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古今東西で「薬の原点」と呼ばれるスパイス「シナモン」の魅力

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

スパイスは、薬やサプリメントのルーツであることは、すでにこのnote記事でもお伝えしたとおりです。

日常の食事にスパイスを取り入れるだけで、十分に栄養補給、健康補助になるわけです。なかでも、「シナモン」は古今東西で「薬の原点」と呼ばれているスパイスなんです。

スパイスコーディネーター協会の理事長としてスパイス活用の普及に努め、日本国内はもちろん、欧米諸国のスパイス研究者に高く評価されている、日本におけるスパイス研究の第一人者として知られている武政三男さんは、監修した書籍『スパイス活用超健康法』の中で、「シナモン」の特徴や効用について、わかりやすく解説しています。今回は、本書の中から該当箇所を一部抜粋・編集して紹介いたします。

シナモン

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シナモン、カシア、ニッキの違い

 シナモンは9〜12メートルに成長し、たくさんの枝を出す、スリランカ原産の大きな樹です。スパイスとして利用されるのは、その樹皮です。
 樹皮をナイフで細長い形状に削ぎ取り、束にして24時間ほど放置して発酵させます。その後、樹皮の外側のコルク質を注意深く削り取ると、乾燥して丸まっていきます。それがお馴染みのシナモン・スティックです。
 管状になった製品は厚さが1ミリ程度で砕けやすいため、品質評価が厳しく行なわれます。砕けた破片などはパウダーに加工されます。
 シナモンに似た植物にカシアがあります。シナモンが主にスリランカで生産されるのに対し、カシアは中国、タイ、ベトナムで栽培されるため、チャイナシナモンと呼ばれることもあります。
 カシアは、シナモンに比べて品質評価が下がりますが、「シナモン」と表示されることが認められており、日本に入る70%はカシアだそうです。
 また、ニッキというのは肉桂のことで、同じクスノキ科ですが別の植物です。肉桂は樹皮ではなく、根をスパイスとして使います。お馴染みの京都名産、八ツ橋はニッキを使っています。

焼き菓子やフルーツパイに欠かせない

 シナモンは甘いケーキとの相性がバツグンです。これはシナモン特有の香りに甘味感をさらに高める相乗効果があるためと考えられています。パウンドケーキ、パン、クッキー、プディングには定番のスパイスです。
 また、フルーツの風味にも合うため、リンゴやピーチを使ったパイ料理やオーブン料理、ジャムにもよく使われます。シナモンの香りがしないアップルパイは考えられませんね。
 飲料では、紅茶、コーヒーにスティックを添えるほか、コーラなどの清涼飲料水のフレーバーとしてもポピュラーです。
 そのほか、ガム、お菓子、口腔清涼剤、歯磨き粉、化粧品、石けんなど、幅広い加工品の材料となっています。
 もちろん、カレー粉をブレンドする際の重要なスパイスでもあります。また、中国の代表的なスパイス、五香粉の構成成分としても名を連ねています。

内科的疾患に対する万能薬

 シナモンは生薬名を桂皮といい、健胃、解熱、駆風、発汗、鎮痛の薬として処方されてきました。
 薬理効果の原動力になっているのが、シナミックアルデヒドという成分です。シナミックアルデヒドには嗅覚を刺激し反射的に胃の機能を亢進するほか、中枢神経の興奮を抑え、水分代謝を調整して体の毒を溶解する力が認められています。
 インドでは「tejpat」として知られる伝統的な治療薬の主成分です。やはり、腹痛、下痢によく効くとされています。
 シナモンは最も早く西洋に伝わったスパイスでもあります。聖書の「出エジプト記」に登場し、「礼拝堂を清めるためにシナモンを使うように」と、神がモーゼに指示したという記述があるそうです。
 ヨーロッパでは古代から薬用として用いられ、現在でも内科的疾患に対する万能薬として広く利用されています。まさに薬の原点といえるスパイスです。

いかがでしたか?

武政さんが監修した『スパイス活用超健康法』では、スパイスの効用を活用した健康法をスパイス別、効能別でわかりやすく解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。

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