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【肝臓専門医が教える】肝臓にやさしいベストな「飲む時間」

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

「沈黙の臓器」として知られる肝臓。自覚症状が出ない臓器だからこそ、労りながらお酒を楽しみたいものですよね。

酒好き肝臓専門医として知られる栗原毅先生によれば、「飲む時間」によって、肝臓への負担はかなり変わってくると言います。

コロナ禍で居酒屋などで飲む機会が激減し、「今日は一軒だけにして、早く帰ろう」と肝に銘じていても、つい気持ちが揺らいで、「いつの間にやら、はしご酒」という機会も少なくなったでしょう。

では、家飲みだと大丈夫かというとそうでもなく、逆にダラダラと遅くまで飲みがちになってしまう人も多いのではないでしょうか?

今回は、栗原先生の著書『酒好き肝臓専門医が教える カラダにいい飲み方』の中から、同じお酒を飲むにも肝臓に負担をかけないで済む、ベストな飲む時間飲んで帰った夜のベストな過ごし方を公開します。

なぜ「はしご酒」はやめたほうがいいのか?

楽しいお酒は大いに歓迎ですが、だらだらと遅くまで飲むのは慎みたいものです。

日本酒1合のアルコールを体外へ排出するには、約4時間かかります。19時から飲み始めて30分で1合の日本酒を飲んだとすると、きれいにアルコールがなくなるのは、日付が変わる頃になります。これなら、素面(しらふ)の状態でベッドに入ることができそうです。

ところが、22時まで飲むと、代謝・排出が終わるのが午前3時になります。さらに、「もう一軒!」となって深夜0時まで飲み続けると、肝臓は朝方まで働き続けることになるのです。

二日酔いは、体の中に有害なアセトアルデヒドが残っている状態です。飲む量がそれほど多くなくても、だらだら遅くまで酒場にいると二日酔いになりやすいといえます。

これは家で飲んでいるときも同じです。なるべく、21〜22時には切り上げたいものです。

逆に短時間に杯を重ねるのもよくありません。いうまでもなく、短時間のうちに肝臓にまとまった量のアルコールが流れ込むからです。特に深夜の時間帯に強いお酒をグイグイ飲むのはやめてください。

19時から2時間くらい、つまり、19時スタートで21時まで、リラックスできる相手と一杯やるのがちょうどいいということになります。

ナメてはいけない、「飲んで記憶をなくす」のリスク

暗いお酒や絡み酒も慎みたいものです。

相手に迷惑をかけるばかりでなく、自分自身のストレスになります。本来、ストレスを発散するから健康にいいわけで、逆にストレスを溜め込んでは本末転倒です。ストレスは血圧を上げるばかりでなく、自律神経を不安定にします。さまざまな病気の原因にもなりかねません。いつも明るく気持ちよく飲みたいものです。

「飲んで記憶をなくした」という経験のある人もいるでしょう。これはアルコールによって、脳の海馬が障害を受けるために起こる現象です。認知症などの遠因になる可能性がありますので、心当たりがある人は注意が必要です。

アルコールは胃や食道を強く刺激して、がんの原因になる可能性もあります。食道の粘膜はとても薄くて傷つきやすいのです。吐くような飲み方をすると、ダメージが大きくなり、食道がんのリスクも高まります。気分が悪くなったときは、胃酸を抑えるタイプの胃薬が効果的です。

飲んで帰った夜のベストな過ごし方

お風呂はリラックス効果が期待できる、すばらしい習慣です。仕事から帰って温かいお湯に浸かると、「ああ、日本人でよかったなぁ」と実感しますね。

ところが、飲んで帰った後のお風呂には、危険が潜んでいるのです。お酒を飲むと緊張が解けてリラックスできますね。これはアルコールによって血管が拡張している証拠です。実際に計測すると、アルコールを飲んだ後に血圧が下がることがわかっています。人によっては、50㎜HGも下がることがあります。お酒で血圧が下がった状態でお風呂に入ると、さらに血圧が下がり、脳貧血のリスクが発生します。

湯船から立ち上がるときが一番危険です。少しでも不安を感じたら、手すりを持ってゆっくりと立ち上がるようにしてください。熱過ぎるお湯も危険です。低くなった血圧が一気に上昇して脳梗塞を起こしやすくなるのです。これを「ヒートショック」といいます。お酒による脱水症状によって血液が濃厚な状態では、さらにリスクが高くなります。飲んだ日のお風呂は控えて、シャワーにするのが賢明です。

「寝酒するとよく眠れる」という大きな誤解

飲んできたにもかかわらず、ダメ押しの寝酒を飲む人がいますが、これもよくありません。「よく眠れるような気がする」といいますが、実際には睡眠の質が悪化します。

図1

寝つきの際に深いノンレム睡眠を得られても、その後の睡眠が浅くなってしまうのです。翌朝に疲れが取れていない人は、寝酒が原因かもしれません。

しかも何よりも肝臓に負担がかかります。肝臓の側からすると、寝る前に仕事を押しつけられれば、徹夜の作業となります。これでは肝臓がかわいそうです。

栗原先生の著書『酒好き肝臓専門医が教える カラダにいい飲み方』では、【酒&つまみ選び】から【飲む量】【飲む時間帯】【飲食の順番】【肝臓のパフォーマンスを上げる方法】まで、誰でもすぐに実践できる、肝臓に負担をかけない、健康的なお酒の飲み方を解説していますので、気になる人はチェックしてみてください。

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