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【フォレスト出版チャンネル#174】ゲスト|そのビジネス用語、意味わかって使ってる?

このnoteは2021年7月14日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

「絶対達成コンサルタント」が熱く檄を飛ばす!

渡部:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーの渡部洋平です。今日も昨日に引き続いて、アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長・横山信弘さんをゲストにお迎えして、編集部の森上さんともにお伝えしていきます。横山さん、森上さん、どうぞよろしくお願いいたします。

横山:よろしくお願いします。

森上:よろしくお願いします。

渡部:では、今日は2日目なんですけれども、昨日は30分超えて、横山さんに熱く語っていただいて、営業コンサルタントとはどういう仕事かということ、そしてコロナ禍によって営業職はどう変化したのかという項目でお話しいただきました。どちらも本当にビジネスにかかわる方、特に営業だとかネット管理されている方には注目の情報なんですけども、コロナ禍で営業職がここまで変わったっていうのはすごく重要な情報だったと思うので、ぜひ昨日の放送もチェックしていただければと思います。
では森上さん、今日はどんなテーマでお話しいただきましょうか?

森上:そうですね。今週の(2021年)7月15日に、これはうちの本じゃなくて、PHP研究所さんから出る横山さんの新刊『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』が、刊行予定でありまして、それについていろいろとお聞きしちゃおうかなと。ひと足早く中身のことについても、いろいろうかがっちゃおうかなと思っています。じゃあ、さっそくよろしいですかね? 横山さん。

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横山:はい。

森上:PHP研究所さんから出る新刊の具体的な内容ですが、かなり強い言葉のメッセージのタイトルで、気になるんですけど。

横山:いや、もう本当にありがとうございます。フォレスト出版さんの番組で、PHPさんの書籍の宣伝をさせていただくなんていうことは、もう本当にありがたいと思います。ありがとうございます。

森上:いえいえ! 本当にこちらこそ、ありがとうございます。

横山:今回は『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』という書籍で、ちょっと長いタイトルはあるんですけれども、これは初めての本なんですね。どういうことが初めてかと言うと、「だ・である」調で書いた本なんですね。

森上:そうなんですか! 初めてですよね!?

横山:はい。これまではずっと「です・ます」調だったんです。私の舌鋒というか、書いていることって結構きついので、「です・ます」にしないとちょっときつすぎるって思って(笑)。

森上:そうですよね(笑)。「そうですよね」って言うのも、おかしいですけど(笑)。

横山:そうなんです。原文が「で・ある」調だったので、それを「全て“です・ます”調に変えます」と編集者の方に言いましたら、「いや、“で・ある”調でいいんじゃない?」って言われて。「それだと、きつすぎませんか?」って言ったんですけど、「いや、もうここまでぶった切っているんだから、いいんじゃないでしょうか」ということで、初めて。今回は本当に厳しいと言うか、どっちかっていうと新書に近いような内容ですね。ディスっていることが多い(笑)。

森上:そうですか。それは具体的に……。横山さんが経験されてきた、いろいろな人を見てこられた中で、何かそれをぶった切っていくって感じですか?

横山:そうなんです。今回は言葉に注目をしまして、章立てが言葉になっているんですよ。「この言葉」編、「この言葉」編。全部ディスっているんですね、私が(笑)。全部文句言っているって言うか(笑)。

「働きがい」の正しい意味をわかって使ってる?

森上:(笑)。例えばどんな言葉がありますでしょうか?

横山:はい。こんな言葉があります。やっぱり一番旬な言葉だと思うんですけど、「働きがい」という言葉ですね。働きがいという言葉は、ここ数年すごく使われるようになりまして、「働きがいのある組織にしていきたい」とか、会社側も使えますし、あと就職する人もそうですね。ですので、学生さんに「どういう会社に就職したいですか?」って聞いたら、「働きがいのある会社がいいですね」とか言ったりするわけですね。転職する方もそうですね。「ちょっと今までの会社は働きがいがなかったんで、これからは働きがいのある会社に勤めたいです」と。
だから、何がやりたいかということではなくて、働きがいがある組織と。で、この「働きがいという言葉の意味ってなんですか?」っていろいろな方に聞いたことあるんですけど、ほとんど答えられないんですよ。

森上:そうですね。確かに。

横山:そうなんですよ。同じように使われる言葉で、「心理的安全性」とか「エンゲージメント」っていう言葉もあって、これはGoogleの影響だと思うんですけど、すっごく使われるようになったんですね。

森上:確かに、確かに。

横山:ただ「心理的安全性」っていうのは新刊でも書きましたけど、漢字を分解すればわかりやすいですね。心理的に安全っていうことなんで。ですから、意味はわかりやすいですね。エンゲージメントっていうのは、絆であったり、愛着心という意味なので、会社が社員に対して愛着を持っている、社員も会社に愛着を持っている。だから、相互で愛し合ってるみたいな、そういう感じなので、エンゲージメントが高いっていうのはそういうことなんですね。ロイヤリティー、つまり忠誠心とはちょっと違う。愛着心があるっていうことなんですね。
じゃあ、働きがいって何かっていうことなんですけど、まず働きがいの言葉の説明をする前に、こういう調査データが日経ビジネスで公開されたんです。これがものすごくインパクトがあったんですね。で、今回の新刊でも私はそれを抜粋して載せました。どういうデータだったかというと、「働きがいを働きやすさと勘違いした組織の生産性は著しく落ちた」ということなんですよね。

森上:なるほどー。

横山:これね、政府の言葉にも書いてあって、やはりこれからの時代は働き方改革を促進して、企業というのは働きがいとか働きやすさを求めていかなきゃいけないと。たぶん、政府は意味がわかってなくて、使ってるんですよね。
「働きがい」と「働きやすさ」って全く違う意味なんですよ。全く違う意味なのに、並列で使っちゃってるから、何が何だかよくわかってないっていう人がいっぱいいるんですよね。で、これを相当ディスっているんですよ(笑)。だから「何が働きがいだ。バカ野郎」みたいなことを書いてますよ(笑)。バカ野郎とは書いてないですけど(笑)。ふざけんじゃねーよみたいな。「何が働きがいのある会社に勤めたいだよ。お前、わかってんのかよ」って話で。

森上:(笑)。なるほど。

横山:「訳もわからず言ってんじゃねー」みたいな話で。ちょっと今から解説させていただきます。

森上:ぜひぜひ。

横山:働きやすさってのはめちゃめちゃわかりやすいですね。もう読んで字のごとくなんです。働きやすいっていうことなんですけど、
じゃあ、働きがいというのはどういうことかというと、2つに分解できる。「働く」と「がい(甲斐)」ですよね。やりがい(甲斐)とかよく使いますけど。やると甲斐じゃないですか。じゃあ、「甲斐」って何かって言うことなんですよね。だから、「○○をやったかい(甲斐)があったな」とか、「○○を働いたかい(甲斐)があった」という、必ず【過去形】で使うものなんですね、甲斐というのは。
例えば、中小企業診断士を目指してますと。で、たぶん中小企業診断士に合格しようと思ったら、ほとんどの場合は資格学校に通わないといけないんですよ。通信教育か。書店で売っている参考書をやるだけではたぶん受からないんで。1年近くは資格学校に通わなきゃいけない。じゃあ、資格学校を選ぶ上で、勉強しがい(甲斐)がある学校を選ぶかということなんですよ。そんなことありえないですよ。なぜかと言うと、「甲斐」というのは過去を振り返って抱く感情のことなんですよね。つまり、さっきの資格の話で言うと、中小企業診断士に合格しましたと。めっちゃ苦労したと。資格学校は本当に厳しい先生ばかりで何度辞めようと思ったかわからないけれど、最終的に合格したと。「いやー、勉強したかい(甲斐)があったな、この学校で。」って思うものなんですよ。これが甲斐の使い方なんですね。だから、やりがい(甲斐)があるとか、働きがい(甲斐)があるというのは、必ず過去を振り返って抱く感情のことなんです。

森上:うん、うん。

横山:ほとんどの場合、困難なことを乗り越えた後に抱く感情なんですよね。

森上:なるほど。甲斐はね。はい、はい。

横山:ですから、本の中にも書いてあるんですけど、例えば営業組織の中で、1人ちょっと最近仕事に身が入っていないと。そういう営業の担当者がいたとしますよね。そして、営業部長と営業課長が話し合っていると。「あいつ、ちょっと最近まずいんじゃないの?」と。「ちょっとやめちゃいそうですね」と。「最近、あいつ離婚したしな」みたいなね。「なかなか声かけづらいよね」「めっちゃ、落ち込んでますしね」みたいな。でも、このままにしておいたら、彼のためにもならないし、もちろん組織のためにはならない。「あんなやる気がない人が1人でもいたら、組織の雰囲気も悪くなっちゃうし」みたいなことをみんなが言ってると。「じゃあ、わかりました。課長である私がちょっと彼に声をかけてみます」みたいな感じで、彼と話し合ったと。で、「いろいろと事情があったかもしれないんだけど、落ち込んでる姿を見てると組織の雰囲気も悪くなるし、君も健康的にもメンタル的にもよくないだろう。忘れろというのは難しいかもしれないんだけど、目先の仕事に集中して頑張ってやっていこうよ。お前はポテンシャルある人間なんだからさ」と。「忘れることは難しいかもしれないんだけど、一心不乱に営業活動すれば、そして今期の目標を達成すれば、いずれおまえを認めてくれるような、そんな女性が現れるかもしれないしさ」みたいな感じで言ってみると、「余計なお世話ですよ。課長」と言われるかもしれないじゃないですか。だけど、言ってみたらその人が「いや、もう本当にありがとうございます」と。「課長がそんなふうに言ってくれなかったら、もうこの会社を辞めようと思ってたし、会社を辞めたらたぶんどこにも就職せずに、ブラブラしてたと思うので、本当に課長ありがとうございます。これからは心を入れ替えて頑張ります」って言ってくれたと。そしたら、言ったかい(甲斐)があったなと思うじゃないですか。これなんですよ。

森上:なるほど。

横山:甲斐っていうのは、こういうものなんですよ。やったほうがいいのか、やらないほうがいいのか。でもやったほうがいいんだろうなとか。言ったほうがいいんだろうな、とかね。勉強の話もそうですよ。ですから、「勉強しなくてもいいのかなあ」とか、「勉強しなくても受かるんじゃないかな」とかね。「いや、でもここは歯を食いしばって勉強するか」みたいなね。そしたら、「いやー、勉強したところが出たよ」と。「勉強したかい(甲斐)があったな」って。これですよ。甲斐があるっていうのは、こういうものなんです。

森上:はい、はい。

横山:だから、「働きがいがある会社行きたいんです」とか、そんな柔らかい表現で使うんじゃないよっていう。

森上:(笑)。

横山:やる前にやりがい(甲斐)のあることをしたいなっていう表現はおかしいですよ。

森上:確かに、確かに。言葉の使い方として間違ってますよね。

横山:だから、働きやすい会社に行きたいっていうのは論理的に合ってます。それが正しい選択かどうかわからないですけど、働きやすそうだなっていうのはあるし、心理的安全性が高そうだな、エンゲージメントが高そうな組織だなっていうのはわかるんだけど、働きがいっていう意味、わかってないでしょっていう。

森上:うん、うん、うん。なるほどね。いや、これはディスりたくなりますね(笑)。今のお聞きすると、なるほどと思いましたもん。甲斐の使い方が間違ってますね、確かに。いわゆる時間的には過去のことを言う言葉なのに、なんでこれからのことで働きがいって言うのかっていう。その時点でもうちょっとおかしいですもんね。

横山:そう。だから、「働きがいのある組織にしたい」って社長が言っても、どうしたらいいかさっぱりわかんないですよ。働きやすいとかだったらわかるんだけど、働きがいという言葉がそもそもよくわからないから。

森上:確かに、確かに。あと、言葉として思うのが、合っているかどうかわからないですが、働きがいってめちゃめちゃ個人的な賃金とか意見とか価値観とかにすごく左右される言葉だなって思っていて、一概に一辺倒に働きがいというものはなかなかできないんじゃないかなって思いますね。

横山:そうです、そうです。それは目指すものじゃないんですよ。

森上:そういうことですよね。

横山:はい。ですから、例えば「42.195キロを走り切って爽やかな気分になった」とあるじゃないですか。この爽やかな気分になったのは、結果論であって、さわやかな気分になるために42.195キロを走るわけじゃないんですよ。

森上:なるほど、なるほど(笑)。

それ、「イノベーション」じゃなくて「インプルーブメント」です

横山:だから、本質が全然違うんですよ。結果的に働きがいを覚えるかどうかの話で、働きがいなんか別に感じなくたってどっちでもいいんですよ、正直言って。それは結果論であると。あと、もう1個言っていいですが?

森上:ぜひぜひ。もう1個ディスりたい言葉ですか

横山:はい。「PDCA」だったり、「主体性」であったり、「部下を褒めて伸ばす」とか、「仕事を楽しめって言う奴がいる」とか、そういうのを全部ディスってるんですけど。

森上:(笑)。

横山:こんなこと言っていたって、どうしようもないだろと。その中で取り上げたいのは、「イノベーション」なんですね。「イノベーションを起こそう」って奴がいっぱいいるんですけど、イノベーションは起こせないんですよ(笑)。

森上:(笑)。

横山:だから、「いや、起こしていいわけ?」って言いたくなるんですよ。イノベーションの意味わかってないでしょっていう話なんですね。だから、軽い気持ちで使ってる。「イノベーション起こそう。イノベーションを起こそう。」とか、政府の中のイノベーションなんたらかんたら室ってあるんですけど、「いや、イノベーション起こしていいんですか?」って言いたくなるんですよ。で、イノベーションと対比される言葉はインプルーブメントなんですよね。

森上:インプルーブメント。ええ。

横山:イノベーションとインプルーブメントって言いまして、日本語訳だと、カチッとハマらないんですけど、イノベーションは革新とか変革っていうことで、インプルーブメントは改善なんですけど、これだとわかりづらい。だから、わかりやすく言うためには、この表現が1番わかりやすいと思うんですね。イノベーションというのは、非連続的変化なんですよ。

森上:ほぉー。

横山:非連続的変化。そして、インプルーブメントは連続的変化なんですね。つまり、これまでのリソースを活用しながら変化していくのが、インプルーブメントなんですよ。イノベーションというのは、今までのリソースは活用しないということなんですよね。ということは、例えば「営業組織をイノベーションしよう」と言ったら、私は「いったん、営業組織を解雇してください」って言います。「採用から始めましょうか」ってなるので。「はー?」ってなるじゃないですか。「だって、イノベーション起こしたいんでしょ?」ってことです。非連続的変化ですよっていうことです。

森上:「1を0にしちゃう。0を1にする」っていうのがイノベーション?

横山:そうです、そうです。だから、破壊的イノベーションって言うわけですね。いったんリセットしちゃうんですよ。イノベーションの方が簡単なんですよ。いったんリセットできるから。ですから、私どもアタックスって、事業承継にかなりかかわるんですけど、30代、40代の新たな社長さん、みんな言っているのは、「最初っからやり直したい」って言うんですよね。結局、自分の親父さんとか、たまにはお母さんというケースもあるんですけど、だいたい親父さんなんですよ。親父さんがつくった会社とか、自分のおじいちゃんがつくった会社、そうすると重鎮がいるわけですよ。60歳、65歳とか。自分が40歳だとするじゃないですか。自分よりも年上の専務とか、常務とか本部長と部長とかいっぱいいるわけですよ。その中で社長をやるわけですよね。最高経営責任者をやるわけなんだけど、やっぱりみんなの顔色を伺っていかないと。よっぽどのことがない限り独裁政治ってできないんですよ。

森上:なるほど、なるほど。

横山:だけど、そういう人たちが昔ながらのやり方をやろうとするから、会社をなかなか変えられないんです。現状維持バイアスかかっているから。だから「いったんリセットしたい」って言いますよね。「その気持ちはよくわかります、社長」って私も言うんですけど、いったんリセットするってことは、完全にイノベーションなんですよ。だけど、それはほとんどのケースでできないから、今の組織とか、今の設備とか、今の事業とか、今のお客様、そういったものを踏襲しながら、少しずつ変えていかなくちゃいけない。これがインプルーブメントなんですよ。だけど、そのインプルーブメントを何度も何度も繰り返していると、実は原形をとどめなくなっちゃうってことがあるんですね。

森上:ほー。

横山:そうすると、振り返ってみると、「あれ? イノベーション起きてた!」ってこともあるんですよ。インプルーブメントを何回も何回もやっていると、原形がなくなっちゃってるってことがあるんですね。本来はそっちのほうがいいけど、難しいです。だって、これまでのことを踏襲しながらですから。だから『イノベーションのジレンマ』っていう大ベストセラーがあるじゃないですか。

森上:はい。

横山:だから、大企業っていうのは変われないんですよ。

森上:なるほどねー。

横山:典型的な例はメガバンクとかで、今はフィンテックっていうのが台頭しているじゃないですか。で、追いつきたいって言ったって、ものすごい高収入のエリート集団でしょ、メガバンクって言ったら。みんな年俸高いじゃないですか。でも、出しているサービスなんて言うのは数人とか数十人で出しているサービスと遜色なんてないんですよ。だけど、会社の規模がデカい。そこで働いてる人たちの年収がめちゃめちゃ高い。そして、大きなビルを持っているみたいな感じ。そうすると、手数料とか安くできないですよね。

森上:うん、うん。

横山:だから、イノベーション起こせないんですよ。

森上:そういうことですね。

横山:これがイノベーションのジレンマ。だから、いろいろなところで、私は発信してますけど、日本の自動車産業というのは、本当にやばいところにきていて、トヨタでさえ非常に厳しいと言われているんですよね。電気自動車というものが世界中で普及していったら、間違いなく水平分散型になっていくので、そうすると、iPhoneを作るみたいな感じで、スマホを作るみたいな感じで、だいたい台湾か、韓国、中国が工場集積になるんですよ。だから、アメリカ、日本、ドイツとか、そういったところは跡形もなくなっていく。

森上:なるほどー。

横山:私は日立製作所だったんで、日立製作所って今、家電製品をほとんど作ってないですよね。だから今、トヨタ自動車は町を作ったり、飛行機を作ったり、船を作ったりしようとしている。自動車ではこれからはたぶん儲からないからですよ。

森上:なるほどね。

横山:そうすると、トヨタの下に膨大な数の下請けの企業があるんですけど、これがやばいんですよね。日立もそうですけど、日立製作所は残るんだけど、日立製作所の下が本当に淘汰されていったんで。これ、イノベーションのジレンマです。

森上:そういうことですね。そういう意味では、大企業よりも中小企業のほうがインプルーブメントを積み重ねやすい環境にあると言えばある。

横山:あると言えばある。やろうと思ったら、そんなに傷は深くはないですよね。

森上:そういうことですね。

横山:はい。本当にそうです。

森上:イノベーション、イノベーションって気軽に使う、そこの部分が、もう意味を理解しないで言っているという感じで、インプルーブメントレベルの話を、もしかしたらイノベーションって言っている可能性もありますよね、世の中は。

横山:そうなんです、そうなんです(笑)。イノベーションって言っておきながら、ちょっとした変化に対してビビる人っていっぱいいるんですよ(笑)。社長がイノベーションって言っておきながら、「こういうことやりましょう」って言っても、「いやー、なかなかな……」とかって言ったりして、インプルーブメントでさえできないじゃんみたいな(笑)。

「PDCAを回してる」って言うけれど、ホントに回してる

森上:なるほど(笑)。今回のご本にはいくつくらいの言葉が入っているんですか?

横山:そうですね。7つ、8つ、9つくらいあったですかね??

森上:ビジネスパーソンが普段触れている言葉って感じですかね?

横山: PDCAだって、そうですよ。「PDCAが?」って思うかもしれないしれなですけど、誰もPDCAなんか回してないですから。

森上:(笑)。

横山:PDCAなんて絶対回してない。だって、PDCAが1つの言葉になってますもん。「頑張ってやっていこう」っていう意味で言ってるじゃないですか。「PDCA回していこう!」 って。違う違う(笑)!

森上:(笑)。

横山:PはPを作るだけでプロジェクトチームを作らなきゃいけないのに、「PDCA回していこう! なっ!」みたいな感じで、ちょっとうまいこと改善してやっていこうみたいな感じですもん。PDCAの意味じゃないじゃん。PとDとCとAはそれぞれチームをつくってやっていくぐらいのものなんですよ。それを「PDCA! PDCA!」って1つの単語で喋っている人がたくさんいるので、無邪気だなと思いますけど。

森上:なるほどね。本当の意味と今の現状で使われている間違った使い方みたいな、そういったところをしっかりロジカルに横山さん流でぶった切っていくっていうのが、今回の本なんですね。

横山:そうです、そうです。だから、「別に働きがいなんかどっちでもいいじゃん」って言ったりとか、別にPDCA回せないんだったら、回せなくていいじゃんと。試行錯誤を繰り返そうと、同じ意味だろうっていうことで、そういう意味で捉えればいいんだけど、でも頭でっかちで考える人とかいて。「仕事を楽しんでやっていこうぜ」とか、無責任なこと言う人いるじゃないですか。

森上:(笑)。

横山:楽しんでできるなら世話ねぇっていう。

森上:(笑)。

横山:さっきの話と一緒ですよ。楽しむことが目的じゃないんで。

森上:いや、楽しいですね。さっそく、もう今週買えるので、必ずチェックですね。URLはこのチャプターに貼っておきましょう、渡部さん。

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渡部:そうですね。

横山:ありがとうございます。

渡部:いやー、本当にお聞きしていておもしろかったです。PHPさんの『絶対達成する人は言葉の戦闘力」にこだわる』ですが、横山さんが今の感じで読み上げてくれる「オーディオブックが欲しいです。

横山・森上:(笑)。

横山:バカ野郎とか言って(笑)。「そんなこと言ってんじゃねーよ。何がモチベーションだよ。できるやつほどモチベーションなんて使わないんだよ」みたいな(笑)。

渡部:はい。その口調で本当に読みあげていただきたいなと。

横山:いやいやいや(笑)。

森上:でも、横山さん、モチベーションについては相当初期の頃からと言うか、もうずっと、僕がお目にかかったときから言ってましたからね。

横山:そうです、そうです。私のまわりでモチベーションという言葉を使う人は絶対いません。

森上:そうですよね(笑)。

横山:そうです。絶対に。

森上:ちなみに、今回のご本に「モチベーション」は載ってますか?

横山:今回の本のタイトルは、実はモチベーションの本だったんですよ。

森上:そうなんですか!?

横山:本当はそうだったんです。「成功する人はモチベーションという言葉使わない」とか、そういうタイトルだったんですけど、それとよく似たタイトルの本がありましたし、ちょっと使い古されてるんで。でも、第1章でモチベーションが出てくるんですけど。

森上:出てくるんですね! それは楽しみだ。早く読みたいですね。

横山:でも、書籍にも書きましたけど、若い人のほうが圧倒的にモチベーションが高いです。

森上:ほー。

横山:でね、ミドルの人がやたらと自分がモチベーション低いことを部下のせいにするんですよね。だから、「目標は絶対達成しよう」とか言うと、「若い人がモチベーションダウンするから」って、やたらと部長とか課長が言ってくるんですよ。で、私が言い返すんですよ。「わかりました。じゃあ、貴方の部下に会わせてください」と。で、部下に会うじゃないですか。「モチベーション下がるんですか?」って聞いたら、「え! 何の話ですか?」ってなるんですよ。

森上:(笑)。

横山:で、これも日経ビジネスの調査でもわかってるんですね。「なぜ若い人は早めに辞めていくのか?」って。近年、早めに辞めていく人が増えてるのかって、増えてないですよ。データ的には、横ばいなんですね。「最近の若い奴は早く辞めていく」という人がいるんだけど、そんなことないです。データ的に見るとそんなに変わってないんですね。でも、なぜ早く辞めていくかっていう理由が昔と変わっていて、それは何かと言うと、例えば私が「絶対達成させましょう」って言って会社に入りました。で、社長はもちろん合意しています。「そうだね。絶対達成して欲しいから横山さんを呼んだんだ」みたいな。でも、ミドル層は引いてるわけですよ。で、現場の担当者は何が言いたいかっていうと、「はっきりしてくれ」って言ってるんですよ。社長は「絶対達成」。外部のコンサルタントのアタックスも「絶対達成」。でも、私の直属の上司の課長は「いやいや。絶対達成って言っても難しいよね」って言ってると。

森上:なるほど。

横山:「絶対達成なら絶対達成で統一してくれ」って言ってるんですよ。統一してくれたらやります。当たり前だ。だって会社の決定なんだからっていうのは、若い人

森上:若い方のほうが純粋でわかってるわけですね。伝わっているわけですね。

横山:そうそう。だから、社長が「こういう方針だ」って言ってるのに、部課長が「いやー」って言ってることに、モチベーションが下がるんですよ。ここなんですよ。だから、「やれって言ったらやります」って言ってるんですよ。「社会人なんだし、お給料もらってるんだから当たり前ですよ」って言うんですよ。「そうだろう」って言ったら、「そうです」ってなるんですよ。だけど、部課長は「いやー。私はいいですよ。私はいいんです。横山さんの言っていることはわかります。でもね、最近の若い人はそういう言い方では通用しないんですよ」って言ってると。で、わかった、わかったと。アンケート調査しますと。「あなた方のその物言いにみんなモチベーションダウンしてるんですけど。この調査データ、どう思います?」って言ったら、みんなシュンってなります。

森上:(笑)。

横山:で、社長が「おらー! おまえらー!」って言う(笑)。そうなんですよ。部課長が腰引けているんですよ。

森上:なるほどねー。

横山:部下に聞いたら、そうなるじゃないですか。「おまえ、絶対達成って言われたら引くだろ?」って言われたら、「まあ、そう言われればそうですね」と。そう言われたら、そうじゃないですか。だって部課長が引いてんだもん(笑)。

森上:(笑)。なるほどー。いやいやいや、もっとお話を聞きたいですけど、今日のお話も含めて、いろいろな言葉をまとめたのが、今回のPHPさんの本なので、ぜひぜひリスナーの皆さんにもチェックしていただきたいですね。

横山:ぜひ、よろしくお願いします。

森上:はい。本当にどうもありがとうございます。

横山:また、長い時間喋ってしまいました。

渡部:とんでもないです。あと、3倍くらい聞きたい気持ちでしたけど。あと、横山さんもstand.fm始められたんですよね?

横山:そうなんです、そうなんです。stand.fmはVoicyと違って収録もできるし、ライブもできるんですね。

森上:ライブができる! なるほど。それはすごい。

横山:で、出版記念講演もstand.fmでもやるし、いろいろなクラブハウスでもやっていきたいと思っていて、これからは本当にこれが変わってきたと思うんですよ。Zoomでもできるし、昔、森上さんと一緒にいろいろな書籍を出させていただいて、出版記念講演って言ったら、例えば東京で言うと、八重洲ブックセンターとか、名古屋で言うと三省堂で交渉していただいて、やるじゃないですか。ところが今は、自分1人で勝手に企画して、勝手にできるんですよ。

森上:そうですね。本当ですよね。

横山:これはすごい時代になったなと思いまして。

森上:今回のPHPさんの本の出版記念講演会とか、そのあたりの情報ってどこをチェックすれば、リスナーの皆さんは参加できたりするんですか?

横山:1番は私のメルマガだと思います。

森上:横山さんのメルマガですね! かしこまりました。じゃあ、こちらのチャプターにも入れておきますので、そちらもぜひ登録いただいて。そこでご案内いただけるということですね?

▼横山信弘さんメルマガ

横山:はい。よろしくお願いします。

森上:よろしくお願いします。

渡部:では、Voicyさんで宣伝するのもあれですが、横山さんのstand.fm含めメルマガもチェックしていただければと思います。では、改めまして、横山さん、最後にリスナーの皆さんにメッセージをよろしくお願いします。

横山:PHPさんの『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』という書籍もいいんですけれども、フォレスト出版さんから出ている書籍も非常に有益な書籍がたくさんあります。一番売れたのは『「空気」で人を動かす』、そして『絶対達成バイブル』なんですけど、実はフォレスト出版さんから出ている本の中で私が1番好きな本、全体を通じてもそうなんですけど、私が好きでなおかつ自分自身で何度も読み返す本があるんですよ。それを最後にご紹介して終わりにしたいと思います。

森上:ありがとうございます。

横山:それは何かというと『話を噛み合わせる技術』という本なんですよ。もうね、話が噛み合わない奴がいっぱいいるんです。

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森上:(笑)。

横山:なんでなんだろうってことを私がその本でまとめていて、自分自身でも読み返すんです。「あー、そうそうそう。これで話が明後日にいくんだよな、こいつ」みたいな。それを自分で書いておきながら、自分で読んで爆笑したりするんで、ぜひぜひこの書籍も確かキンドルとかでも出ていると思うので。

森上:そうですね。はい。

横山:ぜひチェックしてください。よろしくお願いします。

森上:ありがとうございます。

渡部:ありがとうございました。最後にフォレストの本もご紹介いただいて、本当にありがとうございました。それでは2日間、横山さんにご出演いただきまして本当にありがとうございました。

横山:ありがとうございました。

森上:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)


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