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「本づくり」と「企画づくり」の舞台裏

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フォレスト出版の編集者が、どのように企画を立て、どのように本づくりをしているのかをリアルに語ります。
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#企画

「量か質か」という問題を考えてみた。

フォレスト出版編集部の寺崎です。 わが編集部では、新人が入社すると必ず通る道に「10本ノック」というトレーニングがあります(すでに他社で実績を出している編集者には特に課されません)。 「編集の仕事が初めて」「書籍企画そのものが未経験」という社員には、月曜日・水曜日・金曜日にそれぞれ10本ずつ、1週間につき計30本の企画立案をしてもらいます。 企画立案といっても、しっかりした企画書にまとめるわけではなく、①タイトル案、②キャッチコピー、③著者候補(著者名+簡単なプロフィー

気になるニュース記事から書籍企画案を考えてみた。

フォレスト出版編集部の寺崎です。 フォレスト出版では伝統的な(?)企画アイデア出しの手法に「企画10本ノック」というものがあります。先日、古株社員に聞いたら、かつての長倉編集長時代に始めたそうです。 企画10本ノックとは、企画案を毎日10本考えるというシンプルな方法です。これを数週間~数か月続けます。最近では、毎日10本ではなく、週30本程度に緩和していますが。 1本ずつどんな要素を考えるのかというと・・・ 要素①タイトル案 要素②キャッチコピー 要素③簡単な企画概要

【フォレスト出版チャンネル#144】出版の裏側|「企画」とはなにか(後編)

このnoteは2021年6月3日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。 ▼前編はこちら 企画力に必要なもの④ センス――企画には「センス」が必要か?今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。今回は昨日に引き続き「企画となんぞや」ということで、残りの3つのポイントをお話していきたいと思います。森上さん、寺崎さん、よろしくお願いします。 森上・寺崎:よろしくお願いします。 今

【フォレスト出版チャンネル#143】出版の裏側|「企画」とはなにか(前編)

このnoteは2021年6月2日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。 そもそも「企画」ってなんだ? 今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーを務める今井佐和です。今回は「企画力」をテーマにお話をしていきたいと思います。そこで二人の編集者およびしました。フォレスト出版編集長の森上さんと、副編集長の寺崎さんです。よろしくお願いします。 森上・寺崎:よろしくお願いします。 今井:早速なんですけれども

ビジネス書ベストセラー200冊のタイトルをテキストマイニングして、最強に売れそうなタイトルを考えた

本日、編集会議なのですが、昨日、なかなか企画がまとまらず、困ってしまいました。 私の場合、企画を立てるときは、大きく2つのアプローチがあります。 1つ目は「著者ありきで考える」。著者の経歴から、何か新しいテーマを生み出せないかを考えます。 2つ目は「テーマありきで考える」。思いついたテーマを面白く料理してくれそうな著者を探します。 しかし、それで答えが出ればいいのですが、煮詰まることが多いのが事実。 そこで、新たに第3のアプローチから考えてみることにしました。 それは「タイト

「企画力」について考えてみる。

先日、取り壊される建物のガラスに子どもたちで絵を描こうというイベントのチラシをみつけて、娘に「こういう企画があるから、参加してみない?」と話したところ、「パパ、・・・キカクって、なぁに?」と問われた。 はて、企画ってなんだろう・・・と思い、とっさに答えたのが「面白いことを考えることだよ!」でした。 出版社の人間はとくに深い考えもなく「企画する」「企画書を書く」「いい企画」「クソな企画」「企画倒れ」という風に「企画」というワードを頻繁に用います。 そもそも「企画」ってなん

【本づくりの舞台裏】企画アイデアの探しかたとアウトプットのコツ

フォレスト出版編集部の寺崎です。 以前「【本づくりの舞台裏】企画が通る・通らない問題」という記事で年間50本程度の企画書を提出するなんて話をしましたが、これは単に「企画会議に提出する本数」で、実際にはボツになったお蔵入りアイデアが死屍累々なわけです。 編集者は「企画のアイデア」を形にして飯を食っているので、アイデアがわかないと生活が立ち行かなくなる。 じゃあ、そのアイデアはどうやって生み出すのかというと、企画になりそうな材料(ネタ)を日々探すほかありません。 企画のア

ふと目に留まった1冊から、その企画は始まった

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 私事で恐縮ですが、90年代から2000年代は、雑誌を読み漁っていました。高校時代の「Hot-Dog PRESS」はもとより、大学時代からは4大週刊誌(ポスト、現代、文春、新潮)をはじめ、「噂の真相」「新潮45」「rockin'on」「月刊カドカワ」「CREA」「サライ」「ダカーポ」「鳩よ!」「BRUTUS」「東京人」「月刊創」「サイゾー」など、男性誌からサブカル誌、一部女性誌まで、ジャンルは比較的幅広かったような気がします。

【企画会議 #2】弊社の企画書フォーマットを公開します。

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 前回の記事では、弊社の「企画会議」について書きました。 今回は、企画会議に各編集者が持ち寄る企画書では「どんな情報が求められるのか?」。いわゆる「企画書フォーマット」についてお伝えしたいと思います。 当然ながら、企画書フォーマットは、出版社によって異なります。 ここでお伝えするのは、弊社の会議で検討する際、企画書に求められる必要最低限の要素項目であると思ってお読みいただければ幸いです。 ※2020年5月時点の弊社の企画書

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【本づくりの舞台裏】編集者はどうやって企画を立てるのか。

こんにちは。フォレスト出版編集部の寺崎です。 シリーズ前回は「【本づくりの舞台裏】編集者は書籍のタイトルをどうやって練るか。」でしたが、今回は本づくり、書籍コンテンツの最初の「企画を立てる」について考えてみます。 なにかしらアイデアの芽を見つけたら、「企画書」という形に落とし込むまでがファーストステップです。本稿では「アイデア」⇒「企画書」に至るまでの過程を分解してみます。 ネタを集める『ネタ』 ねたとは「生活の糧」を意味する「飯の種」などに見られる『種(たね)』の倒

【本づくりの舞台裏】企画が通る・通らない問題

フォレスト出版編集部の寺崎です。 先日、とある他社の出版社の方々とZOOMで雑談する機会がありました。その版元はビジネス書とは異なるジャンルでしたが、ジャンル以外にもいろいろ違いがあって新鮮でした。 フォレスト出版は「月2回の企画会議」「1回の会議で2本以上の企画書を提出」をノルマにしています。刊行予定点数が足りない場合は2本以上出してもいいし、最近だと書店流通させないネット販売限定書籍とか、ボーンデジタルといった企画もあるので、それらは「+α」の企画として本数には数えま

第1回#仕込み中書籍企画『ポリコレの研究』(仮)――ポリコレ企画に読者ニーズはあるのか?

こんにちは。 フォレスト出版の石黒です。 現在、私の脳内で『ポリコレの研究(仮)』という書籍企画を検討中なのですが、私自身がポリコレに対して不見識なこともあり、著者を決め、企画書や明確なコンセプト、読者層、構成案(目次みたいなもの)をまとめるにあたり、自身である程度学んでいかなければならないと感じています。 そこでこのnoteの場を借りて、ポリコレに関する考察やネタを、不定期でゆるく記していきたいと思っております。 読者の方とともに「ポリコレ」への理解を含め、著者が決まり、