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その状況に、流されていませんか?

「人はどんな場所でも、
その環境に順応して(しまう)ものなんだよ」

いつか、
アメリカの友人が語っていた言葉。

彼はもともとアフリカ大陸から渡ってきた
先祖をもつ移民の子孫で、
(といっても、そもそもアメリカは移民国家なのだけれども、、、)
今日まで、肌の色で数え切れないほどの差別を
受けてきたみたいなんですね。

仕事をするにしても、
昔はスーツに袖を通すことすらためらいがあって、
親がしてきた仕事を受け継ぐのが周囲では
当然のことのように受け入れられていたらしい。

不思議なことで、
人間はどれだけ才能や可能性があっても、
そうした環境の中で過ごしていると、
そうした考えが当たり前になってしまうらしい。

それでも彼は、
その環境から一歩踏み出すことをやめなかった。

人種差別を受けながらも、勉学に励み、
小さな変化を自分に与え続け、
今では、同じ人種問題で悩む人々を救うために
法人を立ち上げ、多くの人々をサポートする日々を送っているのだそう。

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話は少しズレるけれど、
同じような話があって、

世界大戦時のホロコーストからなんとか逃れて、
生還した祖父をもつ友人がいました。

彼は生死の間でさまよってきた、
祖父のホロコーストの体験談を聞いて、
人間の「慣れ」の恐ろしさを感じたのだそうです。

毎日、誰かが命を断つ状況の中、
人はそんな過酷の環境の中に居続けると、
自分の死が目の前に迫っているのにもかかわらず、
その状況に慣れてしまい「当然のこと」のように
受け止めてしまうのだそう。

そんな状況でも、支えになったのは、
自分の心の持ち方を毎日変え続けることだったそうで、
どれだけ小さな変化でもいいから
自分を変えていくことがそこで生きる意味に繋がり、
自分の尊厳を取り戻すことができたのだという。

「状況に流されるな、自分で働きかけろ。」

祖父にそう教えられたのだそうです。


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生死を目の前にしてきた人々の経験と
比べることは恐れ多くもあるけれど、
考えてみれば「状況に慣れてしまう」ことって、
誰にでも身近にあることなのだと思う。

最初は楽しく取り組み始めたはずのことが、
次第につまらないものに感じられるようになってしまうこともあるし、
夢を膨らませて取り組み始めたはずの仕事が、
いつしか単調で惰性的なものになってしまうこともある。

大切なことは、
「変化のない単調な日々」の中に自分が居るのだと
気がついた時にどのように向き合うかなのだと思う。

その状況をどのように受け止め
行動するかで、その人の生き方が変わってゆくのだと思う。

流され続ける日々を送ることほど恐ろしいことはない。

そこから一歩先、
踏み込んでゆけるかどうか。


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同じような仕事でも、
何か一つを工夫してみる。

昨日より早くできないだろうか、
もっと質を高められないだろうか。
より多くの人に伝わる方法はないだろうか。

なにかを学ぶことでさえも、
時には別の視点から学んでみるのもいいかもしれません。
本やネットばかりで学ぶのではなく、
ゆかりの場所へ足を運ぶだけで、
五感で受け止められる何かと出会えるかもしれませんから。

どれだけ単調に見える、この空でさえも、
そこに漂う雲が同じ時などありません。

人もまた、わずかながらでも、
変わり続けなければいけないのだと思うんです。

単調な日々だと感じるようになった時。

それは何かのサインだと思うんです。

最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。