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浅草 鷲神社の酉の市へ

#20231111-289

2023年11月11日(土)
 毎年「とりいち」に足を運んでいる。
 むーくん(夫)の勤務が暦通りでないし、ノコ(娘小4)も成長するにつれてお友だちとのお出掛けが優先になるだろうし、いつまで続くかはわからないけれど、今のところ我が家の年中行事のひとつになっている。

 小学4年生なんてまだまだそんなものなのか、児童養護施設育ちという生い立ちによるものなのか、そこはわからないが、ノコはどうにも季節と年中行事の結びつきが弱い
 幼稚園にも通っていたし、施設も季節おりおりの行事の飾り付けはまめにしているので、体験もし、目にもしていると思うのだが、自分事ではなく「他人事」の感じだ。
 それもあって、寒くなってきたら酉の市がある、ゆず湯に入る、クリスマスが来て、夜更かしをしてもいい大晦日おおみそかが過ぎたら、新しい年が来る・・・・・・と思いを馳せられるようになることを願ってしまう。
 日常において、ちょっとしたわくわくが肌から感じる暑さ寒さとつながって、くるりくるりと循環したらきっと楽しくなる。
 なんていうのは、私の勝手な思いだろうか。

 ノコが友だちにいう。
 「今日ね、初詣に行くの!」
 いやいや、それは年が明けてからだから。
 「酉の市ね。いいことがありますようにって、熊手を買いに行くんだよ」
 友だちは行ったことがないのか、小首を傾げている。

 仕事帰りのむーくんと入谷いりや駅で合流し、家族3人そろって浅草 おおとり神社の酉の市へ向かう。
 ここ数年は新型コロナウイルス流行の影響で規模が縮小されていたが、今年はかなり賑わっている。警察官も大勢出ていて、人の流れをさばいている。

 縁起熊手のサイズは年を重ねるごとに大きくしていくのがよい――前年よりかき込める福や運が増えるように――といわれているが、我が家は商売をしているわけではない。私が目に入ると嬉しいものを基準に選んでいる。
 居間に飾るので、頻繁に視界に入る。
 そのときに「あぁ、あっちの熊手にすればよかった」と悔やむのではなく、「やっぱりこの熊手にしてよかった!」と1年間にんまりできる熊手がよい。
 竹ざるやます、宝船と種類があるが、私は熊手の形が好きなので熊手を探す。
 ノコをむーくんに任せて、私は人人人の流れのなかを掻き分けて進んでいく。店ごとに特色が違う。方向音痴の私は気付くと、同じ界隈をぐるぐる回っているだけのようだ。心が弾む熊手と出会えない。

店ごとに趣きが違うので、選ぶのが大変!
冬の寒さが吹き飛ぶ熱気!

 むーくんからLINEが届く。お腹を空かせたノコを満たすために、飲食の屋台が並ぶほうへ抜けてフライドポテトを食べさせて来たという。昨年購入した熊手屋の近くにいるというので、誘導してもらう。

 昨年と同じ店(西正にしまさ)で縁起熊手を購入
 ここが好みということだろうか。来年からはまっすぐここの熊手をチェックすべきか。
 お店の人が提示した値段から値下げ交渉し、それにご祝儀をつけるのが「いき」な求め方らしいが、日頃まけてもらおうとしないため、どうしてもできない。普通に買ってしまう。

来年の干支「辰」が可愛すぎないところがいい。
紅白の梅もポイント!

 店の人が手際よく熊手に飾りを付け足してくれる。
 「じゃあ、シャンシャンしようか
 ノコがよその大人ということもあってか、ちょっと幼児化して甘い声を出し、首を傾げる。
 「シャンシャンって?」
 「本当は手締めっていうんだけど、シャンシャンのほうがわかりやすいだろ」
 ノコが目を見開いてうなずく。
 さほど大きな熊手ではないが、子連れのせいか、手締めをしてもらえることが多い。
 「よぉーーー!!
 店の人が威勢のいい掛け声をあげる。店の人、私たち3人、そして通り掛かりの人も合わせて手拍子を打ってくれる。

 あとはノコの屋台巡りに付き合うだけだ。
 「チョコバナナ、チョコバナナ!」
 私は名物の切り山椒があればよい。

ノコにせがまれ、帰り道に3人で完食!
甘さと山椒のバランスがよい。
昨年までノコは顔をしかめていたのに、
今年は「美味しい!」。

【追記】
今年は、二の酉が11月23日(木祝)に開催されます。
冬らしい寒さのなか、人の熱気にあたるのもなかなかです。
ぜひ足を運んでみてください。

1年間、福をかき込んでくれた昨年の縁起熊手。
この卯と黄色い蝋梅がお気に入り。

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