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顧客の期待を超える!固定概念を数字で見直し、関係性✗の状態から利益アップに貢献した話

失った信頼を取り戻す


前任がA社の社長からクレームをいただいており、関係性✗な状態から担当がスタートします。

以降、先方の窓口を担っていただいているS部長とは関係性を徐々に修復
アポイントやA社の近況は教えていただけてるようになっていました

ある日のアポイントの時に、こんな状況を教えていただきました。

・業績が悪化していること
・チラシ集客がメインだがネット広告にも取り組まないといけないと社長はお考えなこと

担当してから半年の間に有償/無償問わず様々な取り組みをS部長に提案しました。

しかし何事にも社長の決裁が必要であり、過去のクレームの件から
S部長から社長にエスカレーションしていただけず進展がありませんでした。

やはり社長に会って会話する必要がある。
しかしS部長からはアプローチできない。

幸いにも前任が社長や役員陣のメールアドレスは知っていたので

「私から社長に、後任の挨拶も含めメールを送ることだけ伝えておいていただけますか?
 不必要であれば迷惑メールに指定していただいてもいいので!」

とお願いし、伝言自体は了承いただきました。

Giveのストーカー作戦


関係構築のためにGiveを続けます。

S部長から、毎週木曜日の16時から部長以上のメンバーで営業会議があることを把握していました。

私はS部長とのアポイントを木曜日の17時〜、不可であれば金曜日の午前中に設定するようにしました。
そこで営業会議で挙がった議題や必要とされている情報をヒアリングします。

アポイント後、競合他社の動きやマーケット動向の情報を収集し
A社が置かれている状況やコメントを添える資料を作成し、隔週で社長に送付しました。

もちろん、全てをメールでご確認いただけるとも思っていなかったので
資料を印刷し、営業会議前にしれっと配布していただくようS部長にお願いしました。

これを約3ヶ月間続けました。ほぼストーカーです。

そして3ヶ月経った後、社長からS部長にこんな質問があったようです。
「この資料を毎回作っている人だれ?詳細を聞いてみたいね」

ようやく社長と会う約束を取り付けることができました。

当日、これまでの資料の総括や自分の考えをお伝えしました。
同時にA社長が置かれている状況も分かりました。

・前社長から病気で想定よりも早く社長を引き継いだ
・継承直後に業績悪化なんて見せられない
・少し高く仕入れて利益が薄くなったとしても、売上を作らないといけない

打ち合わせの最後に、取り組みをしないといけないとお考えであったネット広告について提案を行いました。

先述の通り業績が悪化しており、大きく投資はできないので
最小限の予算でスモールスタートで、ということで採用いただけました。

その後の限られた予算の中で最大限の効果を創出することができ
より売上を拡大いただくためにもネット広告への追加投資の案を準備します。

これまでのやり方を変える抵抗


S部長からチラシの効果データを頂いていましたが
費用対効果が良くなかったため、A社の広告予算は変えず
チラシの投資額の一部をネット広告に割き運用させていただく提案をしました。

シミュレーションの数字も理論的に間違っておらず
ネット広告の効果状況も良く、社長との関係性も改善しつつある。

採用いただけると考えていました。

しかし
「ごめん、やらない」が社長からの回答でした。

理由をお聞きすると、2つの事実を教えていただきました。

・過去チラシを減らした際にフリー来社が減少してしまった。
・ずっとやってきたやり方を変えることに抵抗がある。

ちなみにフリー来社とは、チラシを定期的に撒くことで認知を獲得し
いざ見込顧客が検討段階になったら「知っているから」という理由で来店いただけることです。

とはいえチラシの費用対効果が悪いことは事実です。

チラシの部数やエリアを小さくすることはできるかもしれない、とお伝えし
再度今回の提案させていただくことで合意
しました。

チラシに無駄なコストを使っていないか?


チラシについて再度分析します。

・各行政区毎と新聞社毎の配布枚数表
・新聞社毎の配布マップ
・過去の問い合わせがあった顧客の住所町名

など大量のデータをS店舗部長からいただき分析します。

結果、フリー来社や問い合わせを獲得できていたのはチラシを配布している一部の地域からのみ、という事実が判明しました。

この事実から、A社にとって最も費用対効果の良い
チラシの適正配布行政区・適正新聞社・適正枚数まで算出します。

これを採用いただけると年間数百万円のチラシ代が削減できます。

社長に再度提案します。

社長の不安要素を取り除き「ここまで分析してくれると思わなかった」
提案内容自体は受け入れていただいたものの
「追加で投資するネット広告を運用できるかが不安」とのご感想。

複数のネット広告を複数人で管理しなければならないので、管理・運用工数がかかります。

ソリューションとして、ネット広告を一括で管理できるシステムを提供している会社が複数あるので
ソフトウェア選定や導入支援、活用フォローまで自分が携わらせていただくことをお伝えします。

翌日からはシステム会社に問い合わせ、コンペを実施し値段の交渉まで入らせていただきました。

そして導入システムが決定し全ての材料が揃いました。

社長のお考えを再度確認します。

「ここまで全て準備してもらえると思わなかった。」
「もう後戻りはできないし、自分も覚悟しなければいけない」

チラシの費用を最低限に削減し、集客を手法をネット広告主体に大きく転換していただきました。

取り組みの成果


ネット広告の効果創出、管理システムの活用まで順調に進み
結果として売上は昨年比15%増、経費削減もあったことから数百万谷の利益を伸ばすことができました。

過去のクレームから全く会えなかった状況から社長と関係を修復し
今となっては「いつうちに入社してくれるの?」と冗談半分で言ってくださる関係性になりました。

また数字も重要ですが、社長の想いやお考えを理解したうえで提案することの重要性を再度学びました。


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