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【まえがき&目次_全文公開】あの伝説の経営者なら、この時代をどう対処するか?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

こちらのnoteで数回にわたってお伝えしてきた、日本マクドナルド創業者にして、伝説の経営者・藤田田(ふじた・でん)のビジネス哲学。

その哲学から導き出された思考法や実践法は、孫正義さん藤田晋さん中田敦彦さんなど、今もなお多くの経営者や成功者を魅了しています。

その思考法や実践法を、18年にわたって藤田田の部下として、ブレーンとして体得してきた人物がジーン・中園さんです。

そんなジーン・中園さんが藤田さんから直接体得してきた、どんな時代が変わろうとも変わらない、ビジネスパーソンが絶対に知っておきたい不変のルール58本をまとめた新刊『藤田田から教わったお金と時間の不変のルール』が、いよいよ今週9月10日に発売となります。

今回は、本書発売に先立ち、発売前の本書「はじめに」(まえがき)と「目次」を全文公開します。


はじめに

 1971年新宿駅東口に新宿二幸というデパートがあった。今のスタジオアルタの場所である。その年、私はオーダーメードの自転車をアメリカに持ち込んで、サンフランシスコからニューヨークまでの実走8000キロに及ぶ大陸横断の旅を無事終えて日本に帰国したところだった。商船三井の客船ぶらじる丸で横浜に到着した。
 私は、8か月のブランクを埋めようと東京に出てみることにした。そこで新宿に繰り出したところだった。そのとき、突如目にはいってきた看板に「あっ!」と思わず声を出してしまった。
 それがマクドナルドの黄色のMマークだったのである、
 マクドナルド社では、それを「ゴールデンアーチ」と呼ぶ。ゴールデンとは金色、アーチとは弓なりになった曲線で、今ではコカ・コーラの商標と匹敵するほど世界各国で認知度の高いロゴである。それが日本に出現して、百貨店の壁に高々と掲げられていたのだ。その看板の下では、数多くの顧客が長蛇の列をなしていた。
 私が米国でペダルをこいでいたとき、このゴールデンアーチは、米国各地で遠くからでも認知されるように掲げられていた。だから時おり、道路からでも目にすることがあった。
 今日では信じることができないのだが、当時の日本ではハンバーガーという食べものは、国民の誰も知らない代物だった。だから私も当然、肉を挟んだパン、つまりハンバーガーを初めて米国で食べることを体験することになった、夜になると、このゴールデンアーチの中に設置された蛍光灯電球が真っ暗闇の中に点灯され、本当に輝くゴールデンに見えたのも思い返してみると懐かしい。
 1年間の休学から大学4年生に復帰して、当たり前のように就職活動が開始された。紆余曲折はあったものの、結局、私は夜の誘蛾灯に集まる昆虫のようにゴールデンアーチに吸い込まれてしまうことになったのだ。翌年4月、日本マクドナルド社に入社したその日の朝刊には、デカデカとこの新しいハンバーガーの会社が新卒大学生を50人以上も採用することが発表されてセンセーションを巻き起こしていた。
 たかが食べもの屋ごときに大学卒を採用する?
 社長の藤田田氏は一躍マスコミ界における寵児となり、いわば売上ゼロから「1千億円を売り上げて外食産業を自ら創り上げるのだ」と高らかに謳い上げたのだった。そのためには、大卒者が必要だというのが氏の理論だった。つまり、私は大学新卒大量採用第1号のその50数名の中のひとりとなった。

 新入社員教育が、代々木の青少年トレーニングセンターで実施され、1週間の新入社員研修が終了した。最後の日の夜には、新入社員の研修をねぎらうためと、新たな50数名のニューフェイスを歓迎するため、新入社員歓迎パーティが開催された。
 会合の最後にちょっとした隙間時間ができた、そこで私は新入社員全員を壇上に集めた。これは事前の打ち合わせもなく、まったくのアドリブ。私は、新入社員全員がこのパーティに招かれた謝意を表現するため、ある歌を歌うことを思いついた。童謡のでんでん虫の歌である。私が全員の前で指揮棒を振った。
「でんでんむしむし、かたつむり、おまえのあたまはどこにある、つのだせ、やりだせ、あたまだせ!」
 ここには、社長である藤田田氏の名前である田(でん)とでんでんむしの「でん」をかけたのである。
 藤田田氏は、ステージの最前列の中央に座っていた。意気盛んな学卒の若者が社長を応援する即興の合唱にニコニコと笑顔満面でステージを見ていたのである。その後、私は藤田田氏にたびたび直接声を掛けられることが多くなった。

 結局18年間、私は藤田田氏に仕えることになった。
 在職中には、店舗以外にもさまざまな役職を与えられ、日本はもとより世界各国を自由に飛び回る役職にも就くことになった。当時、まだ「メンター」という言葉すらない時代であったが、今から思い起こしてみると、私は藤田田氏を自分のメンターとしてロールモデルを眼前に所持していたことになる。だから、私は藤田田氏の言動や立ち振る舞いなどを自分の目の中に焼き付けて、いろいろなことを氏から学ぼうとしていた。
 最終的には豪州への移住を決定して、藤田田氏にその旨を伝達しに行ったときに、「海外では旧職場の社長の推薦状が大きな役割を果たす」と言って、直筆サイン入りの書状を郵送してくれる肝の太いところをみせてくれた。シドニーに居住するようになってからは、毎年のクリスマスカード以外にも、直接食事をする機会をたびたび与えてくれる、よきメンターであった。
 藤田田氏から学んだことは、数え切れない。私の行動基準になっているのは何だろうか。そんな問いを熟考してみると、やはりメンターから教授されたことであることは明らかであった。今まだ記憶にあるうち、それらを再度思い起こして筆をとってみることにした。
 藤田田氏の考えや行動、決断。藤田田氏ならどう対処するだろうかと考えてみるだけでも価値あることだと思えるのだ。
 あなたが本書から藤田田氏の思考法や実践法を学ぶことは、生きる上で大きな財産となり、また正しい指針を与えてくれるものと大いに期待する。

【目次】

第1章 成功の法則

◎法則1 78対22の法則を活用せよ
◎法則2 「すでに成功者」を自覚せよ
◎法則3 すべては1からスタートする
◎法則4 視覚化せよ
◎法則5 大ボラが現実を創る
◎法則6 ツキは能力にまさる

第2章 時間の法則

◎法則7 「朝令朝改」が成功を加速させる
◎法則8 目覚ましは90分間単位で鳴らせ
◎法則9 制限時間でゲームが行われている
◎法則10 時間は生産的に使え
◎法則11 1分間は6時間に匹敵する
◎法則12 会議は中途半端な時間で始めよ
◎法則13 選択と集中が時間を生む
◎法則14 自分でシナリオを書いて実演せよ
◎法則15 時間販売業・節約業たれ

第3章 お金の法則

◎法則16 カラスは白いを証明せよ
◎法則17 お金持ちに尋ねてみよ
◎法則18 容器を大きくしろ
◎法則19 お金持ち宣言をせよ
◎法則20 お金持ちの友人をつくれ
◎法則21 数字を友人とせよ
◎法則22 お金の喜ぶパーティを開け
◎法則23 先に出すことを考えよ
◎法則24 水回りをきれいにせよ
◎法則25 日本一の給与を払え
◎法則26 お金は方程式にあてはめろ
◎法則27 お金は数字の羅列と看過せよ
◎法則28 「お金ノート」をつくれ
◎法則29 お金が好きならお金を集めろ
◎法則30 ギャンブルからは遠ざかれ
◎法則31 タネ銭を育てろ
◎法則32 財産3分法を学べ
◎法則33 財布でお金をおもてなしせよ
◎法則34 性悪説で対処せよ

第4章 人間力の法則

◎法則35 沈黙は金を知っておけ
◎法則36 明日から今日を行動せよ
◎法則37 病気にはとことん付き合え
◎法則38 甘さと辛さを使い分けよ
◎法則39 悪口はブーメランだと知れ
◎法則40 思いやりの言葉はタダである
◎法則41 3Sの罠にかかるな
◎法則42 他人の行動は自分の鏡である
◎法則43 断り方にも頭を使え
◎法則44 特技を磨いておけ
◎法則45 手柄は部下のものとせよ

第5章 ピンチとチャンスの法則

◎法則46 従業員を生かす方法を考えよ
◎法則47 万事塞翁が馬と知るべし
◎法則48 前進の先に成功ありと心得よ
◎法則49 転職人生を考えておけ
◎法則50 老いを追い出す方法を考え出せ
◎法則51 ポジティブがポジティブを生む
◎法則52 モノはすでに世の中にある
◎法則53 メモは偉大な力を発揮する
◎法則54 人は歴史によって創られる
◎法則55 逆転して発想せよ
◎法則56 目利きになるまで没頭せよ
◎法則57 遊びも一流を目指せ
◎法則58 義理と人情を理解せよ

いかがでしたか?

『藤田田から教わったお金と時間の不変のルール』(ジーン・中園・著)では、全58のルールを元ブレーンだからこそ書けるエピソードを交えながら、わかりやすく解説しています。

コロナ禍をきっかけに、どの業界もパラダイムシフトが求められています。この激動の時代、藤田田さんならどう対処するだろうか?

そんなことを考えながら読んでみると、困難を突破するヒントが見いだせると思います。

「知っていること」とバカにする人ほど、わかっていない(行動していない)――。

そんな藤田田さんの声が思わず聞こえてきそうな、珠玉のルールが詰まった1冊となりました。ご興味のある方はチェックしてみてください。

パネル

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