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【フォレスト出版チャンネル#90】ゲスト/編集者|日本人は、世界のニュースを知らなすぎる

このnoteは2021年3月19日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
 

シリーズ20万部突破!『世界のニュースを日本人は何も知らない』誕生秘話

渡部:フォレスト出版チャンネルパーソナリティの渡部洋平です。本日も昨日に続いてワニブックス新書編集部・編集長の内田克弥さんをゲストにお迎えしております。編集部の森上さんとともにお伝えしたいと思います。内田さん、森上さん、本日もよろしくお願いします。
 
内田・森上:よろしくお願いします。
 
渡部:昨日の放送ではワニブックスさんのことや編集者としての内田さんのことについて詳しくお伺いしました。特に本作りや編集・企画に興味がある方にはとても役立つと思いますので、ぜひ昨日の放送もチェックしていただければと思います。
本日は内田さんのご担当書籍であるベストセラー『世界のニュースを日本人は何も知らない2 ――未曽有の危機の大狂乱 ――』についてお聞きしたいと思います。では、ここからは昨日と同じように編集部の森上さんに進行をバトンタッチしていきたいと思います。お願いします。

 
森上:はい。では、昨日もチラッとお聞きしたのですが、ベストセラーになった前作(『世界のニュースを日本人は何も知らない』)のことについてからちょっと内容をお聞きしてもいいですか?
 
内田:はい。ありがとうございます。ひと言で言いますと、日本の新聞やテレビではわからない世界のニュースを紹介する本というテーマでございまして。ちょっとかみ砕いて言うと、日本のマスメディアがあまり報道しないけれども、世界では連日トップニュースで扱われているようなニュースが数多くあります。そういった中で、我々日本人がなかなか知る機会が少ないニュースを、元国連職員で海外在住であったり、海外で働いた経験の豊富な谷本真由美さんにご紹介いただいた本というものになります。
 
森上:なるほどね。いわゆるフェイクニュースとかの情報過多の中での真実を知りたいというニーズに答えた本ということですよね?
 
内田:そうですね、まさに、まさに。
 
森上:そもそもこれを企画・立案したきっかけみたいなものって何かあったりするんですか?
 
内田:はい。個人的な印象かもしれないのですが、日本のニュースというのは、よくあるような芸能人の不倫問題ですとか、スキャンダル問題ですとか、国内政治のいざこざ関連が多いなと思っていたところ、著者の谷本さんと打ち合わせするときに、そんな内容と世界のニュース事情を聞いてみたところ、全然自分の知らないようなニュースがバンバンバンバン出てきて、これは私と同じように驚きを持って迎える読者の方が多いんじゃないかなというところで企画にした感じです。
 
森上:なるほどね。これ、元々谷本さんにお会いする機会があったというか、何か谷本さんに書いてもらおうと思っていたとか、そういうことじゃなくて?
 
内田:そうですね。今回の本が1冊ではなくて、3冊ほど出していただいているのですが。
 
森上:もうすでに3冊程谷本さんの本を内田さんが担当されていたんですね?
 
内田:はい。
 
森上:なるほど。ちなみにどんなテーマの本だったんですか?
 
内田:1番始めは社会を切った不寛容な社会という『不寛容社会』というタイトルの新書で。
 
森上:うんうん。あった、あった。
 
内田:日本人はどんな些細なことでも大事にするというか、人を叩きがちだというところを海外との……。これも同じようなテーマなのですが。海外との比較によって明らかにするといったような内容であったりですとか。
 
森上:まさに今の話なんて、コロナ禍のマスク警察を含めた「一億総正義社会」というようなものにメスを入れるような本ですよね。
 
内田:まさにそうです。ありがとうございます。
 
森上:なるほど。実際、流れてくるニュースはそういうものばっかりだと。事実が伝わってこない、と。それに対して、谷本さんと内田さんがタッグを組んで、そのテーマでやってみようということで、この企画になったということなんですね?
 
内田:はい。まさにそうです。
 
森上:なるほど。前作(『世界のニュースを日本人は何も知らない』)は、本当に出たとたん、タイトルで売れるだろうなと思って。昨日もちょっとお聞きしましたけど、これ部数がどれくらいいっているんでしたっけ?
 
内田:1冊目が13万部で、2作目が7万部今いっています。
 
森上:そうですよね。10万部超えるとベストセラーと言われる世界で、13万部! 実際これが売れた理由ってなんだと思います?
 
内田:一因としては、それこそ私と同じく日本のニュースに対して多少なりともマンネリを感じていらっしゃった読者の方が多かったと思っているのと、あとは、社会状況的にコロナ禍になりまして、そこでよりいっそう海外のニュースが入ってくるようになったと。そこで、「海外ではこんな対策やってるんだ」といった驚きが増えた中で、もうちょっと詳しく見てみようということで今回の本を手に取っていただいたんじゃないかなと感じております。
 
森上:やっぱり元々企画を立てる上でも、社会の流れっていうのをちゃん汲み取って、内田さんと谷本さんが押し上げた企画が、またさらにそこに時代が付いてきたって感じですね。今の話を伺っていると。
 
内田:そうですね。特に谷本さんに関しましては、社会状況を自身の意見で切るというのがSNSでも話題になっていた方だったので、まさにそういったところで社会が噛み合ってきたというようなことだと思います。
 
森上:なるほどー。いかがですか、渡部さん。
 
渡部:そうですね。今、やや油断していたんですけど。
 
内田・森上:(笑)。
 
渡部:僕はこの本、名前を聞いたことがあって、おそらくすごく売れている本なんだろうなっていうのは感じていました。それでいて、何度も出てきてますけど、コロナの話であったり、世界に興味があるんだけど、本当のことがわからないみたいな人にはすごく響くんだろうなって感じました。

コロナ禍で当初、欧米人がマスクをしなかった理由(シリーズ第2弾より)

森上:そうですよね。2019年の時点ではまだコロナ禍じゃないから、その時点ではそれこそ週刊誌でのスキャンダルとかそんなことばっかでしたもんね。やっぱりそういう意味では、本物のニュース、どれもニュースなんですけど、届いてないニュースをちゃんと拾い上げて伝えていこうっていうかたちの本ですよね。
ところで、第一弾と第二弾の違いは? 2020年12月に出たのが第二弾、こちらの内容はどのようなものなんですか? なんとなく想像はつくのですが、コロナですか?

 
内田:はい。そうですね。まさにコロナ禍の時期のものなので日本では報道されないような海外のニュース、コロナのニュースはどうなっているかですとか、例えば、始めのほうは海外でマスクをつけない国が多いと話題になっていたと思うんですけども、それがなぜかというところですとか、深掘りした内容になっています。
 
森上:なるほどね。それこそ最初は国民性みたいに言ってましたよね。
 
内田:そうですね。本の中にもあるのですが、まさにその国民性というところで、例えば、著者の住んでいるイギリスの場合ですと、始めにコロナが流行った頃に、専門家の方がメディアに出てきて、「イギリス人にはマスクを使わせないほうがいいんじゃないか」と。というのも、「パリピ」という言い方はあれですけども、陽気な人が多いので、「マスクをつけてさえいればどこでも行っていいんでしょ」みたいな感じになってしまったら危ないから、みたいなかたちでメディアに出た人もいたようです。
 
森上:うん、うん、うん、うん。
 
内田:根本原因というところで言うと、イギリスの場合では国が規制をするときには、規制の一貫性を保つためにエビデンスがちゃんとしてないと、国民にお願いできないと。マスクにおいては今までやってこなかった国民性なので、全然エビデンスがなくてデータが揃わないので、国民に「マスクしてくださいよ」という規制ができなかった。
 
森上:なるほど。日本と明らかに違いますね、そこは。
 
内田:そうですね。これもやっぱり海外のニュースを見ないと、なかなかわからないところですね。あとはちょっとおもしろいというか、文化的な面でイギリスというか、英語圏の人ではマスクをしている人っていうのは「異常な病気にかかった人」ですとか、それとは別ですが、ちょっとやばい印象を持たれてしまうと。谷本さんがおっしゃっていておもしろかったのが、「マッドマックス」の登場人物の仮面と付けている人ですとか、「羊たちの沈黙」という映画のレクター博士も、口を隠すようなマスクを付けていると。
 
森上:レクター博士のものは、もう仮面だよね?(笑)
 
内田:そうですね。
 
森上:マスクはそういうイメージなんだ。
 
内田:そうですね。理由としては、英語圏の人は相手の口元を見て何を話しているか判断したり、感情を読み取るみたいなところがあるようでして、だから口元を隠すということは本心を隠しているんじゃないの、というように捉えられるので、マスクなんかとんでもないという始めの状況だったということなんです。
 
森上:なるほどね。文化的な面と実際の常識というか、全くベースが違うんですね。実際マスクは、もうイギリスでは皆さんやり始めてるんですか?
 
内田:そうですね。各国マスクの重要性というか、国が国民のほうにお願いしている状況なので、だいぶ付けていらっしゃるということなんですが。
 
森上:なるほど。
 
渡部:はい。今ですね。『世界のニュースを日本人は何も知らない2 ―未曽有の危機の大狂乱 ―』の一部分について、ちょっとお話していただいたんですけれども、これだけでも興味深い内容だったかなと思うので、もっと知りたいなと思った方はぜひこの本をチェックしていただければと思います。書店さんやアマゾンで『世界のニュースを日本人は何も知らない2 -―未曽有の危機の大狂乱 ―』ですね。こちらをチェックしていただければと思います。このチャプターにもアマゾンのリンクを貼っておきますので、興味を持った方はぜひ今すぐクリックをお願いします。

子どもより大人のほうが見つけにくい!?  ベストセラーの間違い探しの本

森上:はい。あと、もう1つ全く違うものなんですけど、内田さんがご担当された、これもまたベストセラーについてどうしてもちょっとでもいいからお聞きしたいなと思っていて。これ、数を数えるのが大変なんだ。『超超超超超超超超超超超超超超超超超超 むずかしすぎる まちがいさがし』。数は合ってましたかね? わからない(笑)。

 
内田:18個なんで。
 
森上:18個!?
 
渡部:これ、すごいですよね。うちで出そうとしたら「間違えるかもしれないからやめろ」って言われそうですよね。
 
内田:そうですよね。確かに。
 
森上:これ、18個にも意味があるんでしたっけ?
 
内田:そうですね。子供がムキになって「超超超超・・・・」っていうぐらいの数というところで。おおよそ18個かなということですね。
 
森上:これ、広報とか営業とか流通とか、結構慎重にいったんじゃないですか。“超”を数えるの、これ1個でも間違えると流通しないですからね。
 
内田:そうですね。初めは営業とかには、数の確認がすごかったり。
 
森上:これは営業、嫌がるだろうなと。取次さんとか書店さんも悩んだろうけど。いやー、これもすごいですよね。これもめちゃめちゃベストセラーになってましたよね。これ児童書ですよね?
 
内田:はい、そうですね。メインの置き場所は児童書です。
 
森上:これ具体的にどのような内容なんですか。簡単に教えてもらえますか?
 
内田:これは本当にクレーム一歩手前というか、もうクレームが来てもしょうがないぐらいの世界一難しい“まちがえさがし”を作れないかということでスタートした企画でして。大人の方がやっても全然見つからないということで、いわゆるキレるという状況が多数生まれているんですけど。ただ難しすぎるからこそですね。その間違いを見つけたときの快感というか、見つけたっていう気持ちの高ぶりはかつてないというところで、お子さんから大人の方、おじいちゃん、おばあちゃんまで全世代で楽しんでいただける本になっております。メディアでも多数紹介していただいておりまして、朝のワイドショー番組をはじめ、最近では俳優の神木隆之介さんがご自身のYouTubeチャンネルでこの問題に挑戦していただいて、悶絶されていたということで。
 
森上:すごい。これは、広報さんが動いたというよりも神木さん自らみたいな感じですか?
 
内田:そうですね。広報からもアピールあったかもしれませんが、神木さんサイドのほうから使っていいですかというご相談をいただいたような流れだと思います。
 
森上:すばらしいですね。これは翻訳本じゃないですよね?
 
内田:はい。違います。ゼロから。
 
森上:すごい。この企画はどう立ち上げたのかって、いろいろお聞きしたいんですけど、これは内田さんが著者から見つけたのか、テーマから見つけたのかというのは。
 
内田:そうですね。 “まちがいさがし”ですとか、“点つなぎ”っていうのは昔から売れ筋商品の一つというところでよくパブラインでも売れ筋に上がってくるという中で、新しい一要素を足した、新しい読者層を開拓できるんじゃないかというところで、とんでもなく難しくしようと思って、作れる方を探したときに、ドコモのアプリでそれこそ難解な難しい“まちがいさがし”を作っている会社さんがありまして。それがユナイテッド株式会社さんっていうところなんですけども、この会社さんとご相談して作ったというかたちです。
 
森上:これはどちらかと言うと、テーマから著者さんを探したということなんですね。いや、すばらしいですね。これ、渡部くんも一回やってみたらいいよ。難しいよ、めちゃくちゃ。
 
渡部:そうですね。見てみたいと思います。普段から文字校正されている編集者さんってある意味、“まちがいさがし”を普段からされている。
 
森上:あー。内田さんはたぶん大丈夫なですけど、僕の校正力はやばいレベルなんで。
 
渡部:リアル“まちがいさがし”ですね。
 
森上:リアル“まちがいさがし”(笑)。それはそれで違う本になっちゃうんじゃないかっていう。それ、まずいな(笑)。
 
内田:でも、大人のほうがなかなか見つからないっていうのがありまして、子どものほうが前提がないので、割とすぐに見つかるという。大人は思い込みがあるので。
 
森上:なるほど。そこの思い込みに気づくってことですね。
 
渡部:それはありますね。変な話、本とかも編集担当の方が気づかないのに、見本がきたときに、パッと開いたら関係ない人が間違いを見つけるみたいなことって結構ありますね。
 
森上:ありますね。
 
内田:あるあるですね。
 
森上:思い込みがないんですよ、おそらく。
 
渡部:全然知識がないからパッと見つかるんですね。
 
森上:そうそう。そういうもんだと思います。校正で間違いがあっちゃいけないんですけど。校正の訓練にも使えるかもしれないです。
 
内田:そうですね(笑)。確かに。
 
渡部:こちらの本にご興味を今持っていただいた方はぜひチェックしていただきたいんですけれども、アマゾンのリンクも貼ってあります。一回だけ僕からもタイトルを言ってもいいですか?
 
森上:いいですよ。
 
渡部:『超超超超超超超超超超超超超超超超超むずかしすぎる まちがいさがし』
 
内田:たぶん、1個足んなかったような気がします。
 
森上・渡部:(笑)
 
渡部:ちょっとこれ後で聞いてみたいと思います。すみません。1個間違ってるかもしれませんが、ぜひ、間違い探しの本もアマゾンのリンクを貼っておきますので、チェックしてください。
それでは2日間にわたって内田さんにお時間取っていただいて楽しいお話、役に立つお話をしていただきました。最後にVoicyのリスナーの皆さんに、内田さんからメッセージをいただければと思います。
 
内田:はい。お聞きいただきまして、ありがとうございました。うちの会社ワニブックスの本にかかわらず、それこそフォレスト出版さんの本をはじめ、今、非常に面白い本が市場に出回っているなという印象がありますので、ぜひ手軽に知識を得たり、人生を好転させるための手段として本を手に取っていただけるとうれしいと考えております。本日はありがとうございました。
 
森上:本当にうれしい限りですね。
 
渡部:そうですね。ぜひフォレスト出版チャンネルとしても出版業界を盛り上げていけるように。
 
森上:そうですね。本当改めて思いましたね。今日は本当にありがとうございました。
 
内田:ありがとうございました。
 
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
 

 ▼今回のインタビュー記事の前編はこちら




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