本|料理通信 スパイスで極めるカレーの作り方
現在最新号の料理通信。
カレーという料理をスパイスの特性や、さまざまなシェフの使い方を通して攻略していくという「カレー攻略本」です。
料理通信はまず読みやすいこと。
また、シェフのバックボーンを上手に折り重ね料理を紹介しているところに魅力を感じて愛読させてもらっています。
私自身小麦粉を使った欧風カレーはあまり得意ではないため、こういったスパイスから考えて、とろみをジャガイモなどのデンプンで持っていくインド風カレーはとても美味しく感じ、同時に勉強になります。
本の特徴とおすすめポイント
前回のカレー特集から引き続きVol2となる今作。
カレーにのみフォーカスされがちなスパイスの魅力を野菜や旬の魚と合わせることによって、スパイスが「脇役」であることを再主張しています。
スパイスカレーと聞いた時点で口の中いっぱいにスパイスの香りと刺激がくる条件反射に対して、あえて「脇役」というネガティブなワードを使用する。
しかし、紹介の仕方や組み合わせ、活用方法を通じて「脇役のポテンシャル」をしっかりと紹介し、最強の脇役を演じていることに意識を向けています。
スパイスに関しては実際にやってみないとわからない。噛んでみないとわからない事が本当に多いとおもっています。
スパイスの入り方や入れるタイミングなどはその都度状況に応じて変わりますし、それこそやらないとわかりませんが、
「使っているお店」じゃないとホールスパイスを揃えているところはあまり多くないし、知らない、触ったこともないスパイスなんて料理人でもザラにあります。
そんな中、やったことのない人でも実践時に注意しておくポイントなどがわかりやすく書かれていることも特徴です。
また料理と名の冠するものにかならず存在する「正解」
どの料理人もまずはそこを目指して技術を磨き、追い越し自分のものにする料理人文化に対して、カレーはそもそもの正解が存在しない。
スパイスという変化の激しい特性上、正解を介さずに瞬間ごとに個人の生き方や思考を反映させ完成に向かう事が文面に出ていてためになります。
東京をはじめとするカレー専門店の人気レシピの掲載ができるところは料理通信がさすがたる所以で、各々の哲学もそこに現れていると思います。
また期間限定かもしれませんが、今回のVol2に伴い前回のVol1がウェブにて立ち読みできます。
料理人にとってのコロナと新しい取り組み
昨今の料理人にとって1番気になるのは「いつまでコロナが続くか」だと思います。
ほぼ自然災害な新型コロナウイルスは飲食業界にとんでもないダメージを残していますが、人気店を経営している四人のシェフに話を聞いています。
みなさん独自の考えとポジティブな姿勢のおかげで早くから次に取り組み、この不安定な世の中でも結果を残しています。
わたしも経営しているECサイトに関しても記事があり、これからの新しい料理人像がとても明るく反映されているように思います。
新型コロナウイルスでみなさん大変な中、「どのくらい大変か」ではなく「どのように楽しみながら付き合って行ってるか」に重きを置いた今作は、スパイスという刺激と一緒に僕ら料理人の起爆剤になってくれていると思います。
働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。