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スパイスとハーブ、何がどう違うのか?

こんにちは。
フォレスト出版の森上です。

スパイスカレーを中心に、スパイスが今、ひそかなブームのようです。外食に限らず、ご自身で料理する際も、スパイスを取り入れた料理をする人も増えていると聞きます。スパイスをちょっと入れるだけで味がガラッと変わり、美味しく食べられるのも大きな魅力ですよね。

スパイスを使っている人は、スーパーなどで売られている、すでにブレンドされているスパイスを使っている人もいれば、こだわる人はご自身でブレンドして独自の味を追求している人もいるでしょう。

そんなスパイスですが、似たようなものにハーブがあります。

スパイスとハーブ、何がどう違うのか?

あなたは、明確に答えられますか?

スパイスコーディネーター協会の理事長としてスパイス活用の普及に努め、日本国内はもちろん、欧米諸国のスパイス研究者に高く評価されている、日本におけるスパイス研究の第一人者として知られている武政三男さんは、監修した書籍『スパイス活用超健康法』の中で、スパイスとハーブの違いについてわかりやすく解説しています。今回は、本書の中から該当箇所を一部抜粋・編集して紹介いたします。

ハーブは薬草、スパイスは食品

 スパイスは、植物の葉、実、種、根、樹皮、花などいろいろな部分を原料にします。さらに生の「フレッシュ」と乾燥した「ドライ」があります。
 漢方の生薬には一部、鉱物や動物が含まれますが、スパイスというカテゴリーに鉱物は含まれません。また、動物性のものもありません。
 ここで問題です。
 一般的にスパイスと同じような解釈をされている言葉に「ハーブ」がありますね。スパイスとハーブはどこが違うのでしょう。みなさんは、その違いをご存じですか?
 植物療法はその昔、スピリチュアルな儀式や魔術に使われていました。悪魔払いのシーンには必ず香りの強い植物が登場します。魔女が鍋でグツグツと煮てつくる秘薬や媚薬(時には毒薬)は、さまざまな薬草やキノコ、コケが原料でした。その背景には大木やキノコには霊が宿っているという信仰があったのです。
 ハーブ療法とは、植物療法のうち、大木やキノコを除いた草だけを活用することから発達しました。
 つまり、霊が宿らない草本を利用しようというわけです。その後もヨーロッパの修道院では、ハーブが持つ保存作用や病理作用が研究されました。
 つまりハーブは、薬品や薬物としての利用価値が高い草(薬草)と考えられます。今でもハーブ(薬草)のなかには、薬剤や染料、香料(アロマ)、園芸・観賞用など食品以外に利用されるものが多くあります。
 一方のスパイスは食品としてのみ活用されます。そして、大きな木の樹皮や根も使います。
 この2点が大きな違いです。

図_スパイスとハーブ


▲『スパイス活用超健康法』p.40より

口にしていいスパイス、危ないスパイス

 キノコ狩りで山に入り、誤って毒性のあるものを食べてしまうという事故が、毎年のように報じられます。同じようにハーブを摘んで食中毒を起こすこともあります。
 よく似ていて間違えやすいものに、ニラとスイセン、ギョウジャニンニクとイヌサフランなどがあります。
 スイセン、イヌサフランは薬理効果があるハーブの一種ですが、強い毒性があり、食べ方によっては食中毒の原因となり、最悪の場合には死亡事故につながることもあります。
 そのほか、トリカブト、スズラン、フクジュソウなどで中毒を起こす事故が報告されています。「いい香りがするハーブだ」と思って安易に食用にしないよう、気をつけてください
 また、危険ドラッグ、違法ハーブなども、原料はアサやケシなどです。一部の品種は栽培にも許可が必要なものもあります。うっかり栽培すると罰せられることもありますので、注意が必要です。
 スパイスコーディネーター協会のホームページでは、食用には向かないハーブに対する注意を常に呼びかけています。
 なお、食品に関しては厚生労働省、それ以外の食品として利用するハーブに関しては農林水産省と管轄省庁も異なっています。
 疑問に思うことがあれば、ホームページをチェックしてみてください。

いかがでしたか?

武政さんが監修した『スパイス活用超健康法』では、スパイスの効用を活用した健康法をスパイス別、効能別でわかりやすく解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。



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