見出し画像

連載① プログラミングは「できることが増える」魔法のツール

フォレスト出版編集部の寺崎です。

今日から新たな試みを始めようと思います。

現在、社内で進めている電子書籍プロジェクトがあるのですが、そのうちのラインナップの1つ『ビジネスマンのための「武器としてのプログラミング」』(登尾徳誠・著)という電子書籍コンテンツをnoteに公開していきます。

ここ数年、AI、RPA、DXなどなど、文系理系を問わず、すべてのビジネスパーソンに最新技術への理解が求められています。

「俺はアナログな職種だから関係ない」
「私はあまりそういう最新技術には興味ないから」

こう思っている人も多いでしょう。

しかし、たとえばエクセルに手入力して集計している作業が、Pythonでプログラミングを組むだけで、一瞬で、しかも正確に(いうまでもなくコンピュータは人間よりずっと正確です)作業を済ませることができるとしたら、どうでしょう。

これはほんの一例ですが、もうじつはデキるビジネスパーソンはルーティンの仕事の自動化、徹底した効率化を少しずつ進めています。

現に、ビジネスパーソン向けのプログラミングの本やPythonの書籍が高単価にもかかわらず、よく売れています。

最近、社会人向けのプログラミングのスクールが「プログラミングで稼ぐ」という打ち出し方をしたところ、生徒が一気に急増して、儲かってウハウハだなんて話を耳にしました。

「DX?そんなのカンケーねーby小島よしお」なんて言ってる場合じゃなくなってきました。

そこで、すべての技術の根幹にある「プログラミング」について、電子書籍で簡単に解説しようと考えた次第です。

それでは、参りましょう!

■はじめに プログラミングがわからないとヤバい世界が到来した

●DX時代のビジネスマンにはプログラミングの知識が必須
 2020年、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの影響で、これまでまったく想定していなかった世界が訪れました。多くの企業において、オンラインでできることはテレワークで対応し、オンラインでできないだ業務だけ出社して行うという状況になっているのではないでしょうか。
 このような状況下では、情報のやりとりはSlackやChatwork、ファイルの共有はGoogle DriveやDropbox、打ち合わせや会議はZoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどで行うなど、さまざまなツールを駆使して遠隔でビジネスをしなければならなくなってきています。

「なんでもかんでも『デジタル』で、うんざり」

 そう思う気持ちもわかります。しかし、好むと好まざるにかかわらず、否が応でもさまざまなツールやプログラムを使いこなして、ビジネスを進めていかなければならない時代なのです。
 ところで、WEB会議ツールで相手の顔を見ながら話せるのも、動画が相手に送られる「プログラム」が働いているからです。スマートフォンのアプリや電話で通話できることも「プログラム」のおかげです。
 私たちが日常で無意識に膨大に使いこなしている仕組みである「プログラム」を理解することで、ビジネス上での自分の武器としてさまざまな可能性が見えてくるはずではないか……というのが本書の主題です。
 日本政府も遅まきながらもデジタル庁の創設を発表しました。このようにますます社会全体のIT化・デジタル化が進む中で、これまでITに無縁と考えられてきた業態にも、デジタル・IT技術の根幹である「プログラミング」を理解し、会社の生産性を上げていくことが必要であると考えておられる方は多いのではないでしょうか。
 そうした新しい時代を考えるヒントとして、「プログラミング」についてスポットを当て、プログラミングとはどういったもので、プログラミングを学ぶことで具体的にどのようなことができ、それにはどういったメリットがあるのか。
 プログラミングを学ぶための一歩といったことを、本書ではじっくり解説していきます。

●プログラミングは「できることが増える」魔法のツール
 本書をお読みの方には、それぞれが今までやってきた勉強や仕事、家業等の経験や知識があるかと思います。実は、その知識に「IT」や「プログラミング」の知識が加わるだけで、爆発的にできることが増えます。
「1+1」というような足し算の世界ではなく、これまでできていたことから、プログラミングを通して実現できることが掛け算的に多くなり、自分の脳力が高まる可能性があるのです。
 IT化・デジタル化が社会に浸透していく中でプログラミングのできる範囲は急速に増えています。既存のこれまでの業務のやりかたにプログラミングの考えを導入することで生産性が高まり、いろいろなものが自動化できるチャンスが広がっている時代です。
 現在は、「第四次産業革命」のまっ最中であるといわれており、IoTやブロックチェーン、人工知能(AI)といったさまざまな技術分野での発展が見られています。第一次産業革命は18世紀から19世紀にヨーロッパ、アメリカを中心とした蒸気機関等の発明といった工業化の革命ですが、まさに現在進行形の「産業革命」がすでに起こっているのです。

●ビジネスパーソンにプログラミングやITの知識が必要か?
 とはいえ、普通の会社員や学生であったとしたら、いきなり「産業革命」の最中と言われても何をしたらいいか、わからないと思います。
 しかしそれでもちょっと考えてみてください。
 今の身の回りのことにちょっと頭を巡らせただけでも、プログラミングやITの知識がないと仕事が成り立たないという状況になってきているのが感じられるのではないでしょうか。
 身近な話をすると、表計算ソフトウェアであるExcelの中にもプログラミングで自動化できる仕組みが入っているのを知っているのと知らないのでは、ビジネスマンとして仕事をしていく際の仕事の効率に大きく差が出ます。
 これはつまり、一般企業の社員同士の間でも差が出てきてしまうということです。
 まずは、自分ができることから少しずつ便利にしていくのが第一歩です。さらに、興味の延長線上として、IoTにできること、ブロックチェーン技術にできること……という形で興味の幅を広げてくとよいでしょう。

●経営者にとってのプログラミング
 現在におけるプログラミングの知識というのは、一般社員・経営者ということにとらわれず、ビジネスに携わるすべての人が知っておくべきものとなっています。これはITないしプログラミングが、現在の社会の大前提となる仕組みといえるからです。
 何か企画を考案したときに、それを全部人力でやろうと考えるのか、ここは自動化できるが、ここはどうしても人間が動かなきゃいけない……といった即座の判断ができるのとできないのでは、ビジネスの結果が決定的に変わってきます。
 たとえばプロジェクトを管理する際に、ここはAIにまかせて、ここは人に任せるといった判断ができれば、プロセス管理がしやすくなります。そういったことを最初から経営者がわかっていれば、「ここは外注したほうがいい」という判断をして、何が本当に会社のやるべきことなのか、つまりお金をかけて人間がやったほうがいい部分はなにか、人の介入をできるだけ減らしてコンピュータシステムにしたほうがいいのか……という合理的判断ができるようになります。また、コンサルタントやエンジニアが提案してきたことに対する判断の材料になるでしょう。
 そしてこういった判断は経営者だけでなく、個人レベルから経営レベルまでさまざまな場面で役立ちます。財務や人事、部長や社長レベルが見るときにも役立ちますし、個人の小さな作業でも自動化は役に立つので、プログラミングの知識は知っておくだけで得です。
 台湾のデジタル担当大臣であるオードリー・タン氏は、自らの持つITやプログラミングの知見を生かして、新型コロナウイルス対策に貢献しました。トップ層に就く人がITに通じていることの効果を目に見えるように示したと言えます。

ここから先は

3,666字 / 2画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?