転倒後の仙骨部痛に対する臨床推論と介入の実際
はじめに
このnoteは、誰にでもお役に立てるわけではありません。
ですが、以下に一つでも当てはまる方は、ぜひ読んでみてください。
この記事では、転倒受傷直後の症例に対する臨床推論と実際の評価介入をご紹介しています。
また、急性外傷後のリハビリアプローチで事前に知っておくべき知識を合わせてまとめています。
臨床力を高めるいちきっかけとなれば幸いです。
by Rui
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今回の記事では、転倒による仙骨部痛の実症例に対する評価および介入についてご紹介します。
日々の症状変化を聴取しながら、なぜ受傷後4日目に評価をしたのか、どんなリスクを想定して評価を進めたのか、どんな評価介入(アプローチ)を行ったのかについて臨床推論を含めたリアルをお伝えする内容となっています。
症例との信頼関係のもと行っておりますが、受傷後の対応について最善であったかの判断は難しく、至らぬ点もあったかもしれません。(その後、良好な経過は辿っています。)
この点をご理解いただける方のみ、noteを手に取って臨床推論の参考にしていただけたらと思います。
症例紹介と受傷機転
症例は、30代女性です。受傷機転は、雨の日に屋外の階段降りで足を滑らせ尻餅をつき仙骨下部を強打しました(図1)。
図1 受傷機転のイメージ
受傷直後より歩行は可能でしたが、仙骨部には動作時痛および違和感がみられました。感覚鈍麻や痺れなどの明らかな神経症状はみられませんでした。
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