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【フォレスト出版チャンネル#142】人気ソムリエが断言|ワインの価格と味のカラクリ~コスパの高いワインの探し方~

このnoteは2021年6月1日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

ワインの価格の決める3つのコスト

今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。本日は「ワインの価格と味のカラクリ、コスパの高いワインの探し方」ということで、森上さんとお話をしていきます。森上さん、どうぞよろしくお願いします。

森上:よろしくお願いします。

今井:私はワインはあんまり飲まなくて、学生時代はサイゼリアっていうイタリアンレストラン(?)で(笑)、サイゼのワインをよくみんなが大きなボトルで頼んだのをちょっとグラスでいただいて飲んでいたんですけど、自分の中ではあんまりおいしくないかなって……。安いからかなーなんて。298円とかそれぐらいの値段だったんですね。おいしいワインっていうのも、高いとか安いとか、赤とか白とか、辛口とか甘口とか、いっぱいあって最終的によくわからないみたいな。高いワインはきっと私にはわからないだけで、これがきっと世間でいうおいしいワインなのだろうみたいに思い込んで飲んだりしていたんですけど、実際問題、価格と味って、比例してるんですかね?

森上:これ、うちの本で『男のためのハズさないワイン術』という、竹内香奈子さんという女性のソムリエさんに書いていただいた本がありまして、そこに書いてあるのですが、ワイン価格の決まり方っていくつかあるらしいんですね。それで1つ共通するのは、「経済的コスト」「時間的コスト」「精神的コスト」

今井:精神的コスト!?

森上:そう。これがワインの価格と深く関わっているらしいんですよ。例えば、1本のぶどうの木があるじゃないですか。そこから、どれぐらいのぶどうを収穫するかで、やっぱり価格帯が変わってくるらしいんですよね。高品質のぶどうをつくるには選定とかやりますよね。

今井:間引きと言うか。

森上:そうそう。ぶどうの数をどんどん減らしていかないと、選択と集中じゃないけど。

今井:栄養がいきわたらない。

森上:そうそう。それで、高級ワインになると通常の1割ぐらいまで落としちゃう。

今井:え! じゃあ、10分の9は落としちゃうってことですか?

森上:そういうことです。

今井:はー!

森上:だから、ボトル10本分のワインをつくろうと思えばつくれるんだけど、それが1本になっちゃう。

今井:そりゃ、価格的には10倍になりますよね。

森上:そうなんです。今の3つのコストで言うと、単純に経済的コストっていう部分がまずありますよね。醸造方法もいろいろあって、新しい樽を使うのか、中古の樽を使うのか、もしくは、樽を使わずにステンレスタンクで熟成するのか、それによってまた変わってくるんですよね。

今井:なるほど。

森上:さらに、「エチケット」っていう、いわゆる「ラベル」あるじゃないですか。あと、コルク。その品質とかデザインとかでも当然やっぱり。

今井:パッケージ代が。

森上:そうなんです、そうなんです。そういうのも当然かかってくるよねっていうことで。だから、消費者には見えにくいワインづくりならではのコストがあるっていう感じなんですよね。

今井:ぶどうの木まで想いを馳せたら「なるほど!」って思うんですけど、目の前にボトルがある状態だと、なかなかぶどうの木まで想いを馳せたり、樽まで思いを馳せたりすることができないので、なるほどって思いました。

森上:そうですよね。さっきの樽の話なんて典型だと思うんですけど、それによって香りとか味とかって変わってくるので。それで差が出るのはわかるなって感じがしますよね。

ワインの価格とおいしさは比例するのか?

今井:ところで、ワインの価格とおいしさって関係あるんでしょうか?

森上:そうですよね(笑)。僕も高ければいいのかなって思うんですけど、もちろん好みってあるじゃないですか。逆に、「これはおいしい」と思うものが安いこともあるので、一概に言えないんだろうなって、なんとなく思ったんですけど、この本を書いてくださった竹内さんは「ワインの価格は必ずしもおいしさとは比例しない」って断言しているんですよ。

今井:うーん。100万円のワインが100万円の味がするとは限らないということですね。

森上:そうそうそう(笑)。そういうことなんですよ。あと、産地っていうのは、相当影響するらしいんですよ。

今井:そうなんですね。ブルゴーニュとかなんか。

森上:そうです、そうです。フランスですよね。

今井:シャンパーニュとか。いろいろな地名がついているのは、そのせいだったんですね。

森上:そうなんですよ。やっぱり定番の「旧世界」と言われる土地、例えばフランスとかイタリアとかスペインとか、そういった旧世界というエリアでつくられるワインは比較的高いんですよ。人件費も高い。そういった土地の価格とか人件費とかが上がっちゃっているので、そこが当然のワインの値段になってくる。

今井:なるほど。でも、土地代とか人件費自体はワインの味とは関係ないですもんね。

森上:そうなんです。それで、これはワインをご存じの方ならよく知ってると思うんですけど、チリとか南アフリカとか、そういったところの「ニューワールド(新世界)」と言われる土地でつくられたワインは、同じ苗で同じぶどうだとしてもやっぱり値段が安く飲めるんですよ。だから、いいモノを安く飲みたいなら、ニューワールドのワインを選ぶといいと、(竹内さんは)言っています。

今井:勉強になります! 変なたとえで申し訳ないんですけど、牛肉みたいですね。松坂牛って言うと、「ブランド牛だからお高い!」みたいな感じなんですけど、意外と松坂の近くの滋賀とかでとれる牛さんも同じおいしいお水を飲んで育ってるから、ブランド力はないけど、めっちゃおいしいお肉で個人的にコスパがよくて好きっていうのがあるんですけど、それに近いモノを感じました。

森上:近いかもしれない。だから、ブランドっていうところも相当大きいですよね。あと、酒造ごとの手間暇とかで、また差が出てくるといった感じ。だから、仮に同じ品質ならフランス産ワインよりもチリ産ワインのほうが安い。同じ品質のモノでもね。

今井:そしたら、チリ産ワインのほうが。

森上:そうなんです。まさにそのとおり。だから、基本コストっていうのは、ワインによって違ってくるんですけど、そういった産地だったり、人件費でだいぶ変わるので、安くておいしいワインを飲みたかったら、ニューワールドのワインがいいと言っていますね。

今井:ニューワールド、要チェックですね!

20万円のワインと数百万円のワインは、何が違う?

森上:そうですね。あと、もう1つ言えるのが1万円~2万円のワインは、どれも上質な香りが違うって言ってるんですよ、竹内さんは。そして、2000円のモノが5000円のモノよりも優れている場合があるんですって。

今井:めっちゃコスパがいいですね。むしろ2000円のほうがおいしいわけですもんね。

森上:そうなんです。でも、自分にとっておいしい、おいしくないっていうこともあるからワインの楽しみ方って、自分の好みってどんなものかなって、そこからスタートするといいよって、この本の中で書かれています。

今井:確かに。最近、私はコーヒーにハマってるんですけど、コーヒーも高級な豆ならいいというわけではなくて、苦味が好きな人がいたり、酸味が好きな人もいたりして、自分はどれが好きかっていうところから豆選びをするっていうので、豆から選ぶのではなくて、「自分の好みは何か」って自分に聞いていくところからスタートするっていうのがあったんですよね。

森上:それはまさに、(ワインも)同じだと思います。ワインも全く一緒で、自分の好みはまず何か、それによって選ぶワインもだんだんわかってくるじゃないですか、そしたらコスパのいいワインがどんなモノなのかっていうのも、だんだん見えてきますよね。そういう感じらしいです。

今井:勉強になります。今、5000円のワインより2000円のワインのほうがおいしいモノがあるなんていう話があったんですけれども、私はたぶん一生飲むことはないかなと思うんですけれども、数十万円とか、数百万円みたいな高額のワインというのはいかがでしょうか。

森上:僕もすごく気になったので、この本を書いてもらうときも、その話を中に入れてもらったんです。竹内さんによると、20万円ぐらいのワインは、ワインづくりにかかるコストとかの差がいろいろと出てくるらしいんですけど、それ以上になってきちゃうと、コスト以外の要因が価格を決めてくる。だから、わかりやすいところで言うと、これは需要と供給の関係ですけど、市場にあまり本数が出回ってないのって、やっぱり高くなりますよね。

今井:あとよく聞くのが、何年モノの何とかのワインみたいな。この1900何年みたいな数字がついてると「よくわかんないけど、すごそう!」みたいな。

森上:僕もすごく詳しいわけじゃないんですけど、話を聞いたところによると、その年のワインの出来が良かったとか、悪かったとかっていうのがあるみたいですね。「おいしい」と言われている年のワインは当然高くなる。でも、おいしいか、おいしくないかは個人の好みですからね(笑)。
あとは、著名な評論家が高い評価を与えるっていう、この世界になってくると本当にわからないですけど。そうすると、すごく高くなったりとかっていうことになってきますね。そういう意味で言うと、「何百万円という価格の割には……」なんていうことも起こってくるんじゃないですかね。僕も一生飲むことはないでしょうけど(笑)。でも、誰かに「飲んでみな」なんて言われたら、その場の雰囲気で、「おいしい」なんて言っちゃうかもしれないけど。

今井:本もちょっと似てますよね。昔はそんなに売れなくて、そんなに刷ってなかったけど、絶版になってせどりの人たちが買って、後日、著名な人が「この本は、めちゃくちゃよかった」とか言うと、価格が10万円とか。「えー!」みたいな値段になってたりとか。

森上:ありますよねー。いきなりアマゾンさんですごい額になってたりとか。

今井:そうなんです。「えっ! えっ! なんか目がおかしくなっちゃったかな。桁がちょっと多いぞ」みたいな。

森上:ありますよね。たぶんそれに近いんじゃないかな。

今井:でも、本の場合は、また電子書籍化されると価格が平常に戻ったりなんてこともあったりはするんですけどもね。

森上:そうですよね。でも、その本の初版本なんていうのはね。

今井:そうですよね。初版本コレクターがいらっしゃいますからね。

森上:そうですよね。そこの価値っていうのは、また別のところにある。それは、ワインも本も一緒なんですよね。

【1000円台もしくは1000円以下限定】コスパの高いワインを見つける方法

今井:では、いよいよ本題の「コスパの高いワインを見つける方法」についてお話していきたいと思うんですけれども、今はコロナ禍などで家飲みが増えていると思うんですけども、「コスパの高いワインを見つける方法」は、ずばりどんな方法がありますか?

森上:そうですよね。一番知りたいですよね。僕もこの本をつくっているときに、竹内さんに一番聞きたかったことなんですけども、さっき言ったとおり、「5000円のよりも2000円のほうがおいしいモノもあるよ」と。でも、2000円っていうのも、毎日とかだと結構コストがかかるなあと思って。

今井:毎日はちょっと。

森上:きついですよね。

今井:やっぱり1000円とか。

森上:ですよね。だから、「1000円台とか1000円以下で、何かないですか?」と聞いてみたら、いくつか見つけるポイントを竹内さんが挙げてくださったので。

今井:あるんですね!

森上:そうなんです。ポイントがいくつかあるんですけど、まず1つ目が、「ニューワールドのワインを選ぶ」。
先ほどちらっとお話しましたけど、チリ、アルゼンチン、南アフリカ、オーストラリア、このニューワールドワインを選んでくださいっていうことで、ワインづくりにコストがあまりかかっていないので、いい感じらしいですね。あと、ニューワールドのほうは日照時間が長いため、結構濃厚な果実味になるので、酸とか渋みが少なくて飲みやすいワインが多いようです。

今井:ジュースみたいな感じですかね。

森上:そうですね。イメージとしてはね。なので、特に初心者の人にお勧めですって言ってましたけど。

今井:チリ、アルゼンチン、南アフリカ、オーストラリアは要チェックですね。

森上:そうですね。そして、ポイント2つ目が、1000円台、1000円以内で買わないほうがいいワインっていうもの言ってくださっています。それはさっきの逆で、「フランス、イタリア、ドイツなどの有名産地のワインの1000円台、1000円以内は買わないほうがいい」って言っています。特にフランスでは、ボルドー、ブルゴーニュ、シャブリ、イタリアではキャンディ、この辺りって最高品質をつくる産地なので、あまり安い価格のモノだと、やっぱりクオリティが下がってしまうらしいんですよ。

今井:なるほど、なるほど。

森上:どうしてもそこは我慢して、ニューワールドを選んだほうがいいと。

今井:もしどうしても旧世界のモノが飲みたいっていうときはどうしたらいいですか?

森上:そうですね(笑)。それでもって言う、欲張りな人は南仏シチリア、スペイン、ポルトガルっていうのが、多少コスパのいいワインに当たる確率があるよって言っています。

今井:ありがとうございます。

森上:では、3つ目のポイントですね。「白ワインなら、若いビンテージモノが狙い目」って言っています。

今井:若いビンテージモノ?

森上:そうなんですよ。2000円以下のコスパのいいワインは熟成向きにはつくっていないので、お店に並んでいるときにはもう飲み頃。

今井:寝かせないよって感じなんですね。

森上:そうなんです。だから、できるだけ新しいワイン選んだほうがいいって言っています。

今井:むしろ、古いモノではなく新しいモノ。

森上:そうそう。だから、もっとも新しい年のヴィンテージを探すのがポイントだと言っています。では、4つ目ですが、初心者やあんまりお酒が得意じゃない方にスパークリングワインね。これを選ぶなら「CAVA(カバ)」っていうスペインのスパークリングワインがあって、2000円以下で買えるので、「スパークリングワインを選ぶならCAVAを選ぶ」。これはおいしいですよって言っています。

今井:はい。ということで、ニューワールドを選んで、なるべく若い年齢のモノ、スパークリングワインなら「CAVA(カバ)」ということですね。

森上:そうですね。さっき言った若いモノは、特に白ワインです。

今井:赤ワインは?

森上:そこは僕も聞いてないんですけど……。白ワインについては若いモノがいいよと言っています。

本を買った人だけが入手できるお得情報とは?

今井:なるほど。白なら若いモノということで。ぜひ皆さんもコスパのいいワインを探してみてください。
ということで、ここまで『男のためのハズさないワイン術』という本を基に「コスパのいいワインの探し方」についてお話をしてきたんですけども、森上さんはいかがでしたでしょうか?

読者特典として「竹内さんが厳選した1000円以下のコスパがいいワインリスト」を
無料DLできます。

森上:そうですね。この本自体は「男のための~」ってなっているんですけども、男に限らず女性にも参考になるワインの基礎知識がいっぱい書いてあるので、実際に本を買ってくださっている方も結構女性の方が多かったんですよ。本の内容的には ワインの超基礎知識から接待や商談がうまくいくワイン術、デートで使えるワイン術、家飲みワイン術の4章立てになっているので、デートの章はどちらかと言うと女性に「センスがいいね」って言われるワイン術を伝えちゃっているので、男性目線にはなっているんですけど、1章、2章、4章は女性でも参考になる内容になっていると思います。あと、今回この本の最後のページでは竹内さんが厳選した1000円以下のコスパがいいワインリストっていうのも読者特典で入手できたりするので。

今井:これは必見ですね!

森上:そうですね。これは本当に超お得な情報だと思いますので、本を買った方は無料ダウロードできるようになっていますので、ぜひそのあたりもチェックしていただけたらうれしいです。

今井:スーパーに行く前に、本買ってダウンロードしなきゃですね。

森上:そうですね(笑)。そのほうが結果的にコスパのいいワインが選べるんじゃないかなって思いますね。

今井:「気合を入れて1万円のワイン買っちゃった」とか言っても、ニューワールドじゃなかったら、ちょっと失敗しちゃうこともあったりするわけですもんね。

森上:まさにそのとおりですね。この本は900円(+税)なので、ワインより安いと思います。

今井:この本自体が、コスパがいいと(笑)。

森上:そうとも言えるかもしれないです。

今井:おあとがよろしいようで、ということで、今日はワインのお話をさせていただきました。森上さん、どうもありがとうございました。

森上:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)


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