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【フォレスト出版チャンネル#238】ゲスト/マーケター|気鋭のマーケターが教える、マーケティングの基本と新常識

このnoteは2021年10月12日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

渡部:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティの渡部洋平です。本日はとても素晴らしいゲストの方、著者の方に来ていただいております。フォレスト出版チャンネルを聞いていだいている方の中で、月曜日の放送、中原拓哉と私の方で放送している「コンテンツビジネスとダイレクトレスポンスマーケティング」というテーマで話している回があるんですけれども、その回を聞いてくださっている方であれば、今日の情報っていうのは本当に役立つ情報になるんじゃないかなと思いますので、是非楽しみに聞いていただければと思います。それでは、今日は編集者の稲川さんとともにお届けしたいと思います。稲川さん、よろしくお願いいたします。

稲川:よろしくお願いします。

渡部:はい、今日は稲川さんに素晴らしいゲストの方をお招きいただいております。稲川さん、僕の方からご紹介してよろしいでしょうか?

稲川:はい。お願いします。

渡部:本日のゲストは8月にフォレスト出版から『ネットに詳しいだけでネットマーケ担当者になってしまった人が本気でマーケターを目指す本』を出版されました、著者の佐藤昌弘さんです。佐藤さん、本日はよろしくお願いいたします。

佐藤:はい。佐藤です。どうぞよろしくお願いいたします。

渡部:佐藤さんといえば、私たちがフォレスト出版に入社した際に「まずはこの本を読め」と言われるうちの一冊として佐藤さんが監訳された『シュガーマンのマーケティング30の法則』という本があるんですけれども、その本を読んだ時から存じ上げていて、そんな方に今日はゲスト来ていただいて、すごく嬉しく思っています。


渡部:人によっては佐藤さんを今回初めてお知りになる方もいると思いますので、まずは私の方からプロフィールをご紹介させていただきたいと思います。では、佐藤昌弘さんのプロフィールです。

経営コンサルタント、研修講師、作家。株式会社マーケティング・トルネード代表取締役、京都大学経営管理大学院元講師、岐阜大学大学院元非常勤講師。1968年生まれ。愛知県出身。京都大学工学部卒。大手都市ガス会社に勤務後、住宅リフォーム会社を創業。3年で年商3億円まで成長後にバイアウト。2002年、株式会社マーケティング・トルネードを設立。月商数万円の個人事業主から年商一兆円超えの一部上場企業まで、累計5000件以上のコンサルティングを行う。心理学を応用した独自の営業トーク研修やセールスコピーライティングのスキルアドバイスにも定評がある他、マネジメント人材育成、ブランディング形成など。 広範囲にわたって国内外の企業活動支援を行っている。また、講演・執筆による活動も精力的に行っており、著書はベストセラーとなった『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』、『最高の営業デビュー』(日本実業出版社)他多数、監訳には、15万部突破の『シュガーマンのマーケティング30の法則』などがある。

すみません。私の方でだいぶ長くお話してしまったんですが、早速ですが、ここから佐藤さん、そして稲川さんと共に本日の放送とお届けしていきたいと思います。佐藤さん、それではよろしくお願いいたします。

佐藤:はい。こちらこそよろしくお願いします。

noteの無料記事からスタートした企画

渡部:ではまず稲川さん、今回、出版に至った経緯というのを佐藤さんと一緒に教えていただきたいんですけれども。

稲川:はい。今回はnoteと言う媒体があるんですけれども、そこで無料で佐藤昌弘さんに「連載お願いできませんか?」とお願いしたのが一番最初だったんですね。突拍子もなく、いきなり連絡してお願いした経緯がございます。

佐藤:そうでしたね。noteと言うインターネットの媒体というのは無料で文字情報、文章が読めるサイトなんですけれども、出版社としては編集能力と著者の発掘能力っていうのは持っているので、そのプロたちがnoteに記事書いたらそれは面白いだろうと。で、面白いものを書けるんじゃないのかなっていうことで、一緒にやり始めたっていうのが経緯ですよね。

稲川:最初は昌弘さんの方に・・・、私は「昌弘さん」と呼んでるんですけれども・・・、「無料で書いてください」ってお願いしたんですよね(笑)。

佐藤:うん。そうそうそうそう。「いいっすよ」って感じでした。

渡部:すごい(笑)。

稲川:ネットマーケティングの内容ということで、本にすると、もしかしたら情報が古くなっちゃうんじゃないか。noteだったら、そこはクリアできるっていうようなことで、ご理解いただいて、最新の情報と言うか、新しい情報をどんどん記事に書いていただきましょうというのが最初の狙いだったんです。

佐藤:まあ、結局本にしちゃったけどね。

稲川:そうですね(笑)。あまりにも・・・連載20回でしたっけ?

佐藤:はい。

稲川:有料も含めて。それをやって、「これはやっぱり最終的には本でお伝えしたいですよね」というのが、今回の本になったわけです。

佐藤:はい。

渡部:ありがとうございます。では、noteの方で記事が読めるっていうことなんですけど、noteと本では何か違いっていうのはあるんですか?

稲川:はい。noteで何回か連載しようとして、少しnoteだと真面目すぎるなっていうことで割愛した部分とかは本の方にはしっかりと掲載しています。

渡部:では、そのnoteの方のリンクを貼っておくので、是非読んでいただいて、素晴らしいな内容になっていると思うので、気になった方は本書の方も手にとっていただけると嬉しいなと思います。

「言葉の魔術師」と呼ばれ7000社以上をコンサルティング

渡部:その出版というきっかけもあって、今回、佐藤さんにはこのVoicyに来ていただいたんですけれども、ここからはさらに色々とお伺いしていきたいと思います。佐藤さんは、これまで5000社以上の企業のコンサルをされてきたということで、神田昌典さんのパートナーコンサルタントとしてもご活躍されていらっしゃいましたよね。この辺の活動というのはいかがだったのでしょうか?

佐藤:懐かしいですね。もう今から18年ぐらい前、私がマーケティングコンサルタント、セールスコンサルタントとして独立するきっかけをつくっていただいたのは、フォレスト出版さんでも本を出して、ベストセラーの『非常識な成功法則』っていう本の著者である神田昌典さんが一緒にマーケティングやセールスのコンサルタントやってくれるお弟子さんと言うか、そういった方々を募集された時があって、その時に応募して、一緒にやり始めた・・・一緒にやり始めたと言うとおこがましいですけど、神田さんのお弟子さんコンサルタントと言うか、名称はパートナーコンサルタントって言ってくださっていましたけど、弟子っぽいかたちでデビューしたっていうのが経緯ですね。

渡部:「言葉の魔術師」なんてことも言われていたとお伺いしています。

佐藤:はい。コピーライティングが得意だったので、キャッチコピーとかダイレクトメールとか・・・。100通出すと5%ぐらいの申し込みだったダイレクトメールを僕が代筆して、100通出して46%ぐらいのお申し込み率に改善して、もうクライアントさん達からすると、何が起きたのか分からないと。

渡部:とんでもない数字ですよね。

佐藤:ええ。僕自身もちょっと46%にはびっくりしましたけど。これはもうマジックのように見えるっていうことで、「○○の魔術師」みたいなのことがよく言われていたのもあったんでしょうけど、「言葉の魔術師ですね」っていうふうに、お客様の声に書いていただいたのを拾って、あだ名と言うか、何人かが呼んでくれたっていうのはありましたね。

渡部:すごいです。5%っていう反応率も、そもそもいいんじゃないかって気がするんですけど、それを8倍以上っていう。そもそも46%って正直信じられないような、本当に素晴らしいご活躍だったと思うんですけれども。

佐藤:紙のダイレクトメールとインターネットのランディングページはそもそも数字の桁が違っていて、ランディングページで46%はちょっとありえないと思うんですけど、紙のダイレクトメールだと100通出して40%、40組の申し込みっていうのは、まあ何回か見たことはあります。なので、あくまでも紙のものですね。懐かしいです。

渡部:稲川さんはその時はもう佐藤さんと一緒にお仕事をされていたんですか?

稲川:はい。そうですね。もう20年ぐらいお付き合いをさせていただいて、その時はそういったセールスコピーライティングの他にセールスの色んなマーケティング手法を昌弘さんに色々と開陳していただいたんですけれども、僕がびっくりしたのは、それからもう5000社以上になるんですねということなんです。

佐藤:実はもっとですね。

稲川:あ、そうなんですか(笑)。

佐藤:数えるのを途中でやめちゃったんで。

稲川:(笑)。

佐藤:なので、多分7000とか。うちの顧客データベースの中にある、過去に一回でもお金をもらったことがあるお客さんで言うと、もっと登録されているので、多分もっとあるんだと思うんですけど。延べのケーススタディで言ったら、本当にもう数え切れないくらいあります。

渡部:そんなものすごい数、コンサルタントとして企業に変わってきて、先ほどのセールスコピーを代筆したり、そんな陰のマーケターみたいなかたちでもご活躍をしてこられたということなんですけれども、やはり結果を出すっていうことにフォーカスしてお仕事されてきたと思うんですけども、その時のご苦労とか実際に大切にされてきたことはどんなことがあるんでしょう?

佐藤:そうですね。コンサルタントという職業は色んな種類があって、ホームページ制作屋さんの社長もコンサルタントって名乗っている時もあるし、それからパブリックスピーカー、普段講演しかやってない人もコンサルタントって名乗っていることもあるし、あと作家さん、文章だけを中心に書かれている方もコンサルタントって名乗っていることもあるし、色んなコンサルタントがあって、それぞれの持ち味を発揮してお仕事されていらっしゃるんでしょうけど、私の場合は、コンサルタントの中でも実際に企業に入り込むと言うか、企業の現場の業績をあげるお手伝いを直接的にやる仕事が中心なんですね。なので、付随的に、おまけ・・・おまけって言い方は変ですけど、追加で社員研修をやらなきゃいけない必要性が出てくれば、研修もやるし、それも仕事なんですけど。基本的には講演とかセミナーの講師とかっていうのは年間では本当に数えるぐらいしかやってないです。なので、現場での仕事をずっとやっていて、何が一番苦労するかって言うと、正しいアドバイスでも実践してもらえない。

渡部:あー。

佐藤:こうやればうまくいくという結論が分かっていても、ある程度予想が付いても、恐怖感が先に立って、「今までやったことがないからできない」とか、「どうやってやればいいのか分からない」とか、「もし失敗したらどうしよう」っていう不安で、第一歩が出ないっていう。そういうジレンマとか、それから組織の派閥みたいのもあるんですね。ある営業の手法というものを取ってアドバイスをすると、ある派閥がその手法について反対する。で、あるグループは前を見て実践し始めると、「そんなのやったってダメだよ」って、足を引っ張るグループが出てきたり。社内の組織上の問題で、企業の変化が、企業の中の取り組みや試行錯誤というのが、足を引っ張られるケースとか。あとは時代とともに手法が変わったりだとか、製造業だと展示会のセールス手法とか、通販だとGoogle display広告のノウハウだとか、学習塾だと体験学習の時の説明会の手法だとか、っていうふうに業種によって全部セールスの手法なんかも違ってくるので、それを一個一個、具体的に現場で結果を出そうとすると、もう付いていくのも結構大変だったり、「何がサバイバル的にしんどいですか?」って言われると、止まらなくなるぐらい出てきます(笑)。

稲川・渡部:(笑)。

佐藤:やっぱり結果が全てなので。なおかつ、多くの企業さんの場合はコンサルティングがスタートして、最初の結果が出るまでの間が長いと耐えられないんですよね。なので、本当に一か月とか二か月で何らかの手応えや結果が出始めないと続かないので、短期間で結果を出さなきゃいけないっていうのもちょっとしんどい。まあ、そういうことを20年、数えてみればやり続けてきたっていうのが仕事ですね。

渡部:いや、本当にビジネスサバイバルで、まさに現場で結果を出すことに試行錯誤されていらっしゃったんだなと思うんですけど、本当に幅広い業界で結果を出すためにずっと経験されてきたことも含めて、今回は本を出されていらっしゃるんじゃないかなと思います。

佐藤:はい。

アナログもデジタルも「文脈」が大事なのは変わらない

渡部:『ネットに詳しいだけでネットマーケ担当者になってしまった人が本気でマーケターを目指す本』は、ネットマーケティングという世界でサバイバルガイドになるようにということで、今回、佐藤さんと稲川さんでつくってこられたということなんですけれども、ネットが日々進化していく中でマーケティング手法というのも、先ほど佐藤さんがおっしゃっていましたけど、どんどん変化していくんじゃないかと思います。これについていけない会社さんとかも多いんじゃないかなと思うんですけれども、リスナーさんに現在のネットマーケティングの状況みたいなものを教えていただけないでしょうか?

佐藤:そうですね。現在のネットマーケティング状況は4~5年ぐらい前からたいして変わってないっていうのが実際ですね。4~5年前ぐらいまでは随分と色んなgoogleの進化に沿って色々と広告なんかもどんどんと進化してきたり、あとはFacebookっていうSNSの会社が成長していくに限って、その広告媒体としての価値だとか、SNSっていうものの影響だとか、そういったものがどんどん増えていくと、広告の手法なんかもどんどん変わっていくんですね。
なので、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ああいった媒体が影響力を誇っていた時は、テレビの広告手法について知っていればよかったんですね。でも、テレビの影響力が弱まって、YouTubeの影響力が強まってくると、YouTubeでいかにプロモーションをしていくのか、マーケティングをやっていくのかっていうノウハウを調べておかなきゃいけなくて、そういう媒体ごとのパワーバランスがちょっと変化してくと、どんどんマーケティングの手法なんかも変わってくるんですが、ここ2~3年はそのパワーバランスがあんまり狂ってないので、あんまり新しい媒体が出てきているという印象はないです。
ただやっぱりLINE広告なんていうのは、ここ4~5年の間に出てきたっていうんじゃなくて、本当に2020年ぐらいから一気に広まったなあっていう感じはあります。そういう小さいところで言うと、急に成長したメニューみたいなのがあるなっていうのは確かなんですね。

渡部:色々なメディアが成長するにつれて、媒体が増えて、その中で様々なメニューがあるということなので、ここに関しては常に学び続けたり、情報収集を続けなきゃいけない、変わっていく部分なのかなと感じたんですけども、今回の本の中では、その中でも変わらない部分と言うんでしょうか。最も重要な部分として、テクニックに流されるんじゃなくて、ネットユーザーがどういうものを探すのか、検索しているのか、その大きな意味での文脈が大事ということをお書きになっていると思うんですが、この辺も今日はちょっとご解説いただけないでしょうか?

佐藤:そうですね。元々ネットマーケティングって、さっきもお話した通り、LINEだとかSNS、 Facebook、Instagram、最近だとTikTokとか、色んなものが「バズる」っていう言葉で表現されることも多いんですけれど、SNSでどんどん広まっていくということとか、それぞれの媒体で広告・・・Twitterにもツイートと言うものと、広告の2種類があって。で、SNS本来の使い方でバズっていくっていうやり方も当然あるでしょうし、広告でマーケティングをやっていくというやり方も当然あるでしょうし、色んなものが混ざっていると思います。
で、今回の本のタイトルは「ネットに詳しいだけでネットマーケ担当者になってしまった人が」っていう前置きがあるので、どちらかと言うと新人向けと言うか、入門向けと言うか、そういったところに偏って書かれているんですね。なので、本のタイトルは「ネットのマーケ担当者を10年やった人がさらにプロを目指すための本」ではなくて、ネットにちょっと詳しいだけで「君はネット担当者ね!」と言われちゃって、「急に言われてどうしよう」と戸惑っているレベルの人の本だとして考えて、そこに焦点を絞ってお話しすると、「文脈が大事」っていうのはやっぱりアナログのマーケティングでも、デジタルマーケティングでも、あんまり変わることではなくて、例えば世の中のほとんどのお店っていうのは、来店型のお店、床屋さんだとか、レストランだとか、中華料理屋さんだとか、そういったところのほとんどはグーグルマップでさえちゃんとできていないんですよ。グーグルマップの管理画面でさえちゃんと操作できていないとすると、「グーグルマップができるのは当然」っていうのは、メジャーな考え方ではなくて、ある一部の最先端の人達だけ出来事で、世の中全般的に見ると、まだまだ「グーグルマップって何それ?」っていうレベルの人の方が大半で、そっちがメジャー、そっちが普通なんです。その普通の人達に向けて、まず「文脈が大事」っていうのを言いたいんですけれど、そもそも「文脈が大事」の例を挙げてお話すると、「住宅を建てたい」という人が、「住宅展示場 名古屋市中村区」で検索した時に、何を意図しているのかっていうことなんですね。「住宅展示場 名古屋市中村区」で検索した人は、何を意図しているんだろう。ここの想像力って、ものすごく大事なんですよ。これ、実は「住宅展示場」ってわざわざ入れているっていうことは、そもそも住宅展示場があるはずなんだけど、○○ハウジングっていう名前が思い出せないから、「何の名前だったっけな?」って、名前を思い出すために検索しているっていう意図もあるし、それから「住宅展示場、名古屋市中村区」って検索した人は「そこにダイワハウスも出店していたっけ?」って調べている可能性だってあるし、それから「そもそもどうやって行くんだっけ?」って、アクセス情報、地図情報を探してる人もいるし、なんで「住宅展示場」という言葉を使って「モデルハウス」という単語で検索しなかったんだろうとか、ここら辺の想像力を働かせると、「住宅展示場 名古屋市中村区」って検索した人って、何を意図して検索しているのかっていうのが、なんとなく見え隠れしてくるんですよね。どれが正しいかは分からないですよ。でも、そこを見落としていると何のビジネスチャンスも働かない。で、そこに地元の工務店が何も対策を練ってないのはなぜなんだろうと。「住宅展示場 名古屋市中村区」で検索している人達がたくさんいて、様々な意図を持って、そこで探し倒しているのに、そこに地元の工務店が一個も絡もうとしてこないっていうのは「何してんの?」と僕は思うわけですね。

渡部:うん、うん。

佐藤:で、「どうやって絡んだらいいの?」って、今度は言ってくるんですけど、そこは例えば、「住宅展示場の見学のコツを建築屋の社長が教えます!」とか、そういうブログを書いたり、YouTubeの番組をつくったり、色んな絡み方があるでしょうって思うんですけど。そうやって探している人たちがいて、その探している意図があって、意図の中に解説記事みたいなのが仕込まれてくると、うまく文脈が流れていく。自分に有利に、地元の工務店の社長の狙い通りに文脈が流れていくということになると思うんです。
これは、アナログの世界でも、地元のミニコミ新聞を読んでいる主婦が、どこに面白いレストランあるかなっていうふうに、レストランのクーポン券を探している時に、そこにどんな広告を載せれば、どんなコピーを載せれば、文脈に違和感なく自分のお店の広告を見てもらえるだろうかっていうふうに頭を働かせる想像力と似たところがあるんですね。
だから、地元の新聞に不動産屋さんが広告を打つ時には不動産情報のページに広告を打った方がいい。「なんで一面に広告が打たないの?」「なんで不動産のページに広告打つの?」っていうと、意図があるからですね。それと、同じ様に「住宅展示場 名古屋市中村区」と検索したところに、工務店が釣り糸を垂らすっていうのも同じ様にこの文脈を働かせるということなので、そこはもう「PPC広告どうするかとか?」とか、「リマーケ何やるか」とか、「SNSでどういう記事書くか」とか、そういう小手先のテクニックよりも大原則で、一番重視しなきゃいけない考え方です。

渡部:うん。

佐藤:めちゃくちゃ難しい話を、すごい早口で言ったけど大丈夫かな(笑)?

渡部:ありがとうございます。どうしてもインターネットマーケティングって言うと、手法に走りがちなんですけど、それより前提がないとそもそもできないっていうのは聞いている方もすごく感じたんじゃないのかなって思いましたね。

ターゲティングを正確に把握している会社はほとんどない

稲川:渡部さん、本の中でも書かれているんですが、ターゲティングって、よく我々はマーケティングで使いますけど、ただ、それが結構、「いや分かっていますよ」って言う会社さんが、実は分かっていないっていうのが、多いんですよね?

佐藤:多いです。多いと言うか、わかっている会社なんてほぼない。

稲川:ほぼないですか(笑)?

佐藤:はい。

稲川:やっぱりF1からF4とか、プロトタイプでターゲティングして、それでターゲットができたみたいな。そんな感覚なんですかね?

佐藤:それはもう古いですね。

稲川:古いですよね。

佐藤:はい。その分類の仕方で考えてもうまくいかない。

稲川:それはネットだからですか?

佐藤:いや、時代的にもう古いですね。ちょっと話がずれるんだけど、大事な話なんで・・・個性的であることが、個性的な商品を選ぶことが、選択肢を狭めるという時代から、個性的である選択肢を・・・例えば冷蔵庫とか。「冷蔵庫の柄にこだわりたい」「ひょうたんみたいな形の冷蔵庫が欲しい」とか言い出すと、物が高くなっていく、探せない、入手できない、壊れやすい。個性的なものを選べばリスクしかないんですよね、昔は。
今はどんどん個性的な物を選ぶ方がメリットが大きくなってきているんですよ。どんどん自分にぴったりな物が見つかる時代になってきています。家電はまだ遅いんですけど、文房具とか化粧品とか、どんどん自分が個性的な物を選んでも、世の中にはどれだけ細分化してもそこに付いてきてくれる商品がもうあるんですね。
なので、どんどんやんわりターゲティングしていた時代から、グッと絞り込んでターゲティングしていった方がコンバージョン率も高くなる時代になってきているんですよ。
万人受けにマーケティングをやっていれば、なんとかうまくいった時代から、今は万人受けのマーケティングに取り組めば取り組むほど高コスト体質になっていくだけなので、そうするとターゲティングというのは以前の古いざっくりとしたターゲティングよりも、もっとシビアに、ディテールまで描写したターゲティングに絞り込んでいかないと上手くいかないんですよ。
なので、「ターゲティングはやっていますよ」って言って、よく調べていくと、「そのやり方だと今は通用しないよ。だから、もうちょっとこういうふうにターゲティングをやり直そうね」っていうふうにコンサルをし直さなきゃいけないっていうのは、ほぼ毎回ですね。そういう会社しかコンサルタントを頼んできていないっていうのもあるかもしれないけど。

渡部:そう言われると、果たして自分はできているだろうかっていうふうに、僕自身も不安になり、かつ、今聞いてくださっているリスナーさんがマーケティング関連のお仕事をされていたらちょっとハッとしたんじゃないかなと思うんですけれども。この続きに関しても、まだお伺いしたいんですけど、明日の放送にもご出演いただけるということですので、明日はもう少し具体的にお話をお伺いしていきたいと思っております。

佐藤:はい。

渡部:次回は、現在の主流とも言えるランディングページからの集客・販売についてお話しを伺っていきたいと思っております。佐藤さん、今日は本当にありがとうございました。また、明日もよろしくお願いします。

佐藤:はい。ありがとうございます。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)


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