりみどりだ。
「学ぶ」「体験する」「購入する」をキーワードに個人だけでなく、大学や博物館などの団体、出版社などの企業も出展する。9つのフロアに出展するブース数は、第9回目の今回、380以上!
ここ数年、「博物ふぇす」は私の夏のお楽しみだ。
私が思う存分楽しめるようにむーくん(夫)は年休を取得し、ノコ(娘小4)に付き添ってくれる。入場するやいなや、「また後でね!」とノコとむーくんとわかれ、私は会場に放たれる。私は人混みに分け入り、目をギラギラと左右に走らせながらざっくざくと広い会場の奥地に向かって突き進んでいく。
ノコは念入りにブースを1つずつ覗いていくらしい。
私のように歩きまわる人に付き添うのも大変だが、ノコのようにゆっくりなペースに合わせるのも大変だろう。ブースの大人たちは親切で、子どもにも丁寧に説明してくれるという。名刺やチラシ、無料配布の資料やおまけのグッズをいただき、ノコの荷物は買わないのにどんどん増えるそうだ。
価格はさまざまで大量生産品ではないため全体的に高めだが、数百円からある。高額品になるとウン万円になる。
私はもっぱら昆虫ーー特に大好きな蛾があると見入ってしまう。
ブースの作家さんたちのなかにはインターネットでの販売もしている場合もあるが、聞き耳を立てると梱包や発送の手続きが面倒だったり、同じものをたくさん作るのが苦手だったりしてこういったイベントでの販売を主にしているという。街の店先では見かけない品があふれていて、興奮してしまう。
日頃、アクセサリーをつけないくせに、ここに来るとどうにも欲しくなってしまう。
ハエトリグモの一種アダンソンハエトリのチョーカーに目を奪われ、オオミズアオの幼虫のブローチに心が揺れる。革で作られた食虫植物のウツボカズラは、リップクリームやボールペンを入れるのにいいと聞けば、あぁ素敵!と思わず首から提げたくなる。
ポージングがかっこういい立体昆虫標本は万札が飛ぶ価格だが、その活き活きとした姿と鮮やかな色合いにうっとりしてしまう。もう既に何体か我が家にあるが、今回は珍しいキイロスズメがある。
あぁ、どうしよう。
書籍や冊子も専門性の高いものが多い。見本を手に取り、ぱらぱらと目を走らせる。うわぁ、読みたい。ドキドキしてしまう。
時折、むーくんにLINEし、現在位置を伝える。
むーくんからは、「このフロアの何番ブースにこういうものがあったよ」情報が届く。私の好みを把握しているので、「それは見てない!」と慌てて戻る。
奥のフロアに到達すると、入口のフロアに向かって鮭のごとく遡上する。あそこのブースのあれはまだあると安心したり、消えていれば悔やんだり。
滞在時間3時間半。
さすがに足が痛くなってきた。ほしいものは手に入れた。
ふふふ、そろそろ帰りますか。
我に返り、むーくんとノコを探す。
ふとむーくんに問いかける。
「お小遣いがなくて買うことができないのにノコさんを連れてくるのって、酷なのかなぁ」
夏休みにはいろんなイベントが待っていると伝えたのに、ノコはお小遣いを使い切ってしまった。
「いや、いいんじゃないか。いろいろ教えてもらったり、物をもらったりして、それなりに楽しんでると思うよ。それにこんな特殊なイベントに来られる子ばかりじゃないしな」
大人ーー私の"好き"に2人を巻き込んだ形だが、それも社会勉強か。
都心でも皇居に近い科学技術館のあたりは緑が濃い。
アブラゼミの賑やかな声を背に、赤みがかった夕空を眺めながら帰路につく。
また来年!
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