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飲食業界=ブラック??

こんにちは!株式会社トリプルスリーの坂本です。
今回は飲食業界についてのイメージ像について語っていきたいと思います。
それもずばり飲食業界はなぜブラックだと思われているのかです。
今回は飲食店のビジネスモデルにも触れつつ思考の整理をしていきたいと思います。


1.飲食業界のイメージ

実際に皆さん飲食業界ってどんなイメージがありますか?
一度弊社で学生(関東近畿エリア/大学生/文理不問)向けのアンケートを取ったことがあります。その際の調査結果が下記となりました。

学生のうち3割が可能性有と回答

以下飲食企業に就職する可能性があると答えた95名に向けた質問

激務だと思っている人が88%も。。。
やはり3Kのイメージはまだまだ残っている。

まだ社会に出ていない学生は就職において世間イメージをもろに受けます。
それを考えるとこれは現状の世の中のイメージ像を素直に反映していると考えられます。
では次はなぜこのような形となっているかビジネスモデル含めた業界構造から考えていきたいと思います。

2.飲食企業のビジネス構造

飲食企業は今実際、働き方改革の中で現状を是正しようと大企業そして中小企業も取り組んできました。実際に昔に比べてはるかに業界的にはよくなってきたと思います。

しかしその一方でどうしても避けて通れない大きな構造があります。
それは飲食業界が「労働集約型」かつ「原価率が高い」ビジネスモデルなところです。

労働集約型のビジネスモデルとは事業活動の大部分を人による労働に依存しているビジネスになります。そのため人件費の割合が多いのが特徴です。
これ自体は全く問題はないことは自明ですが、飲食業の場合は原価などもかかってしまうため利益率の問題がでてくるのです。

例えばコンサルなども労働集約型ではありますが原価などほぼないようなものです。なので利益率もよく人件費に営業利益を大きく充てることができます。

しかしその一方で飲食は料理人/サービスマンに依存している事業活動であるのにも関わらず、原価が3割~4割を占めています。(業態にもよりますが。。。)なので営業利益の中から人件費を割くのが厳しくどうしても給料やサービス残業などが多くなってしまっていっている現状があります。

また飲食業界は基本は店舗ビジネスです。なので店舗がなければ売上は大きくは伸びていきませんし、企業成長には店舗出店は必要不可欠です。そして店舗出店には人が必要。そのためどうしても出店計画が先んじて考慮され採用計画などは具体的なビジョニングがないような中小企業様は多い印象があります。(一定仕方ないことだと思いますしそこをフォローするのが弊社の役目でもあると思っています。)

3.上記に対してどう解決策をうっていくか

正直短期スパンで業界全体が解決できるような仕組み・プロダクトなどはないのが現状です。方向性としては2パターンあります。
①1名あたりの労働生産性を上げる
②販売価格を上げる

上記の2種類かと思います。
①1名あたりの労働生産性をあげる。
⇒こちらのメインの解決策はいまどの業界でも叫ばれているDXになります。
例えばですが飲食店の必要労働力が1500だとして1名の労働力が100だとするならば15名の労働力が必要です。しかしITツールなどを活用することによって1名あたりの労働力が150にあがるのであれば10名で担保することができます。あとはITツールを導入するコスト(短期的な労働コスト/長期的な費用コスト)こちらとの兼ね合いが重要になってきます。

現在も色々なツールがでています。AIによるシフト調整/モバイルオーダー/簡単な受発注システム etc…
しかしここに関してはなかなか飲食業界が特殊な業界(閉鎖的で他業界との交流も少ない)ということもあり、なかなか新しい知見が入ってきづらい環境のため導入自体は大きくは進んでいない印象を受けます。

そして長期的にはなりますがもう1つの解決策としてはロボットに代替させることも1つです。スカイラークグループなど大企業ではだいぶ前から行われている試みですね。いったことがある人は配膳ロボなど目にした人も多いのではないでしょうか?
ちなみに最近でいうと恵比寿にロボットが作るまぜそばのお店などもできましたが時代を先取りしすぎたのかあえなく潰れてしまいました。。。

個人的には先ほど申し上げたように「料理」「サービス」は人が提供してなんぼの世界だと思っているので、どちらかというと直接の価値提供ではない店舗オペレーション(掃除・一部仕込み)などについて今後このロボットなどが活躍していく時代になればいいなと思っています。

②販売価格を上げる
こちらは出来たら苦労しねーよという話があると思います笑
②をするためには世の中の価値観の変容が求められると思っています。
これに関しては非常に難しい問題なため少し長文にて書かせていただきます。

現在原材料も高騰する一方で顧客獲得のために値上げできずに苦しまられている飲食企業様も多いと思います。1つデータを見てみたいと思います。

日本政策金融公庫:価格動向に関するアンケート調査結果 

こちらをみると飲食業の方々において9割は仕入れ価格(原価)が上昇したと実感されているのにも関わらず販売価格を上昇させているのが43%にとどまっています。また現在、最低賃金の上昇/物価高による正規雇用のベアアップもあるなかで販売価格の上昇理由において、人件費も理由の1つにしている企業が24%と低位なのも、現在の飲食企業が苦しいことを如実に反映していると思われます。

なかなか販売価格を上げれない大きな理由としてはやはり世間の飲食に対する価格価値観があるのは間違いないと思っています。

例えばラーメンにおいて「1000円の壁」というものがあります。(個人的にラーメンはよく食べるのでラーメンで例えさせてもらいます笑)
本田圭佑選手がポストした件みなさんご存知でしょうか?


本田圭佑選手のX

個人的には「よくぞいってくれた!」なと思いました
僕個人ラーメンは大好きですし食べるときは年間400食は食べていました。
しかしラーメン屋って実は3年以内の廃業割合が7割もあるんですね。。。

もちろん色々理由はあると思うのですがラーメン=庶民の食べ物という固定観念があり、そのためいいものを提供しているのにも関わらず原価率コントロールがうまくいっていない・人件費割合が極端になっているなどは1つの原因だと思っています。

庶民の食べ物ならば1000円は超えちゃだめだろうという言論があるのが事実です。実際にこの本田圭佑選手のツイートは賛否両論が非常にありました。

もちろん世間からすれば安く・美味しいものが食べれるに越したことはないとは思いますが我々の人生に1つの彩を添えてくれているのも飲食店でありそこで働く従業員の皆様だと思っています。なのでここの世の中の価値観を変えていくことが長期的スパンで必要になってくると思っています。

今回については飲食業界のブラックなイメージがどのようなところから問題がきているのかを深堀させていただきました。
とはいえ有効な解決策を具体提示できていないのが非常に悔しい中ではありますが今回はこちらにて思考の整理を終わらせたいと思います。

今後ここについては会社全体でも僕個人でももっといろいろと考えていきたいと思ってる次第なので何かいいツールなどありましたら是非教えてください!

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