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エンゲージメントの【5C】 コモンパーパス&コネクトのまとめ①

前回まで、私の体験談とコモンパーパスについてお伝えしました。

結婚式場の支配人だった私が、部下たちの「最高の結婚式」という抽象的なテーマを掘り下げて共通点を探した結果、具体的に「親に感謝を伝える結婚式」というコモンパーパスが発見され、

それを具体化した「親専属プランナー」や新郎新婦の感謝エピソードを紹介する「感謝式」などを開発した結果、

そのプロセスの中でチームが一丸となり、天敵同士が手を組み、悪化していた関係性も改善し、営業成績が倍になったという体験でした。


コモンパーパスとはなんだったのか?

コモンパーパスについては一般的にはその会社の「経営理念」を指して使われます。自社の存在意義や大義である理念への共感が、従業員の迷いを消し、力を生みます。

じゃあ、理念教育をして共感する社員が増えればエンゲージメントは増えるのか?と言うと答えはYesです。

Yesなんですが、上場企業やスタートアップまで色々な企業の経営理念構築を経験してきた私の実感としては、理念が現場に力を与えるコモンパーパスとしてはパワー不足になってしまうケースも存在します。

スタートアップなど、規模の小さい会社はかなり尖ったシャープな理念を持っているケースは、理念そのものが、一人ひとりにとってどんな意味があるのか?何に共感してるのか?を素直に考えればいいのですが、問題は大企業です。

理念そのままではパワー不足のケースも

特に複数の事業を抱えている大企業では、経営理念はその全ての事業価値や、多様な社員の価値観全てを包み込んだ文言で構成する必要があるので、抽象的な表現にならざるを得ません。

「物心両面の幸福を希求し〜」みたいな理念は、誰もが共感できる反面、抽象的すぎて行動レベルだと具体的に何をすれば良いかがわかりにくいという弱点があります。

ですので、運用を続けていく必要がある現場視点で考えると、理念そのものでは力が入りにくいケースでは、理念に紐づいたもう一段具体的なチームの目標を自分たちで設定する必要があるのです。

もちろん業務をする上でチームにはすでに目標が置かれていると思いますが、大体の場合は「共感される」目標ではないため、自分たちで共感できる意味づけを施す必要があるのです。

どれぐらいの具体性が適切なのか??

厳密な定義にとらわれすぎて難しく考える必要もありません。

結論コモンパーパスを設定する目的は、①人の力を限界以上に引き出し、②その力を一点に集中させることにあります。

だから今ここにいるメンバーたちが共感できて集中できるものなら、抽象具体のレベル感の定義はどうでも良く、メンバーがしっくりくるかどうか、定義よりフィーリングで決定して良いのです。

やってるうちにしっくりこなかったり、もっと良い表現が見つかれば変更だってOKです。時間をかけてじっくり作るより、パッパと設定してメンバーの表情を見て少しづつ腹落ちできる目標を探せば良いのです。

全員が一致する必要があるのか?

カレーが好きな人もいればラーメンが好きな人もいるように、人の好みや価値観は様々。ですので、全員の共感ランキング1位が揃わなくても問題ありません。

ただ、みんなで決めたコモンパーパスに全く意味を感じないとか、関心がないとか、自分にとってはランキングのかなり下位、みたいなメンバーが多い場合は、コモンパーパスとしてのチームへの良い影響は期待できません。考え直すことをお勧めします。

大多数は共感してるけど、ランキングが低いメンバーもちらほらといる場合には、低ランキングのメンバーの共感を上げてもらえるように働きかけを試してみます。(強制するのはNGです。)

例えば、共感してるメンバーから、「何がいいのか」「なぜ共感してるのか」をプレゼンしてもらうことで、低いメンバーのコモンパーパスに対する理解を深めることができ、ランキングを引き上げられる可能性があります。

ランキング低メンバーの、コモンパーパスに共感できない理由をしっかり聞いてあげて支援できるところは支援してあげたり、

共感できてないとはいえ、少しでも共感できているところを聞いていく上げることでランキングが上がることもあります。

コモンパーパスのキャッチフレーズを変えるだけで共感の力が変わるケースもあります。全員が共感10点満点になる必要はありませんが、0.1点だけでも上がるとしたら、を考えていろいろメンバーで試してみると良いでしょう。

会社からすでに目標が与えられている場合

普通、会社ではチームの目標が決まっていて、リーダーがメンバーにうまいこと納得させるというのが一般的です。

でもこの目標は、力を発揮させる目標ではありません。

力を発揮させる目標に置き換えるためにリーダーはいるのです。目標の数値を変えろとか、無視しろという意味ではありません。先述の結婚式場の事例でも、「親に感謝を伝える結婚式」とおきましたが、新規来館数、新規決定率、新規獲得数、売上に関する目標はありましたし、きちんとモニターを重していました。

この定量的な目標とリンクするような定性的な、ストーリー的な目標の方が多くのスタッフに火をつけることができるので、並走できるような目標を設定しましょう。

次回作る手順や注意点について、補足をしますね!

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