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「落ちる就活生」と「受かる就活生」の決定的な違い

こんにちは。フォレスト出版・編集部の美馬です。

最近SNSでは、就活情報、ESや面接のテクニックが拡散されているのをよく見かけます。3月の就活解禁前に今からスタートダッシュをかける就活生も多くいるのでしょう。

せっかくほかの就活生よりもはやくスタートダッシュを決めたにもかかわらず、書類選考で落ちまくる、なかなか面接が通過しない、という人もこれからでてくるかもしれません。とても残念ですよね。

早めに対策をとっても落ちる就活生と、ギリギリになって就活に本腰を入れ始めたのに受かる就活生がいつのも事実です。その違いはどこにあるのでしょうか?

ただの元人事(樋熊晃規)著『人事がこっそり教えるヤバい内定術』では、「落ちる就活生」と「受かる就活生」の違いを、次のように述べています。

ズバリ、「正しい情報×行動量」の掛け算に基づいて就活に挑んでいるか否か、です。

ちょっと抽象的でイメージしづらいかもしれません。この「正しい情報」と「行動量」とは具体的にどういうことなのか、本書から一部・改編してご紹介しましょう。

◎正しい情報とは?

そもそも正しい情報は、「その情報があなたの内定率を上げる、第一志望から内定をもらうために適した情報なのか?」という点で考えてみるといいです。

現代は情報化社会であり、さらに言えば情報があふれすぎていますよね。就活というゲームにおいても様々な情報であふれかえっており、多くの就活生が「何が本当に正しいのか?」と疑念を抱き、時には誤った情報に踊らされ、信じ込み、行動に移してしまっているのが現状です。

就活に限らず、表面上では「良い情報」のように見せかけていながら、そうではないものがたくさんあるということは言うまでもないでしょう。ネットはもちろん、就活本でそれなりの肩書きを持っているような人が主張しているものの中にも、根拠のない、いい加減な情報がたくさんあるということを忘れてはいけません。

たとえば、「逆転内定のための逆質問」「正しいノックの回数は決まっている」「会話は絶対に1分以内で語れ! できれば45 秒以内で語れ!」などとSNS でバズっていたりしますが、こういった情報を流す人は、面接官として経験のない人間だと考えてよいと断言できます。

少し前に「○○のスーツで内定を獲る」といった情報が出回っていました
。仮に、もしもあなたが面接官の立場だったとして、いきなり個性的なスーツを着た自信満々の就活生が来たらどう思うでしょうか?

ちなみに、メイプル超合金・カズレーザーさんは、バンダイナムコの就活説明会に、お馴染みの上下真っ赤な勝負服で参戦したという話があります。「今日のバンダイの説明会に“赤い彗すい星せいシャア”がいた!」とネット掲示板を騒がした有名な話です。話題にはなりましたが、もちろんカズレーザーさんは見送りになりました。

それはなぜか、企業とは組織であり、組織には調和が必要だからです。社員全員が空気を読むことで組織は成り立っています。その調和を乱すおそれのある個性的なスーツ姿の人物や、赤い彗星シャアがドヤ顔で面接に来たら、
と想像するだけで恐ろしくなりますよね。

そんなギャグのような情報が出回っていて、それを正しいと誤解し、行動に移している就活生が一定数います。可哀想に、誤った情報を誤っていると気付けないのが、就活生という生き物です。

「落ちる就活生」は、そういった「悪い情報」を集めてしまう、情報収集が下手な人が多く、それに加えて、就活において根本的に大事なゴールの設定ができていない人が目立っています。これは、就職活動に限らず、社会人になってからの仕事でも言えることで、ゴールを決めずに「何となく」で始めた人や、良い情報と悪い情報の見極めができない人は、物事がうまくいかない傾向があります。

就活のゴール=目的をしっかりと設定し、正しい情報の取捨選択ができるようになれば、やるべきことが自ずと浮かび上がってくるものです。だからこそ、まずは正しい情報。もっと言えば、「内定を獲る上での最善の情報=内定を出してくれる面接官から逆算された情報」を選択していかなければなりません。

◎行動量とは?

行動量については、「正しい情報に則ったアウトプットの反復」と考えてもらうといいでしょう。とにかく就活生は行動量が少なく、とくに、アウトプット量が圧倒的に少ないです。

面接は、プレゼンと同じでやればやるほど上手くなります。行動量のある就活生とない就活生で大きな差が生まれるのは必然ですね。内定率を最大化するために、まずは「正しい情報×行動量」が重要だと、頭の片隅に置いておくといいかもしれません。

そして、行動に移す前にまず前提として知っておかなければならないことがあります。それが、全ての企業に共通する「採用したい就活生」像です。

◎企業が採用したい就活生とは?

その答えは「売上・利益に長期的に貢献できる人」です。もっと大き
な枠組みで言えば、企業の採用活動の最大の目的と言っても過言ではありません。

「一緒に働きたいと思える学生に来てほしい」
「会社の風土とマッチする学生がいたら良いな」
「理念に共感してくれる学生を歓迎します」

というのは、これは就活における本質では決してありません。就活生には、ぜひ企業の採用活動の裏側を知るところから始めてほしいと思います。当然ながら、企業や職種によっても求められる人物像は、細かく言えばそれぞれ異なりますが、すべての企業に共通する採用したい人物像が「売上・利益に長期的に貢献できる人」です。

裏側の1つとしてまず知っておいてほしいのは、企業の採用活動の本質は「投資」であるということ。決して苦楽を共にする仲間を集めるためではありません。企業が長期的に繁栄するためには、売上・利益を出し続けなけれ
ばならないということは、言うまでもないですよね。そのためには「一緒に
働きたい」と思える就活生ではなく「売上・利益貢献が期待できる就活生」を採用したいと思うのは必然です。

加えて、“短期”利益ではなく“長期”利益であるということも忘れてはいけません。新卒採用は社会人になりたての、言わば卵からかえったばかりのヒヨコです。そんな新人が、企業の売上・利益に貢献できるようになるまでにかかる時間は相当なものです。それまでは給料だけでなく、福利厚生費、社会保険料、研修費用など様々なコストを投資して、ニワトリに成長するまで見守られていくわけです。

投資した費用の回収が見込めるのはじつに入社3〜4年目と言われています。その間に中途半端に転職・退職などされたらどうなるでしょうか? つまり“投資”は大失敗。この前提をきちんと理解すると、おそらく就活の進め方は根本的に変わっていくと思います。

志望動機であれば「入社したい理由」だけでなく、「自分が活躍・貢献できる理由」まで言葉にすることができるようになるでしょう。たとえば、本が大好きな人が出版社に就職を希望するというケースは少なくありませんが、本が大好きな人は「自分はこんな本を世の中に送り出したい」と考えてしまいがちです。

もちろん、やりがいや目標としてそういった考えを持ち続けることは悪いことではありませんが、実際に本を出版するとなると、自分の出したい本よりも……、となるでしょう。つまり、面接で「自分はいかに本が好きか」を熱量高く語っても、売上や利益に貢献できるかどうかは、残念ながら面接官には全く伝わりません。

企業はボランティアではありませんから、やはり売上や利益の確保からの視点を求めているのであって、本が好きなだけなら「お客さん」の視点で終わってしまいます。本好きをアピールするよりも、出版に携わっている人たちはどのようにニーズをつかみ、どうやって世の中に求められる優れた作品を送り出し、結果として所属する会社にどれほどの利益をもたらしているのか、という視点が必要となるわけです。

その過程で必要となる能力を自分は持っているのか、あるいは今後持つことができるのか、そういったことを面接でうまく伝えることが、内定率を上げるポイントになります。要するに、企業の採用活動の目的を理解し、採用したい就活生像を逆算して就活の戦略を設計すれば、内定率は飛躍的に上昇するということです。

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最後に、本章のテーマは「面接官の視点を持つことが就活攻略の鍵」ですが、これは、現状の視点を180 度変えてみるからこそ見えてくる、就活の戦い方を知るということです。戦略と工夫次第で内定は必ず勝ち取ることができます。就活生のみなさん、そして就活生のお子さんを持つ親御さんにも、ぜひ本書をお読みいただければと思います。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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