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「いい商品が必ず売れるわけではない」の解決法

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

ものづくりやコンテンツづくりにおいて、買ってくださるお客様に満足いただける商品をつくる――。これは、ものづくりにかかわる人間にとって必要不可欠なエッセンスであり、それを目指して日々取り組んでいるわけです。

ただ、「いい商品だったら必ず売れるのか?」といえば、そう言い切れないのがビジネスです。つくる段階はもちろんのこと、売る段階でもユーザー目線に立った考え方や方法があるわけです。

【サブスク×D2C×単品リピート通販】を体系化し、自身はもとより、コンサルを受けた中小零細企業、個人事業主が軒並み結果を出している、サブスクD2C界の第一人者・新井亨さんは、新刊『「サブスクD2C」のすごい売り方』の中で、ユーザー目線に立った商品の売り方について、詳しく解説しています。今回は、同書の中から、その該当箇所を一部抜粋・編集してご紹介します。

いい商品が必ず売れるわけではない

 ものづくりの職人さんがよく口にするセリフがあります。
「いいものをつくっていれば、必ず売れる」
 確かにそれは間違いではなく、いいものでなければ広く売れていかないのも事実でしょう。
 けれども、「いいものであれば必ず売れるか?」と言われれば、決してそうではありません。
 これはものづくりに携わるメーカーが陥ってしまいがちな勘違いで、マーケティングの観点から言えば、商品が良いからといって必ずしも売れるわけではないのです。
 商品が良ければ、消費者はきっとわかってくれるはず……というのは、作り手のおごりとさえ言えます。「良いもの」と思っているのが自分目線であるなら、なおさら勘違いのもとでしょう。消費者の視点を無視して商品を売ろうとしても売れるはずもなく、そのビジネスは決して成功にはつながりません。
 あくまでも、ユーザー目線に立った商品の売り方にこだわっていくことが重要で、決して売り手の独りよがりにならないことが大事です。その意味でも、買い手の視点に立った上での気をつけたい「売り方」についてここで解説します。

商品のオファーは3つまで

 商品を売りたいときには、多くても3つまでの組み合わせにすることが有効です。それ以上は買い手も混乱してしまい、結局買わない理由を与えてしまうだけです。
 たとえば飲食店でも、料理のコースメニューは松竹梅のような3つに限定しているところが多くあります。人間は1つでも不明なもの、頭に入ってこないものがあれば、選択すること自体を止めてしまいます。
 レストランのランチコースも、AからCの3つであれば選んでもらえますが、そこにDが加わって4つになると、お客様は思考回路が寸断されて選ぶことを嫌悪してしまうのです。
「バリエーションが豊富なほうが好まれる」と考え、商品の種類を増やそうと選択肢をつくりすぎると、かえって売上が下がるのはよくあることです。単品であればシンプルこの上ありませんが、セット売りなどを考えるときも、3通り程度のラインナップにとどめておきましょう。

販売する前に正解を考えてしまうのはNG

 物事に仮説を立てて考えるのは大事なことですが、仮説を正解と思い込むような独りよがりの思考は禁物です。何がヒット商品になるかという正解が、販売前にわかることなどあり得ません。あくまでも市場に謙虚になるべきで、「○○に違いない」という高飛車な思考は、結果的に自分の首を絞めてしまいます。
 私がこれまで世の中に出してきた商品はすべて、年間10億円以上の売上がありますが、それはお客様の反応や反響を見ながらデータ化し、それを活かして改善し検証していくPDCAを高速で繰り返してきたからこそなしえたものです。
 答えはお客様の行動と思考にあり、それに近づけていくことで正解が得られます。つまり、何カ月も商品企画に時間をかけて市場に出すよりも、まずは市場に投入し、ユーザーの反応とフィードバックをもらった上で検証と改善を繰り返していくことで、ヒット商品が生まれる確率が格段に上がるわけです。

A/Bテストを活用する

 マーケティングには「A/Bテスト」というものがあります。インターネット上のWebサイトやLPを最適化するために実施するテストの1つです。
 キャッチコピーを変えたり、画像を変えるなど、特定の要素を変更したAパターン、Bパターンを作成し、ランダムにユーザーに表示し、それぞれの成果を比較検証します。「A/B」とは言うものの、3パターン以上でテストすることもあります。
 そしてテストの結果、成果の高かったパターンを実装していくことで、LPのクリック率やコンバージョン率が向上していきます。
 自分ではAが良いと思っていたけれど、Bの反応が良ければ、正解はBとなります。A/Bテストを繰り返し、常に最適化を図っていくことで売上アップや利益の最大化につながります。
「自分にとっての良い商品が必ず売れるわけではない」という考えを肝に銘じ、キャッチコピーを変えてみたり、オファーの切り口を変えてみるなど、検証を重ねていきましょう。地道ではありますが、これを繰り返していくことが、ビジネスの成功のカギとなります。

売れない商品は深追いしない

 市場に投入してみて、3カ月程度の期間で、商品の売れ行きや継続率を見ていきます。そのとき、売れない商品は損切りしてでも止める勇気を持ちましょう。
「これは良い商品だから、やがて必ず売れるはず」と深追いする人をよく目にします。商品に自信を持つことは必要ですし、粘り強く売っていくという姿勢自体は大事ですが、深追いしてはダメなのです。
 あなたの自信や判断ではなく、あくまでもお客様の判断がどうであるかが肝心です。お客様、つまりは市場にダメと判断されたものは決して売れません。そのことを速やかに自覚して、損切りしてでも止めるべきです。冷静な判断が重要で、何度も言いますが、自分にとっての良い商品が必ずしも売れるわけではないことを忘れないでください。自分本位、独りよがりになっては、このビジネスは決して成功しません。
 ただし、その判断を感覚値だけで行なうのは禁物です。たとえば、販売続行か中止か、それを判断するためのデータを、マーケティングのパートナー会社や広告代理店からもらうといいでしょう。こうしたデータもマーケティングのデータとして定量化されていますから利用すべきです。商品に固執せず、柔軟な思考と発想で市場にしっかりと目を凝らしておくことが大切です。

【著者プロフィール】
新井 亨(あらい・とおる)

サブスクD2C総研株式会社代表取締役。株式会社Telemarketing One代表取締役。年商50億円以上の企業のサポートも行なうサブスクD2C業界の第一人者。埼玉生まれ。University of Wales MBA卒業。北京へ留学し在学中に貿易会社事業などで起業。その後、北京へ渡り、不動産、美容、貿易など複数ビジネスを成功させる。帰国後、上場企業などの相談役などを経てオリジナルブランドを立ち上げ販売開始から8カ月で月商1億円を突破。商品開発からクリエイティブの作成、CRMまですべて自社で行なうなど圧倒的な成果をおさめる。集客・運用・CRMについて上場会社とのセミナーを全国で行なっている。企業に対してサブスクビジネスを教えるサブスクD2Cオンラインアカデミーの塾長も務めている。コールセンターを使ったLTV引き上げを得意としており、成功者を多数輩出、サポートした企業の累計売上は100億円を超えている。

いかがでしたか?

今回ご紹介した新井さんの新刊『「サブスクD2C」のすごい売り方』では、著者・新井さんが実践、体系化した「サブスク×D2C×単品リピート通販」の仕組みとノウハウを完全公開しています。興味のある方はチェックしてみてください。

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