見出し画像

やっぱ気持ちなんだなあ

夏の甲子園ベスト8。バーチャル高校野球で観戦した。全国強豪校の監督さんによる解説も聞き応えあって楽しい。

第3試合、大阪桐蔭対下関国際は智弁和歌山の元監督である高嶋仁さんが解説。甲子園で68回勝った監督。68勝は歴代1位だそうだ。

高嶋さんはしきりに「気持ちを出す」ことが大切だと言う。高校野球を、甲子園での勝ち方を知り尽くした高嶋さんならではの考えだろう。投手にせよ野手にせよ、守備にせよ攻撃にせよ、少しでも消極的な姿勢が見えたら「気持ちを出していかないとダメですよ」と。

下関国際の先発投手は立ち上がりに失点したものの3回あたりから内容が安定してきた。高嶋さんいわく「気持ちが前に出てきましたよ」。

点の取り合いになった中盤、大阪桐蔭は継投で2年生投手が登板。彼の投球が素晴らしく、苦戦する下関国際の打者陣に対して「(ストライクを)見ていてはダメです、(打ちにいく)気持ちを出していかないと」。

ファーストストライクに手を出しファールしたり空振りしたりしても「そうです、これでいいんです」と。

7回裏にはビッグプレー。無死一二塁、大阪桐蔭の底力が発揮されるかという場面でまさかのトリプルプレー。ここが試合の分岐点だったかも知れない。

9回の表、1点ビハインドで迎えた下関国際の攻撃。連打と犠打、タイムリーであっという間に逆転。電光石火。タイムリーを放ったのは大阪桐蔭に勝ち越しを許す落球をした一塁手。感無量だろう。

高嶋さんは「気持ち」というなんとも抽象的なことしか言っていないようにも思えるが、観ているこちらも「やっぱ気持ちなんだな」と納得できる試合内容だった。

敗れて涙、勝っても涙の名勝負だった。

この記事が参加している募集

#見返したい名試合

423件

#高校野球を語ろう

2,016件

世界のゴキゲンが増えるといいなって考えたりしゃべったり書いたりしてます。ありがとうございます。