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【東京都】日本の将来推計人口、40年後は24%減!東京への人口一極集中の本番はこれからか!

昨年の12月22日、国立社会保障・人口問題研究所は「地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」の公表を行いました。

少子高齢化が進む中で、2020年の総人口は「1憶2,614万人」、その40年後は約24%減の「9,614万人」と推計しました。

都道府県別では2025年には東京都を除くすべての道府県で人口が減ると言うことです。

また、地方の人口減少と高齢化が同時並行で加速度的に進行する一方、就職先が豊富、利便性が高いなどの理由から東京都の人口は増加傾向となります。

東京都の人口は2020年時点で「1,404万人」、その30年後の2050年では+35万(+2.5%)も増え「1,439万人」となる見込みです。

とくに単身者の割合が高く2045年には東京都の人口の約「60%」にもなります。

そこで本記事は、まずは日本の「将来人口推計」について、そして東京都の人口は「今後どうなるのか」、最後に「23区の世帯構成」について詳しく解説していきます。

少し長文ですが最後までお付き合いください。


日本の将来人口の推計値

将来推計人口は、5年ごとに行われる「国勢調査」に基づいて、概ね3~4年後に、「国立社会保障・人口問題研究所」(以下、研究所)が将来の推計を行い公表しています。

この公表から、2020年(実測値)の総人口は「1憶2,614万人(男性6,135万人・女性6,479万人)」、前回の調査から95万人も減少しています。

つまり、日本の総人口は減少傾向にあるとうかがえます。

下図の総人口の推移を見ると、1980年から緩やかに人口が増え「2005~2010年」あたりをピークに下り坂をたどっていることが見て取れます。

推計値を見ると2020年の「約1億2,600万人」から、20年後の2040年には約1,300万人(11%減)減って「約1億1,280万人」。

さらに20年後の2060年には1億人を割って「約9,600万人」、3,000万人(24%減)も大きく減少すると予測されています。

ただし、今後の様々な要因からの影響もありますので予測通りに人口が減少するとは限りませんが、現実的に人口減少は避けられない現状です。

出所:内閣府「1 高齢化の現状と将来像」(実績値)
および、国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」(推計値)より作成

5都道府県別の将来推計人口(増減比率)

日本の総人口は減少傾向にあるとお伝えしました。

では、各都道府県の人口は今後どうなっていくのか、5都道府県(東京都・北海道・愛知県・大阪府・福岡県)に絞って見ていきます。

研究所から「日本の地域別将来推計人口」より、2020年の人口を100としたときに向こう30年の2050年の人口はどのくらい増減するのかを下図は表しています。

100を超えていれば2020年よりも人口は増えているということになります。

出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)
より作成

東京都は25年以降も人口が増え続ける唯一の都市で、2035年は「102.9」、2040年「103.3」をピークにその後は緩やかに減少し2050年には「102.5」となります。

減少するものの2020年と比較すると今後も人口増加する見込みとなっています。

一方、大都市を抱える道府県では北海道は2035年は「87.3」、2050年には「73.1」、愛知県では2035年は「95.6」、2050年には「88.5」、大阪府では2035年は「92.4」、2050年には「82.2」、福岡県では2035年は「95.1」、2050年には「87.2」となります。

これらの大都市でも人口減少(100以下)から逃れることができない予想となっています。当然ながら他の42府県も2025年までに人口が減少するとされています。

このことから東京都の1強ぶりがうかがえ、つまり、これからが東京への一極集中が始まるのではないでしょうか。

東京都の人口は増え続ける

ここからは人口が増え続ける東京都について見ていきましょう。

下図は、研究所が5年ごとに公表している「日本の地域別将来推計人口」において昨年12月下旬に2023年版の推計が示されました。

東京都の将来人口で、2018年(オレンジ色)に発表されてた推計人口と、今回、2023年(青色)の結果を比較したものです。

※点線:推計値

出所:国立社会保障・人口問題研究所より作成
(元データは2015年、2020年の国勢調査のデータをもとに推計)

前回の2018年の推計では、東京の人口は2030年の「1,388万人」がピークだと予想していました。

しかし、5年後の2023年に発表された最新の推計では、将来人口の予測が大幅に上方修正されていることがわかります。

東京都の人口は右肩上がりに増え続け、2040年に約「1,450万人」となりピークを迎えるとしています。

その後は人口減少に転じるものの、その勢いは非常に緩やかで、2050年でも1,439万人です。

前回より人口が増えた原因としては、若者を中心(進学・就職など)として転入超過による影響だと考えられます。

東京都・23区の人口推移予測

では、つぎに「東京都(23区含む)」と「23区」を比較し詳しく見ていきましょう。

下図は、研究所が予測している東京都と23区の「将来人口推移」と東京都の人口総数に対しての「23区の割合」です。

出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)
より作成

東京都の人口は2035年まで増え続け、2040年には「1,450万人」となりピークを迎えるとしています。その後は人口減少に転じるもののその勢いは非常に緩やかで、2050年でも1,439万人です。

一方、東京23区ではピークを迎えるのは少し遅れて2045年の「1,029万人」と予想されています。東京都と同じく緩やかに減少し、2050年には1,026万人とされています。

全体の割合で見ると、2020年の東京都の人口総数に対して約「70%」の人が23区に住んでいます。そして、微増ではあるが年々増え続けていることがわかります。

なぜ23区の割合が増えていっているのか、

考えられる要因としては、23区には「働く場所がある」ことに加え、職場に近いエリアに住む「職住近接」、そして交通や病院など「生活インフラ」が整っているために住みやすい環境だからではないでしょうか。

23区の世帯構成の変化

前述よりこれからも23区の人口の割合は増えていくことがわかりました。

では、今後「23区」では「総世帯数の推移」はどのような変化になるのか、そして、総世帯数に対して「単身世帯が占める割合」を見ていきましょう。

東京都が作成している「東京都世帯数の予測」によると2020年の総世帯数は520万世帯です。総世帯数は減少することなく年々増加していき2045年には563万世帯(+43万世帯)と見込まれています。

出所:東京都の統計「東 京 都 世 帯 数 の 予 測」18Pより作成

総世帯数に占める家族類型別のみると、25年後に大きく減少するのは夫婦と子供で構成された世帯、いわゆる「ファミリー層」であるとされています。
※その他の世帯は除く

2020年(105万世帯)と比べて2045年には6万世帯(△6%)減少し99万世帯となることが見込まれます。

そして、最も多く増える世帯が「単身世帯」です。

単身世帯は今後も増え続け、2020年の278万世帯と比べ2045年には42万世帯(15%)も増え320万世帯となる見込みです。

一方、総世帯数で単身世帯が占める割合は2020年で、すでに半数を超え54%です。

その割合は増加傾向で、2045年の段階で3ポイント増え57%まで上昇すると推計されており、じつに約60%を占めることになります。

要因としては、未婚化・晩婚化の影響もありますが単身で生きるために必要な「生活・交通の利便性」が充実しているために不便さも感じないためなのではないでしょうか。

年齢人口の推移(単身者)

23区の単身世帯数は、2020年時点で278万世帯、25年後の2045年には320万世帯に増える見込みだとお伝えしました。

ここからは、単身者の年齢を「64歳以下:生産年齢人口」と「65歳以上:高齢者」の2つの区分に分けて見ていきます。

下図は、「64歳以下」と「65歳以上」の人口、そして総人口に占める「単身者の割合」がどのように変化するのかを表したものです。

生産年齢人口:15歳以上65歳未満の層、労働に従事できる年齢別人口

出所:東京都の統計「東 京 都 世 帯 数 の 予 測 」47Pより作成

64歳以下の人口は、2020年の214万人(総人口に占める割合は77%)から2035年の241万人(同76%)へとしばらくは増加していきますが、その後は減少傾向に転じ、2045年の231万人(同72%)へとなる見込です。

一方、65歳以上では2020年の64万人(同23%)から増え続け2045年には89万人(同28%)の25万人も増えると見込まれます。

2020年と比較し、総人口は増加傾向であっても、総人口に占める割合を見ると年々65歳以上の割合が増えていき、逆に64歳以下は減少しています。

つまり、23区でもあっても高齢化は避けられないということです。

ですが、25年後の2045年の64歳以下の割合を見ても72%と、じつに10人に7人は64歳以下であるため23区の生産年齢人口の高さはうかがえます。なお、全国の単身世帯は56%となり2人に1人は高齢者となります。

【参考元:全国の単身世帯】
出所:国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(令和6(2024)年推計)

まとめ

まとめると以下です。

  • 日本人口推移:人口減少は避けられない、2040年には11%減「約1億1,280万人」、60年には24%減の「約9,600万」

  • 5都道府県の人口:東京都は増加傾向、4道府県は減少(他の42府県も)

  • 東京都と23区:ともに2050年にかけて人口は微減、総人口割合では東京都の70%は23区に住んでいる

  • ① 23区の世帯構成:単身世帯は著しく増え、2045年には約60%

  • ② 年齢人口の推移(単身者):高齢化は避けられない、しかし2045年でも10人に7人は64歳以下で生産年齢人口は高い

これまでご紹介してきたデータから、東京都、とくに23区では総人口に対する割合が高く、そして、単身世帯が多くそのうえ増加傾向にあるとわかりました。

理由としては、多くの方が東京に仕事を求めて上京することで単身者が急増、そして未婚化・晩婚化が進むことでさらに増えていくと考えられます。

今回のデータはあくまでも推計値なので、これからどうなっていくかは分かりません。

しかし、前回の推計値よりも東京都の人口は上方修正していると考えると、大都会「東京」ではこれからも人口は増えていくのではないでしょうか。

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