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#274【ゲスト/編集者】親子でSDGsを楽しく学べる、画期的な本

このnoteは2021年12月1日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。


親子でSDGsを楽しく学べる『EARTHおじさん46億才』

渡部:フォレスト出版チャンネル、パーソナリティの渡部洋平です。今日も昨日に引き続いて、三五館シンシャ代表取締役社長にして、編集者の中野長武さんがゲストに来てくださっています。編集部の森上さんとともにお伝えしてまいります。中野さん、森上さん、今日もよろしくお願いします。
 
中野・森上:よろしくお願いします。
 
渡部:はい。前回の2021年の12月に出ていただいたときと同様に、ギリギリトークと言いますか、本当に面白くて、かつ過激なお話を昨日も中野さんにはしていただいています。ぜひ、昨日の放送もチェックしてほしいなあと思います。昨日は三五館シンシャさんの大ヒットシリーズ、職業別日記シリーズということで、その最新刊であります、『タクシードライバーぐるぐる日記』について詳しく語っていただいております。ぜひ、聞いてみてください。
さて、今日は日記シリーズ以外ということで、三五館シンシャさんのイチ押し書籍についてお話しいただきたいと思います。それでは、よろしくお願いします。
 
森上:よろしくお願いします。中野さんイチ押しのご本ということで、1冊持ってきていただいたのが『EARTHおじさん46億才』、藤原ひろのぶさん&ほうさんが著者ということで、お2人の共著で。

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中野:そうです。
 
森上:これは、『EARTHおじさん46億才』というタイトルで、正直、何の本なのか、よくわからないのですが(笑)。
 
中野:そうですよね。
 
森上:これはどんな本ですか?
 
中野:これは元々、『買いものは投票なんだ』という絵本、これもフォレスト出版に発売をやってもらった本があります。

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これはどういう本かっていうと、時期的にももうそろそろ、今週末(2021年11月収録当時)に、衆議院選挙ですけれども、政治的な投票、一票を皆さんは投票すると思うんですが、この投票っていうのは政治的な意味合いの投票と、それから我々が日々やっている買い物、「コンビニで何買おうかな」とか、「これ買おうか」「この店で買おうか」「買うのやめようか」って、これも投票なんじゃないかと言っているのが、『買いものは投票なんだ』っていう本なんですね。これ、絵本で出しまして、じわじわじわじわと売れて、この本の中の主役が、「EARTHおじさん」というキャラクターなんです。
これ、何かって言うと、我々が住んでいる地球ですね。これがおじさんの形で、この世にやってきた。で、この人が子どもとの対話の中で、環境の大切さですとか、そういったことを教えているという趣旨の本が『買いものは投票なんだ』だったんです。で、これをさらに発展させまして、この「EARTHおじさん」というキャラクターが命のことですとか、時間とはどういうことなんだですとか、お金とはなんだとかっていうようなことを、考えるということをテーマにしてつくったのがこの『EARTHおじさん46億才』という本になります。
 
森上:これは絵本ですかね?
 
中野:そうですね。コマの漫画みたいなものですね。全部で、12コマ漫画みたいなもので、見開きで、1つのお話。12コマで1つのお話が展開していくということになっていますね。
 
森上:なるほど。今、世界的なところで、SDGs、その辺りの話と直結するようなものであるということですね? 『買いものは投票なんだ』もそうですし、今回ご紹介いただく『EARTHおじさん46億才』も。
 
中野:そうです。
 
森上:まさに時代に即したと言うか。
 
中野:はい。例えば、「EARTHおじさん」がどうもお腹を下していると。下痢をしてしまっていると。これは何かと言うと、水質汚染で地球に、「EARTHおじさん」によくない影響が出ているとか、抜け毛がずいぶんひどい。これは、森林伐採をされてしまっているとか、難しいと言うか、ちょっと複雑でややこしそうな問題を、「EARTHおじさん」というキャラクターにたとえながら、「今、EARTHおじさんにはこういうことが起っちゃっているんだよ」と。「その原因は何なのかな? みんなで考えてみようよ」っていう。どうしても環境問題だとか、そういう話って説教くさくなっちゃうんですけど、それをもうちょっと優しく、わかりやすく、面白く見せていけないかなというふうに考えて、12コマ漫画の形式にして紹介しているということなんです。
 
森上:なるほど。じゃあ、これは親子で楽しめる本というイメージと言うか、読者層がもう見えている感じですね。
 
中野:はい。ですから、私の家に子どもが2人いまして、上の子供が小学校5年で、下の子どもが小学校2年なんですよ。一応、この本の見本ができたときに、「これ、見てみてくれ」と言いましたら、小学校2年の子は一瞥してポイっと投げ捨てましたね。
 
森上・渡部:(笑)。
 
中野:とにかく小学校2年は読めないということなので。
 
森上:(笑)。
 
中野:小学校5年は、普通にすらすら全部読んでくれて、よくわかるし、面白いということだったので。ですから、小学校2年は読めないということだけは、はっきりしました。
 
森上:(笑)。そういう意味では高学年向けという感じですかね。
 
中野:そうですね。小学校4年生以上はたぶん、普通に読んで、まあ、面白い、面白くないというのは、それぞれの判断になると思うんですけど、読んでもらって全然問題ないと思いますし、それから絵本という体裁をとってはいるんですけど、やっぱり大人ですね。買い物するのって、やっぱり大人なので、大人の人たちに読んでもらおうという意識ではつくっていますね。
 
森上:なるほどね。いわゆる投票、投資と言うか、どこにお金を使うかっていうところが、すべて最終的には環境問題にもつながってくるよと。
 
中野:そうですね。
 
森上:そういう考え方が身につくという感じですかね。
 
中野:ええ。だから、考え直してもらおうよってことなんですよ。何気なく買っているじゃないですか。何がいいとか、何が悪いということではないと思うんですけど、例えば、「この洗剤の方がいいのか、それともこの洗剤の方がいいのか」。それは食べ物もそうなんですけど、「〇〇で買う、こういう商品がいいのか、地元の店で買う、こういう商品がいいのか」。だから、それを「こういう商品がよくて、こういうのはダメなんだよ」っていうような言い方じゃなくて、「ちょっと考えてみませんか」と。「どっちがいいのかを考えてみませんか」って。それであなたが買うってことは、そのお店なり企業なりを応援する、そこに投票する意味合いもあるので、そのときにちょっと立ち止まって考えて、「本当にこっちでいいのかな」「こっちのほうがいいのかな」って、考えるきっかけになるような本になればいいなと思いますね。
 
森上:なるほどね。考えの押しつけとかではなくて、考える機会を与えるきっかけになるような本っていう。
 
中野:そうですね。

自由すぎる著者とともに挑戦する、書店以外での本の届け方

森上:なるほど。これ、著者さんもかなり面白い方っていうのはチラッと耳に挟んだんですが。
 
中野:そうなんです。この人はいわゆる発展途上国、ギニアですとか、バングラデシュですとか、そういったところで事業をやりながら、地元に還流と言うか。例えば、ギニアでは製氷工場っていう氷、電気が行き渡らないので、冷蔵庫なんかは氷を買って、食物を冷やして保存するっていうことをやったりしているんですけど、そのためには氷が必要なので、製氷工場をつくったりですとか、もっと直接的に言うと、バングラデシュで、食料が食べられない子ども達がいると。その子どもたちに食糧支援をしようというようなことをやったり、ずっとそういう活動をしている人なんですよ。で、そう言うと、偉い人と言うか、聖人君子みたいな人だというようなイメージになるんですけど、別に全然そういうわけでもなくてですね。
 
森上:そうなんですか?(笑)
 
中野:とにかく締め切りは守りませんし。
 
森上・渡部:(笑)。
 
中野:打ち合わせには30~40分平気で遅刻をしてきますし、約束も守らないし、支払いも遅いし。
 
森上:(笑)。
 
中野:とにかくそういう人だということは、言っておきたいなと思いますね。
 
森上:いや、それはそれで(笑)。でも、人間っぽくていいですね。
 
中野:そうですね。いいも悪いも含めて、人間じゃないですか。ですから、聖人君子、いいところばっかりの人はいないので。
 
森上:そうですね。
 
中野:もう支払いが悪くても、支払いが遅くても、とにかく本を買ってくれたら私はうれしいので。
 
森上:なるほどね。
 
中野:ありがたいなと思っています。
 
森上:そういう意味では、本を著者さんが買ってくださるっていうことは、やっぱりいいかたちで著者さんが広めようと、一生懸命にいろいろと、ワークショップとか。
 
中野:そうなんですよ。講演会で日本全国をずっと回って、例えばバングラデシュ現地の話と、我々の買い物、そういう行動がつながってるんだよって話をしてるんですけど、ずっと1年間、365日中320日ぐらい講演をしているような状態で、日本全国ぐるぐるぐるぐる回っていて、講演の規模としては30~50人なんですけど、そこで本を売ってくれているので、前の『買いものは投票なんだ』もそうですし、今回ご紹介している『EARTHおじさん46億才』もそうですし、その本がじわじわと世の中に広がっていってくれているので、そういう意味では、本の売り方として、昨日話をしました、日記シリーズなんかは、書店にバンと置いて、広告をバンと打って、書店のほうでワーッと売れていくっていう、売り方なんですけど、今ご紹介している『EARTHおじさん46億才』なんかは、じわじわじわじわ著者が広げてくれているというようなことで、やっぱり本には本の売り方、いろんな売り方があるなという、実感として改めて感じていますね。
 
森上:なるほど。すごくいい、長い付き合いになりそうですね。
 
中野:そうですね。
 
森上:これは1作目から2作目まで結構時間は空いたんですか?
 
中野:1年ぐらい空いていますね。前の本がある程度売れたし、反応がすごくよかったんですよ。そうすると、編集者のサガとして、どうしても続編をつくりたいって話になりまして、それは割と早い段階で言ったんですよ。「続編つくりましょう」と。でも、さっき言った通り、もう締め切りも守らないし。
 
森上:(笑)。
 
中野:「叩き台をこの日までにつくる」とかって言っても、何の音沙汰もないまま、ずるずる時間ばっかり過ぎていったりとか。
 
森上:(笑)。
 
中野:そういうことの繰り返しでね。やっぱりどんどんずれていきまして。
 
森上:なるほど(笑)。
 
中野:それで、見本日を決めちゃったら、もうフォレスト出版に報告しなきゃいけないので、 それはもうずらせないぞっていうタイミングで、とにかく最後は無理やりつくり上げましたね。
 
森上:そうでしたか(笑)。
 
中野:そしたらね、もう15箇所、誤植が見つかりました。
 
森上:(笑)。
 
中野:これはもう本当に恥ずかしい話で、「EARTHおじさん」っていう、キャラクターなんですけど、皆さん、どこかで検索していただくと、「EARTHおじさん」が出てくると思うんですけど、髭のない「EARTHおじさん」が6人ぐらいいまして、髭を描き忘れていて、それを見逃してですね。
 
森上:そういうことね。
 
中野:はい。初版を見ていただくと、折々に髭がない「EARTHおじさん」がいたりとか、耳がない「EARTHおじさん」がいたりとか、そういうものがぽろぽろぽろぽろ出てきますので。
 
森上:そうですか(笑)。そういう意味では、初版本と重版後で違う本になっている可能性があると。
 
中野:違う本になってます。
 
森上:(笑)。
 
渡部:これは、(初版本に)いい値がつきますね。
 
中野:ええ。初版を持っている人は大切にしていただければなと。
 
森上:そうですね。価値が上がってくるかもしれない。
 
中野:ええ。

社会問題に貢献する販促物「トイレットペーパー」と、まだまだ続く闘い!?

森上:僕が面白いなと思ったのが、1作目のときだったのかな? うちの社員、全員にプレゼントをいただいたんです。「EARTHおじさん」のキャラクターがついた、トイレットペーパーを。あれはどういうことだったんですか?
 
中野:あれは、新潟のNPO法人で、障害者の人を雇用して、環境に優しい無漂白っていう、溶けてそのまま流れても環境負荷がすごく少ない、トイレットペーパーをつくっているんですよ。でも、ちょっと割高なんですよ。残念と言うか。どうしてもそういう工程でつくったりするもんですから、市販されているトイレットペーパーよりも、ちょっとだけ割高なんですけども、それが売れていくと、障害者の人たちの雇用が増えていくっていう事業なんですよ。なので、それって環境の問題とか、社会の問題とかとつながっているので、本をつくるタイミングで、うちの方で大量に購入して、皆さんに配ったりですとか、販促品というかたちで、基本的にはお配りしていたんです。
ただ、それも本の趣旨であるところの『買いものは投票なんだ』ということで、「どのトイレットペーパーを使うの?」って言ったときに、ちょっと高くてもこっちのほうが「こういう事業をやっているところでつくっているものなんですよ」っていうことだったら、そっちを選んでもいいんじゃないのみたいなところにもつながっていくんですね。
 
森上:なるほどね。
 
中野:なので、そういうメッセージも含めて、そういう活動も合わせて、やったりしていますね。
 
森上:なるほどね。消耗品である、トイレットペーパーは毎日使いますからね。そういう意味では、かなりの積み重ねっていうことになりますもんね。
 
中野:そうですね。
 
森上:なるほど。いいお話ですね。じゃあ、もしかしたら3作目も……みたいな話になりそうですか?
 
中野:そうです。これも反応がよかったので、この前、その話をして、著者の藤原ひろのぶさんと、ほうさんも、基本的には前向きになっているんですけれども、いつも通りのことで、特に向こうから何の動きもないので。
 
森上:(笑)。
 
中野:ある程度、長い目で、じっくりじっくり時間をかけてつくっていくしかないかなと思っています。
 
森上:いや、楽しみですね。渡部さん、ちょっとお時間が……。もっといろいろとお聞きしたいんですけど……。
 
渡部:そうですね。次回作が出たときには、またゲストに来ていただいて。
 
中野:お願いします。
 
森上:お願いします。
 
渡部:またギリギリトークが聞きたいなと。
 
森上:ギリギリトーク(笑)。
 
渡部:ヒヤヒヤするのは、身内の人間だけかもしれないですけど。
 
森上:(笑)。著者へのこととかね(笑)。
 
中野:毎回、とにかく著者の批判をしていきたいなというふうに思います。
 
森上:(笑)。
 
渡部:編集者VS著者のせめぎ合いがあって、生まれてくるスタイルなんですね。
 
中野:ええ。
 
渡部:ありがとうございます(笑)。今回、お話していただいた、三五館シンシャさんから出ています、イチ押しの書籍『EARTHおじさん46才』。
 
中野:46才じゃないですよ。46億才ですね。私が、45歳なので、「EARTHおじさん」が1才年上だとちょっと困りますので。
 
森上:(笑)。
 
中野:46億才ですので、よろしくお願いします。
 
渡部:失礼しました(笑)。『EARTHおじさん46億才』、チャプターにURLを貼っておきますので、ぜひ、興味がある方はチェックして買ってください。ぜひ、図書館で読むのではなく。
 
中野:そうです!
 
森上:(笑)。
 
渡部:買っていただきたいと思います。
 
中野:聞いている方はぜひ、買ってください。
 
森上:ぜひぜひ、お願いします。
 
中野:図書館で読まないでください。
 
森上・渡部:(笑)
 
渡部:ありがとうございます。では中野さん、最後にリスナーの皆さんにメッセージをいただいて終わろうと思いますので、よろしくお願いします。
 
中野:はい。とにかくやっぱり「買いものは投票」ですから、書店さんで買うということが重要じゃないかと、私は本気で思っているので、ぜひ、うちの本もフォレスト出版の本も書店さんで買うということが重要だと思っていますので、よろしくお願いします。
 
渡部:ありがとうございました。それでは、中野さん2日間にわたりまして、ご出演ありがとうございます。森上さんも、ありがとうございました。
 
中野・森上:ありがとうございました。
 
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
 

 

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