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マーケティングやったことないのにリーダーを引き受けたら、結構良かった話

#あの選択をしたから

はじめてもいないことは可能性なんだ。
やったことものは、すべて可能性なんだ。
そういえば人生って、全部が未経験からスタートじゃないか。
byもすこ(自分)

5年半勤め、最後には執行役員をしていたベンチャー企業を辞める決意をし、有休消化中の夏休み。こんなに長く何もしない(無職)なのは久しぶりなので、自分に何かを課す意味も込めて、心境の変化や日々の過ごし方について書いておこうかと思ったり、今だけ思ったり。

あの選択と、その結果。

2021年の12月、CEOと話していたら、「マーケティングのリーダーやらない?」と言われた。
これまでの人生で、マーケなどやったことなく、何の数字責任も負ったことはなく、(いきなりリーダー?)とは思ったが、やってみることにした。
そしたら、人生の選択肢や、ものの見方の幅が広がった。
びっくりするくらい短期間で昇進もした。
何事もチャレンジ(または流されてみる)が大事であると思わされた選択であった。

マーケをやってみることにしたら、ものごとの流れや、事業の全体感をつかむことができた

棚ぼた人事であったのだが、結果として「サービスをつくって、売る」、という事業に必要なプロセスの把握や、それを手元で推進する機会を得た。
数字に苦手意識があった自分を変えるきっかけになったし、売上を司るマーケティングに関わることで全体を見る力がついた、いい選択だった。

何より、転職をすることになった今、求人を見ていてできることが結構あると気がついた。

マーケもプロダクトもみれる人は世の中にそうそういないようで、そういえば、マーケで有名な森岡毅氏も「マーケティングとプロダクト開発は同じ部署にした方がいい。同じリーダーにした方がいい。」と著書の中で言っていて、まさにそれを体得することができた。

あとフラフラ歩いている時もマーケ目線でものをみれるのはそこそこ楽しい。頭の体操。

なんでそうなったって、CEOとCOOの喧嘩

当時の私は、“社内唯一のサービス企画のひと“が主な役割で、サイトやプロダクトのアイデアを出し、形にしていくためのリードをしている時期だった。PdMに近いが、結構なサービス責任を負っていたので、一般的なのよりは、もうすこしビジネス寄りである。PdMの自覚もなかった。社内にPdMいなかったので、どんなものかもよくわかってなかったのもある。

会社のマーケの全てを社内内製しており、マーケチーム数人が大きな数字を背負って、社内で頑張っていた。私もサービスを作る側の目線で訴求検討を一緒にするなど、お隣のチームとして関わり、プロダクトにかかるファネルやCVRの数字部分は把握していたが、マーケの全体戦略や予算の管理や事業全体の数字を見るポジションでもなく、このときはマーケティングはまだ外の世界のことだ。お気楽ポジション。

CEOがそんなマーケ経験のない私に上のような打診をしてきたのは、当時マーケティングを掌管していたCOOとマーケティング方針で喧嘩し、リーダー不在の危機がやってきたからである。
マーケチームにはCMOも部長もおらず、COOがマーケをみていたが、そのCOOが「CEO発案のその施策はやりたくない、であればマーケ責任者は降りる」と言い出した。

当時は他に適任者もおらず、CEOが意思疎通しやすい私に振ってきた。理由は多分、話やすいから、それだけ。周りもそう認識しているはずである。
誰もが(大丈夫かよ)と思っただろうし、マーケリーダーになりたがってた若者マーケターからは陰で文句を言われていたようだし、私も「え、マジですか笑」と言ったのを覚えている。普段はこんな言葉遣いはしない。

しかしなぜだかノーという発想にならなかったので、やってみることにした。ノーと言ったら会社が困るのも目に見えていた。

素人は強い

当時はリスティング広告の仕組み(入稿とかキーワード調整とか)もよくわかってないし、Googleアナリティクスもまともに読み解けないし(今もそう)、CPAって何?って感じだったので、チームメイトは不安だったことだろう。

しかし、素人とは強いもので、わからないことは詳しい人を頼ればいい、足りないスキルは得意な人にやってもらえばいいと割り切り、自分は細かい手を動かすのではなく、全体の予算アロケーション最適化と、すべての判断、何をすればいいかのアイデア出し、サービスをよく知る身として売り込む窓口係、上席や提携先に対する責任を取る(数字詰められるのを壁となって受ける)というメンバーの心理的安全性の確保、に振り切った。

リーダーは手を動かせなくてもいい。事業理解と、素早く適切な判断と、何が大事かの信念と、責任を取る姿勢、上席へのホウレンソウが大事であった。そうやって、CEOら経営陣と投資家とチームメイトとの信頼を築いていった。できないことをできるようになるためにがむしゃらにやる時期も必要で、それをなんとか乗り越えていったら、いつの間にか事業を立て直していて、部長になっていて、執行役員になっていた。たぶん、マーケティングリーダーを受けていなかったら、このポジションには就いていない。

マーケに必要なのはスキルじゃなくて、サービス愛と事業理解

サービス愛からくる「これを世に拡めたいんだ」という熱い思いがあれば、自然と何をすべきかは思いつくものだ。やりたいこともでてくる。
「誰に何をどうやってとどける?そのためにどんな施策が必要?いくら使えばCPAあう?」みたいなマーケで考えなくていけないことは、そんな難しいことじゃない。「何のためにこれやるんだっけ?うちってなんの事業だっけ?」の本質がぶれなければ、なんとかなる。

マーケの本を読むよりも、まずは自社がなにを売りたいのかを理解してそれをどう伸ばすか考える方に時間を使った方がいい。
それをどうやって実現するか(HOW.リスティングなのか、インフルエンサーなのか)は後からついてくる。スポットの技術力は、あとからいくらでも補強できる(それこそ本があるんだから)。

サービス愛と事業理解があり、この事業を伸ばしたいという想いがないと、小手先のマーケスキル発表だけに終わってしまうし、思い入れがない人とは一緒に働いてても、つまんない。

何が自分の強みか気づいた

世の中のマーケティング人材がどんなものかわかるようになって気づいたのは、細かいスポットスポットの作業のプロはいる(GA4に詳しいですとか)けど、そういうスポットのプロの人たちを束ねながら、全体を見てそのときのビジネスにとって有効な施策がどれかを判断し、全体最適化する人は、足りてないんだなぁということだ。
マーケのことだけわかっててもダメで、どんなサービスで何が売りなのかとか、サービスがどうやってできているかとか、オペレーションはどうかとか、会社が何にどのくらいの費用が掛かっているかとか、これが把握できてないと、部分最適になってしまう。

「僕の担当のリスティングのところは〜」って、そこの局所のプロも大事だけど、それって「マーケやってます」と言ってもごく一部のことだけなわけで、本当の意味でのマーケティングをしているわけではなく、その先もその個別スキルを活かす仕事にしかつけないような気がしている。

幸い、事務で入社したのでオペレーションはわかっており、サービス企画でプロダクトのゼロイチ経験をしたので作り方はわかっており、それにこの謎の棚ぼた人事でマーケの全体感と事業計画を立てるところまでのプロセスを経験した。ラッキーであった。

多少の度胸は必要であったが、サービスをもっと伸ばしたかったから、マーケをやるっていうのは必ず通らないといけない道だったのかもしれない。

とりあえずやってみると何か変わる

「やったことないけど、そう言ってくれるならやります」って言ってれば次の時もまた声をかけてくれる。本当にやりたいことが出てきたときにも、きっとその前例からやらせてもらえるようになる。逆に、一度断ると、「次も断られるかもな、あの人はやらないかもなぁ」と声がかかる機会は減る。積極性やチャレンジ性のない人には仕事の相談しなくなるのは、自分が管理職側でもどうなので事実だ。期待して声かけたのに、ネガティブな姿勢ばかりだと、やっぱり会話がつまらない。

仕事だから行動に結果は求められはするけれど、失敗しても死ぬわけじゃないし、いち従業員であるうちは、その責任は誰かが取ってくれるのだから、とりあえずなんかやってみるのがよいよね。そんで退職するときに、できることが前より増えて、生きるための選択肢が増えてたらいいよね。

そうやって、自分のことは自分で選んで、自分の道を作っていくものかと思っている。

はじめてもいないことは可能性なんだ。
やったことないものは、すべて可能性なんだ。
そういえば人生は未経験の積み上げ。
byもすこ(自分)

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