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部下のハートを掴んで離さないモテ上司1on1

前回、部下のエンゲージメントを上げるための1on1の事前準備や話す内容についてのセオリーをお伝えしました。

今回も引き続き1on1についてお話しします。

今日は1on1時に手軽に部下のエンゲージメントやパフォーマンスを確認できる方法や、部下の本音を引き出しやすい質問の仕方や、誰でも無料ですぐに使えるツールの使い方についてお伝えします。


【5C】についてそのまま部下に質問する

エンゲージメントに関わる【5C】について以前書かせていただきました。


1on1で上司部下双方とも、特にテーマがないときは、これらを使うのが超超超おすすめです。

・チームゴールの達成は自分にとって意味がある(コモンパーパス,コネクト)
・チームの中で率直に意見を言い合えている(コミュニケーション)
・日常的に強みを使えている(コラボレーション)
・上司の期待と部下が認識している役割にギャップがない(コラボレーション)
・上司に提供してほしい情報やリソースは十分である(コラボレーション)
・良い仕事をした時に褒めてもらえる(セレブレーション)

上記は【5C】に関わる内容です。これをそのまま聞いてみるというのはとても使えます。例えば、部下に各項目に10点満点で点数をつけてもらって、気になる項目の理由や現在の不満やストレス、改善アイデアについて話し合います。

全部質問すると、結構時間がかかるので、何週かに分けて聞いてみたり、四半期に一度、ゆっくり部下のチームに対する評価を一緒に確認する時間をとってみると良いです。

その際、部下に【5C】を説明し、この項目の評価が上がると、部下自身のやる気や仕事の楽しさがあがりそうか確認し、答えがYESなら「一緒にあげるための方法を考えてみない?」と持ちかけ、部下と協力してチームエンゲージメントを上げる体制を整えていくと良いでしょう。

話しかけにくいメンバーがいる場合

とはいえ、評価が厳しくなりそうなメンバー(仮にAさんとする)がいて心理的ハードルが高いケースもあると思います。そんな場合は、その人は後回しにして、まずは協力してくれそうなメンバー(仮にBさん)から聞いていけばいいのです。

その時にBさんに、Aさんは【5C】の項目のどこに一番不満がありそうかを聞いてみてもOKです。解決に向けて仮説を立てるにはまずは情報収集から。話しにくいチームメンバーにいきなり直でいっても、情報が引き出せそうにないなら、周りの人から上記の質問ツールを使って情報を引き出せば良いのです。

少しづつでも、【5C】の評価が上がれば、仕事の生産性も楽しさが上がることを研究が保証してくれています。このやり方なら、特に費用もかかりませんし、失うものもありません。難しいこともないので、手軽に始められます。

実際にやってみると?

過去の話ですが、私も管理職として異動してきたばかり職場で似たようなことをやってみたことがあります。

チームが結束するまでに紆余曲折あったのですが、最終的に「過去最高のチームは?」と誰かに聞かれたとしたら、真っ先にそのチームが思い浮かぶくらいのチームになりました。(このお話は後日このブログの「コモンパーパス」のパートで詳しくお伝えできればと思います。)

ですので皆さんも、機会があれば、上記の項目について感じることをメンバーに聞いてみるとチーム運営に役立つヒントが得られるはずです。

1on1で使いやすい質問例

さて、次は部下からアイデアや本音を引き出すための質問ですが、いくつか1on1の場で使いやすい質問をいくつか紹介しておきましょう。

変えてほしくないことは、今のチームで満足してることなので基本的に話しやすい内容です。もちろん理由もセットで聞きましょう。「人間関係」「お客様」「仕事内容」「扱ってる商品サービス」「待遇」など色々なものが出てくると思います。

その中に部下の価値観や仕事で大切にしていることも垣間見えます。こういった部下の特性は、上司がその部下との関係性をより強くしたり、強みをサポートしてあげるための大きなヒントになります。

良いことを聞いた後だと、「変えてほしいこと」も話しやすくなります。「密かに」をつけるのもポイントですね。言いにくいことや、口に出したことのない中で、変えて欲しいと思っている事を話してね、ということをそうととられず自然に聞き出すための接頭語です。

このチームの業績の上がらない理由は?はかなり直接的な表現ですが、相手によっては回りくどく聞くより直接ズバッと聞いたほうが効果的な質問です。端的に話す、率直に話す部下相手だとスパッと聞いてOKです。人間関係より仕事志向の部下に効果的な質問です。

その他の質問も部下を知ったり、チームの課題を見つける時に効果的なので、ぜひ相手やタイミングに合わせて使ってみて下さい。「質問が苦手」という上司は、質問一覧を部下に見せてあげて、「気になることとか、話してみたいことある?」と直接聞くのもOKです。

質問の詳細やテクニックより日常の信頼

あんまりテクニックにこだわる必要はありません。テクニックより日常の関わりの中で、どれだけ部下を支援できているか、どれだけ信頼ポイントが貯まっているかの方が大事です。

もし1on1がうまく機能しない方は、日常の中で部下に対して支援したいという気持ちがうまく伝わってない可能性が高いので、1on1の場を使って、自分の気持ちを理解してもらえるような工夫をしてみて下さい。

チームには解決権限がない問題についてどうするか?

最後にひとつ注意点を。

1on1をしていると、部下から出てくる不満やストレスの中に、「チームには解決権限がないようなこと」もたくさん出てきます。例えば「給料」とか「休暇」とか、「労働時間」とか、「会社の商品の価格が他社より高すぎる」とか「事務所の面積が狭すぎる」みたいなことです。

これらの問題はチームだけでは解決できません。だからと言って、社長や役員に稟議を出して改善提案を上げたところでいきなり改善が望めない項目も少なくないでしょう。

でも「自分には何も変えられない」、なんて落ち込むことはありません。できることから始めましょう。

まずは、部下から出てきた不満は全て記録に残し、①チームで変えられること と②それ以外のこと に分けましょう。

そして①も②も、チームメンバーに共有した上で、①の中で変えられることに注力すると宣言すればいいのです。

②に関しては、協力してくれるかどうかは相手次第です。コントロールはできませんし、あなたの責任でもありません。社長、役員、他の部署…などからあっさり協力を取り付けられそうな内容のみ実行に移すリストにいれ、基本的には自分たちが変えられる①の項目からチームで取り組みたい旨をメンバーに伝えましょう。

会社が変わろうとしないことには腹がたつでしょうが、一旦は気にせず忘れて下さい。最悪の会社でもチームが最高なら人は楽しめますし、結果も出ます。まずはその状態を目指しましょう。

このプロセスの中で、メンバーの視野の狭さや未熟さからくる現状認識に対する誤解や解釈違いなども出てきますので、その辺りも気づいたら一つずつ、丁寧に説明してあげるようにすると良いでしょう。最初は面倒くさいかもしれませんが、我慢して続けるうちに、誤解や解釈違いが減ってくるごとに仕事のスピードはビックリするくらい速くなることを体験できるでしょう。

コミュニケーションコストが減り、管理コストが減り、心理的にもかなり余裕ができることを実感できるはずです。同時に部下にも笑顔や発言が増えるという変化が同時進行で起こるでしょう。

次回は1on1以外のチームワークをより強固にするための方法についてお伝えします。

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