第8話④犬の混合ワクチン、結局何種を接種すればいいの?

前回に引き続き、ワクチンのお話。
「接種は必要。ただし抗体があるなら必要無し」
あなたの愛犬のために、過剰なワクチン接種を避けてもらうことが
この note の目的です。

重要なのは3種類。
アデノウイルス1型、ジステンパーウイルス、パルボウイルスです。
なぜ重要なのか?毒性が強く感染したら命にかかわることが多いからです。
特に子犬時代が要注意。
それでは上記ウイルス予防可能な3種混合ワクチンを接種したらよいのか?
残念ながらそんな都合の良いワクチンはありません。
10年ほど前はあったのですが、なぜか消えてしまいました。
それではどうするか?

子犬の時期は毒性の弱い病原体であっても感染した時の体調などで、重い症状となることもあります。そのため、そういった病原体に対応したワクチンを検討します。その場合のお勧めは5種混合ワクチン。その中身は
アデノ1型、アデノ2型、ジステンパー、パルボ、パラインフルエンザを防御できるものとなっています(各名称から ’’ ウイルス ’’を外しています)。
アデノ2型とパラインフルエンザは毒性が弱く、感染しても通常は風邪のような症状で治まるため、成犬ではあまり積極的に接種する必要はありません。ただしこれらの感染症が流行しているような地域や犬のグループであれば接種の必要は出てきます。そうは言っても、そのような場所で生活してるわんちゃんたちは少ないかもしれませんね。

毒性の強いウイルスであるアデノ1型、ジステンパー、パルボの抗体は、
体内で一度作られると数年以上残存することが分かっています。そのため子犬の時にしっかりと複数回のワクチン接種をされたコは、その効果を確認するために抗体検査を受けておきましょう。そこでもし抗体の確認ができないのであれば体質的に抗体が作られにくいコの可能性が高くなります。その場合はワクチン接種を続けるのではなく、日常生活における感染リスクを避ける行動をとるよう心掛けるという対処になります。残念ながらそういうコが少なからずいることが分かっています。副作用の心配だけでなく、実際にワクチンが効いているのかということを考えることも重要です。そうでなければ、もしかすると効果のないワクチンを延々と生涯接種し続けることになりかねません。

日本国内に流通しているワクチンは非常に多くの種類がありますが、どれを選ぶべきかは意外と簡単です。まずは子犬の時の5種を覚えましょう。そこから少しの知識をプラスしていけば十分だと思います。

次回はレプトスピラについてお話します。


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