独立して翌月から売上目標達成!営業活動に集中するために行った「右腕」を即戦力化施策
過去のトラウマ…
ある会社に在籍した営業マンのM様は、独立してA社を立ち上げる予定で
独立前から新たな会社の運営にあたり雑談も含めご相談をいただいておりました。
もちろん運営だけではなく、創業にかける想いもお聞かせいただきました。
「どんどん売上を上げて会社を大きくしていきたい。」
その中で採用に関しての会話している時に、M様はこうお話されました。
「まずは営業は自分ひとりだけでいい。自分を補佐してくれるパートさんが2~3名欲しい。」
少し違和感を持ちました。
売上の拡大を狙うなら、創業時の限りあるキャッシュをパートさんではなく
営業人員の採用に割いた方が良いのでは?と思ったからです。
そのまま疑問をM様にぶつけたところ、私が知らなかった事実を告げられました。
「過去に別事業で起業した時に、最終的に倒産してしまい大量のリストラをしてしまった….
一旦正社員を雇用するのは怖いんです。」
過去のトラウマから慎重になられているM様の意見を尊重し、パート採用に動き出しました。
想定外の社長の右腕
採用ターゲットは以下です。
・主にバックオフィス業務をサポートしてくれる方
→経理経験のある女性
・仕事へのモチベーションが高い方
→仕事はしたいが子育てなので社会復帰しきれていない主婦層
在宅ワーク可を条件とした主婦層でターゲティングすることになりました。
採用メッセージを作成します。
「仕事復帰へ、一歩踏み出せないあなたへ」
「家にいながら、好きな時間に仕事ができます」
このターゲット層は需要が多く、順調に2名の子育て主婦の採用が決定しました。
採用した1名はA社が置かれている業界は完全未経験。これは想定内でした。
しかし、もう1名は県外の方で会うことは難しい距離、これは想定外でした。
リモートとはいえ数回は会えるものだと思っていたのですが
M様曰く「とてもやる気があったので!」ということで採用されたようでした。
会えないならリモート会議すればいいと考えたのですが
家で子育てされていると急な子ども対応ができたり、主婦には主婦の都合があるということで
固定の時間を決められることは厳しいのではないか?ということになりました。
M社長と会話し、レクチャーする内容を動画にしてインプットすることにしました。
一度動画を作ってしまえば、これから入社されるパートさんにも使い回しすることができ
今後の教育コストの削減に繋がると考えたからです。
しかし「ただ動画を作ったので見ておいてください」だけでは仕組みとして不十分だと感じました。
知る→出来るまでの後押しが弱いと考えたからです。
知識の定着を行うための工夫
M社長と作戦会議し、ただ授業動画を作っただけではなく工夫した点を①〜④以下に記載します。
(塾講師としていた勤務していた知人にナレッジも聞きながら作成しました。)
①スタート時に見ている人の心をつかむ
いきなり講義に入るのではなく、まずは最初に社長メッセージを組み込みました。
創業にかける想い。
社会貢献性のある事業だが、これを成し遂げるためにあなたたちの力を貸してください。
画面越しではありますが、チームとしての一体感を醸成します。
②綿密なカリキュラム
教科書を開くと最初に必ずある目次、これを今回講義する内容に置き換え
絶対マスターしてほしい内容を、ひと目で明確になるように作成しました。
そしていきなり業務の説明になるのではなく
自社商品の紹介や業界用語について、など業務を行うため前提となる知識をインプットします。
ここまでが終わると業務の説明をする単元に入ります。
自由な時間で働いてOKとしつつも、ここまでに○章の○単元まで終わらせる、
というような学習スケジュールの期限を設け、進度遅れを防ごうとしました。
③分かりやすさ×付加価値を体現したコンテンツ
分かりやすさを追求するために、細かいコンテンツ設計に拘りました。
・動画の閲覧を開始するハードルを下げるために、動画の長さを15分以内で作成。
・動画の最後に、この単元を一目でおさらいができるスライドを1枚映す。
付加価値としてM社長との連携を設計しました。
・こういう場合は社長に確認をしてほしい。
・社長がこの部分が漏れていたらリマインドの連絡をしてほしい。
M社長との連携まで組み込むことで、業務における当事者意識の醸成と
リモート業務による連携漏れを防ぐようにする目的もありました。
④徹底したアフターフォロー
動画講義でひとつの章を終えて、次の章に進む前に確認テストを実施します。
リモートなので自己採点を原則とし、動画講義の内容を疑問形にして問いかけることで質問を作成、
合格できたらM社長に報告をする流れで進めていただくようにしました。
これで進捗状況が確認できるようになります。
期日通りに合格ができればM社長から感謝の言葉+質問はなかったか?をフォロー、
もし躓いていたらM社長からフォローしていただくように設計します。
(ちなみにM社長の確認やフォローが漏れていないか?確認するのは私の仕事です。)
もちろんパートさんの戦力化のための育成でもありますが
リモートでおざなりになりがちな「頑張りを見てくれている感」を醸成し
モチベーションアップ、自発的な成長を促したいという狙いもありました。
1ヶ月で即戦力化に成功!
この①〜④の取り組みを行い、パートさんの早期戦力化を実現に成功し
M社長は本業である営業に時間を割くことができ、独立後翌月から営業目標を達成されていました。
M社長からも「こんなに良いスタートダッシュができると思わなかった」と仰っていただきました。
世の中の子育て世代の主婦層のリソースを活用することは
リモート可にすると通常の採用と比較しても簡単でしたし、活用できれば非常に強力な武器になると感じました。
同じようなことをご検討されている方は、本事例が少しでも参考になれば幸いです。
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