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「D2C×サブスク通販」ビジネスの落とし穴

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

このnoteでも複数回にわたってお伝えしてきた【サブスク×D2C×単品リピート通販】。

◎社員1人・商品1つで、年商10億円。
◎利益率80%以上。
◎徹底したリスク管理。
◎中長期的に安定した収益が上がる。

上記のようなメリットがある新しいビジネスモデルであり、今後もさらに市場拡大が見込まれることは間違いありません。

ただ、どんなビジネスでも始める前に知っておいたほうがいいことがあります。事前に知っておけば、事前にリスク回避ができますし、たとえ何かあったときでもあらかじめ知っておけば正しい対処ができるものです。

【サブスク×D2C×単品リピート通販】を体系化し、自身はもとより、コンサルを受けた中小零細企業、個人事業主が軒並み結果を出している、サブスクD2C界の第一人者・新井亨さんは、新刊『「サブスクD2C」のすごい売り方』の中で、「D2C×サブスク通販」ビジネスの落とし穴について詳しく解説しています。今回は、同書の中から、その該当箇所を一部抜粋・編集してご紹介します。

【サブスク×D2C×単品リピート通販】ビジネスのイニシャルコストは、どれくらい?

 本書で紹介している【サブスク×D2C×単品リピート通販】のビジネスにおいて、イニシャルコストはどの程度の額を考えておけばいいのでしょうか?
 結論から言うと、販売開始までの初期投資としては300~400万円の資金は必要だと思っておいたほうがいいでしょう。
 もちろん、大きな投資が必要ないのがこのビジネスのメリットなのですが、無理をして過度に少額で始めようとすると、「元を取ろう」という小さな感覚になってしまい、ビジネスの成功確率が落ちてしまうことが少なくありません。
 ハイリターンが望めるビジネスではあるものの、「少ないお金で一発当ててやろう!」というようなギャンブル感覚で始めるものではありません。ある程度のイニシャルコストを準備しなければ、勝てる勝負も勝てなくなってしまいます。
 イニシャルコストとしては、OEM企業と連携して行なう商品の設計・開発費および、LPの制作費が必要です。さらに、初期の広告費の資金は不可欠です。こうした資金を鑑みて、先述した程度の初期投資はやはり必要であると考えたほうがいいでしょう。
 逆に言えば、それらの要素を備えるだけで、あなた自身はマーケティングの素人でも構わないのがこのビジネスの特性です。良いアウトソーシング先とパートナーシップを組むことで軌道に乗せることができるのが、単品リピート通販です。

コスト回収の期間はどれくらい?

 企業が倒産する形にはさまざまなものがありますが、現在の国内の倒産件数のうち、「黒字倒産」が約50%を占めていると言われます。
 黒字倒産とは、決算書上では利益が出ているものの、銀行への返済の負荷が大きく、キャッシュが不足し、仕入れ先への買掛金や社員の給料が払えなくなって倒産してしまうというケースです。
【サブスク×D2C×単品リピート通販】ビジネスでも、財務戦略をしっかり立て、この「黒字倒産」に注意する必要があります。
 そのためにも大事なのが、ビジネスモデルとしての中身をしっかりと理解することです。
 このビジネスの集客方法は、これまで紹介してきたように、アフィリエイトを中心とした広告がメインです。
 アフィリエイトは成果報酬型広告ですから、商品購入や申し込みがあった場合のみ広告費が発生します。よって、リスティング広告などのように、クリックされただけで費用が発生することはありません。一定の費用対効果を保ちながら運用できるというメリットがあります。
 つまり、商品が売れた分に対して広告費が生じるだけなのですが、ここで注意すべきなのは、多くの場合で初月の売上以上に広告費の支払いが多くなるため、コストの回収までに時間がかかる点です。
 目安としては、成果報酬型の広告費は6カ月目で回収する形となります。
 広告費はあくまでも売れた分に対する成果報酬なのですが、売れれば売れるだけ、用意しなければならない広告費がかさんでいくのが実際のところです。
 そこで直面するのが、広告費の支払いが、売上代金の回収よりも先に来てしまうというキャッシュフローの問題です。
 化粧品や健康商品を毎月単品リピート販売する場合、先行して投入する広告費および、原価や配送費などのコスト分を回収するのに、6カ月ほどの回収期間を要すると認識しておくことが必要です。
 ちなみに、携帯電話やウォーターサーバーで、「2年縛り」のような最低利用期間が設けられていることがよくありますが、これはメーカー側が初期費用を回収するためです。
 もう少し詳しく説明しましょう。
 ASPによる仕掛けが好調で、高いコンバージョン率で売れるようになれば、当然利益は上がります。初動で成功すると、あっという間に1億円以上の売上が上がることもありますが、その分広告費が必要で、来月はそれ以上を売り上げるための広告費が必要になるのです。「売れる商品」と認識してくれて、取り扱う広告代理店も増えていきますから、必然的に広告費が必要になってくるわけです。
 当面の資金がないからと断ると、基本的には次月からは扱ってくれなくなりますから、こちらとしてはとにかく走らなければいけません。
 もちろんアフィリエイトは成果報酬ですから、広告費が発生するということは、商品はそれだけ売れているわけで、黒字であるのは確かです。
 しかし問題は、「売上代金が入ってくるのがコスト発生のあとである」点です。そのため、商品が売れれば売れるほど、代金回収までにキャッシュフローで沈むことになります。

「在庫切れ」は、負のスパイラルの入口

「在庫切れ」にも注意が必要です。もしも在庫がなくなってしまうと、当然ながら商品を送ることができません。つまり在庫を切らすことは、キャッシュフローが途切れることと同じなのです。
 たとえば、1カ月間の顧客獲得数を1000件として継続率を80%とすると、初月に1000商品、2カ月目は1800商品、3カ月目は3240商品と、毎月雪だるま式に増えていきます。これ自体はとても喜ばしいことでしょう。
 けれども、こうして倍々に増えていくことを想定せずに在庫ショートを起こすと、すぐに商品が欲しいお客様は一瞬にして離れてしまうので、せっかくのユーザー数が一気に減ってしまいます。
 そうなると、商品が送れずキャッシュフローが止まる上に、受注はあるわけですから広告費の支払いだけが増えてしまいます。こうした負のスパイラルに陥るリスクがあるのです。

「資金ショート」「在庫切れ」を回避するために

 あなたが販売する商品によって、広告出稿から受注、納品、代金回収までのリードタイムはおのずと違います。
 ビジネスのスタート後に「リードタイムを正確に把握すること」と「よりたくさんのお金を残すこと」が大切で、初動時に資金ショートを起こしてしまうと、せっかく好調な受注があるのに、在庫がなくなり、投入できる広告費も枯渇して事業が止まるということになりかねません。
 これが、ネット通販ビジネスにおける「黒字倒産」です。
 しかしながら、当社がサポートする「単品リピート通販」では、収支が赤字→黒字になるまでのリードタイムが、一般の通販会社が2~3年はかかるのに比べて、半年~1年と非常に短いのが特徴です。
 これは、ビジネスを始める上での大きなアドバンテージになり得るものです。
 ちなみにこのビジネスは、広告費を回収した上で利益を上げ、次月でさらに広告費を投入していく、短期のサイクルによって収益を上げていくモデルであることがおわかりいただけるでしょう。
 そのため、1回の販売で半年や1年の長期にわたって使っていける商品は、そもそもビジネスにならないことを知っておくべきでしょう。
 たとえば、口紅や眉毛カーラーなどは1カ月ではなく、数カ月も長持ちします。しかも、商品単価がそれほど大きくないため、単品リピート通販には不向きな商材です。こうした点も考慮しながらビジネスを考えていく必要があることも付け加えておきます。

【著者プロフィール】
新井 亨(あらい・とおる)

サブスクD2C総研株式会社代表取締役。株式会社Telemarketing One代表取締役。年商50億円以上の企業のサポートも行なうサブスクD2C業界の第一人者。埼玉生まれ。University of Wales MBA卒業。北京へ留学し在学中に貿易会社事業などで起業。その後、北京へ渡り、不動産、美容、貿易など複数ビジネスを成功させる。帰国後、上場企業などの相談役などを経てオリジナルブランドを立ち上げ販売開始から8カ月で月商1億円を突破。商品開発からクリエイティブの作成、CRMまですべて自社で行なうなど圧倒的な成果をおさめる。集客・運用・CRMについて上場会社とのセミナーを全国で行なっている。企業に対してサブスクビジネスを教えるサブスクD2Cオンラインアカデミーの塾長も務めている。コールセンターを使ったLTV引き上げを得意としており、成功者を多数輩出、サポートした企業の累計売上は100億円を超えている。

いかがでしたか?

今回ご紹介した新井さんの新刊『「サブスクD2C」のすごい売り方』では、黒字倒産を回避する「財務戦略」や資金確保の秘策をはじめ、著者・新井さんが実践、体系化した「サブスク×D2C×単品リピート通販」の仕組みとノウハウを完全公開しています。興味のある方はチェックしてみてください。

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